「すいません。現像に失敗しました!」-白黒写真フィルムを現像する暗室から若い記者が顔面蒼白(そうはく)で飛び出してきた。昭和60年8月13日の午前0時過ぎ、埼玉県浦和市(現さいたま市)の浦和支局は一瞬、静寂に包まれた。

 12日夕に羽田空港を出発し、大阪に向かった日航ジャンボ機が姿を消し、墜落場所が分からず情報が錯綜(さくそう)していた。そんな中、航空自衛隊入間基地から「墜落地点を撮影した」との連絡が入り、記者クラブの幹事社だった産経新聞がフィルムを受け取って現像し、印画紙に焼き付けて報道各社に配る手はずになっていた。

 「それが失敗した?」。あわてて暗室に入り、フィルムを見ると、確かに闇夜だけに黒い部分が白く抜け何も写っていないように見えたが、ルーペでみると、小さな黒い点が幾つもみえた。「これでいいんだ。これが炎だよ。すぐ本社に電送してくれ」。この墜落現場写真は13日付最終版に掲載された。

 現在は、フィルムカメラからデジタルカメラに変わり、すぐに撮影結果を確認でき、パソコンに取り込んで携帯電話を使ってその場でデータ送信をする。写真だけでなく動画でくわしく紹介もする。

 JR東京駅前の丸ビル(東京都千代田区)1階フロアに5月16日まで展示された10メートル四方の巨大なゴッホの自画像。絵画ではない。14日にギネス・ワールド・レコーズから「2070枚のポロシャツを使ったモザイク画」として世界記録を認定されたアパレル大手の「オンワード樫山」制作のモザイク画だ。編集企画室の記者が紙面に記事を出稿し、「YouTube(ユーチューブ)」に動画をアップした。

 編集企画室の業務は多岐にわたる。企画事業局と連絡を密にし、主催する絵画展や写真展の紹介記事を編集局と調整し、社会面、経済面、都内版などに出稿したかと思えば、企画特集面を作る。今後はコンビニエンスストアを舞台にした「デジタルサイネージ」(電子看板)分野にも進出する。

 もちろん、営業局や企画事業局からの依頼で制作する企画特集ではスポンサーやクライアントの意向を考慮しなければならない。しかし、読者が知らない業界用語も多い。企業と読者とのナビの役割を果たし、いかに企業の思いや商品の特徴を的確に、かつ読者に役立つ情報として伝えていくか…最新鋭のデジタル機器と格闘する毎日ではあるが、やりがいもある。(編集企画室次長 福田光洋)

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