前原誠司国土交通省が9日発表した高速料金の上限料金制度が導入された場合、大阪・南港と九州を結ぶ長距離フェリーでの大型車の料金は、高速道路を利用した際の経費の2倍を超えることが、大阪フェリー協会(大阪市)の試算で分かった。本州と四国と結ぶ本四連絡道路にはフェリー業界に配慮して別料金が課せられるが、九州方面は別料金区間がないため、航路と陸路の格差が広がった。陸路を選択するドライバーが増えるとみられ、業界では危機感を強めている。

 上限料金制度は6月から実施の予定。協会では、フェリー会社の収入を大きく左右する特大車と大型車で、航路と陸路のそれぞれの料金を算出。南港と北九州(門司)、中九州(別府)、南九州(宮崎)の3航路のフェリー料金と、高速道路料金と燃料費を合わせた同じ区間の陸路の料金を比較した。

 試算によると、南港-門司間の場合、トラックやバスなど大型車の高速料金(夜間)は現在1万720円だが、上限制導入後は、中国、山陽道、関門橋、九州道や別途料金の必要な阪神高速(現行の料金体系)を使用しても6120円に減額されると推定。燃料費(3キロ=1リットル)を合わせても2万6720円と、フェリー料金(6万3600円)の約42%となった。

 宮崎航路でも、トレーラーなど特大車の場合、高速代と燃料費の合計は4万4900円でフェリー料金(9万1400円)の半額以下になった。

 国交省近畿運輸局などによると、ここ数年、燃料の高騰や景気後退、マイカーの「千円乗り放題」などの影響で、特に長距離フェリーの輸送量が低迷。収益の柱であるトラックの輸送台数は、21年度上半期、各社平均で前年同期比の2~3割落ち込んでいる。

 そうした現状にさらに追い打ちをかけかねない上限料金制度について、大阪フェリー協会の白野哲也専務理事は「高速道路を安くするのなら、フェリーや鉄道も安くするべき。今の政府はバランス感覚に欠けている」と抗議。名門大洋フェリー(大阪市)の山本哲也・営業統括部長も「社会実験といっても、税金を使ったビジネスモデルと同じ。九州航路を持つ立場としては、とても厳しい状況になった」と反発した。

 上限料金制度では瀬戸大橋など本四連絡道路については、ほかの高速道とは別料金となり、さらに軽自動車と普通車は上限を一般の高速道路よりも千円高くするなどフェリー業界に配慮。料金変更でフェリー業界は明暗を分けた。

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