クリオネの新種が100年ぶりにオホーツク海で発見されたそうで、名称がいいですね、オホーテンシス。間違いなくオホーツク海のオホと天使のテンが掛かってます。ちなみにオホーツク海によくいらっしゃるのはエレガンティッシーマさんと云うそうです。一応僕が最近サンピアザ水族館で撮影に成功したものが下の写真です。










「よくゴマフアザラシにエレガントだねって言われる」






くれぐれも失敗写真ではございませんので悪しからず。
興味のある方は水族館などで見てみてください。エレファントしか知らなかった貴方、本物はかなりエレガントです。エレガントなんですが、牙で巻貝を……。
……本日もポエムではなくて、ショートストーリーをどうぞ。








☆☆☆☆☆☆☆







ピンクとチャコールグレーの街、水色の空に入道雲。虹に向かって飛行船とハトが飛んでいた。
「ハトさん、こんにちは」
風船も飛んじゃって何か平和だ。2週間ぶりのまともな休日に相応しい。並木道の木漏れ日を浴びながら1丁目のメーンストリートを歩く。カポカポ走る四輪馬車に乗っているのは観光客だろう。優雅だな。ターミナル駅前は家族連れやカップルで賑やかだ。歩道に寄せて駐車したピカピカのクラシックカーから、ステッキをクルクルさせた紳士と、海老茶袴の三つ編みハイカラ女学生がおりてきた。2人とも髭眼鏡をかけている。マジックショーでもあるのだろうか。ベンチの僕ちゃんが大事そうに抱えているのは誕生日プレゼントか。大きなリボンも可愛い。楽しい風景を見ていたら一句思いついた。
「鳩が見た街、虹色の下、可愛い僕は、膝の上」
お後がよろしいようで。
Gショックを見ると12時まであと2分か3分だ。洋食レストランでも行こう。それから犬のビスケットを買って帰ろう。













ピンクと消炭色の街って、オモチャか。
なぜわざわざ虹に向かって飛行船とハトが飛んでいるんだ? 丁寧に風船まで飛んでやがる。パッと空を見上げると、虹、飛行船、ハト、風船、印象的な多色作風の絵。いや、そんな奇跡は無くて良かった訳だ、俺には。ついに昨日今日と仕事をさぼってしまった。行けない、いや、もう行かない。ハトになって虹の彼方へ飛んで行ってしまいたい。いや、いらんいらん、ロマンチックな描写も大好きなヒロヤマガタも今はいらん。ハトは天敵やら何やらで危険だから風船がいい。ただフワフワと飛んでどこかの木の枝に引っかかり、雨風にさらされ、永遠にそこから見える風景を眺めているのだろう。だが、会社の近くに引っかかったらどうする? 冗談じゃあない。象にまたがっているのは観光客か。なぜだ。ターミナル駅前は家族連れやカップルばかりだ。ガヤガヤ騒ぎまくってやかましい。銀行前の歩道に寄せて駐車した黒塗りのセダンから、ステッキをなぜかクルクルさせた髭眼鏡の男と、これまた髭眼鏡の袴の女学生風がおりてきた。銀行強盗か、まさか。
時計を見ると12時まであと2分か3分だ。俺は風船になれないから酒場でも行って酔っ払いになろう。
「チャペスさん!」
呼んだのは誰だ、振り向くと会社の同僚だった。
「昨日出勤していなかったから、どうしたんだろうと思いましたよ」
「ああ、面目ない、ま、色々考えたら行けなかったんですよ」
俺は口をモグモグしながら云った。たぶん俺の姿は、ご主人様愛用の革靴片方を噛み噛みして、叱られ怯えるブルテリアのように映って、
「そうでしたか、とりあえず今から近くのモダンな洋食レストランに行くんですけど、チャペスさんもどうですか?」
「いや、俺は風船にはなれないから」
「何を訳の分からないこと云ってるんですか、そこのレストランのハンバーグセットがなかなかの味でしてね」
という感じで俺は酔っ払いにもなれず、モダンな洋食レストランに行くことになってしまった。






今日はここまで!





黒ビール






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