しるしのない「・・・去(さり)ながら印(しるし)のない 銭(ぜに)と金(かね)とは盗人(ぬすびと)の なかなか直(すぐ)には知れぬもの ・・・ (曲山人、『清談若緑』) カネに色がついているわけではない、しるしがあるわけもない。持っている人間が所有者と見なされる。落とそうが、盗まれようが、私が落とし、盗まれたその当のカネだとなかなか証明はできない。