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イランを巡る国際情勢があって石油の値が上がっているようだ。化石燃料に頼る現状を見るにつけ、日本昔話にある「梅木屋敷」の話を考える。何千人もの人手を使い千町歩もの田の田植えを一日でしてしまう長者の話。ある年、人手が手を休めてしまう出来事があって植えきらず日が落ちてしまいそうになる。そこで長者は「黄金を張った扇」で「夕日に向かって戻れ戻れと」。太陽は戻り、田植えは終わる。
「しかしこの様な事をして自ら長者の威勢を試みるのは、勿体(もったい)ないことでありましたから、忽ちにその天罰を受けました。長者の幸運はこの時を絶頂として、それから次第に降り坂に向いました。今では子孫が悉(ことごと)く死に絶えて、何処に長者の家が在ったかも、もはや尋ねて見ることが出来なくなりました。・・・」
(柳田国男、『日本の昔話』、新潮文庫、p.90)
化石燃料はかつての太陽エネルギーの蓄積したものであろう。それをたかがこの、石油なら100年ほどの間に大量に使ってきた。そうしてピークオイルがいわれる時代である。カネの扇で戻れ戻れしても、戻ってこない時が来る。昔話では天罰は大地震であったそうな。災害とともに下り坂となる。