貴婦人と一角獣展。
どのタペスリーも美しかった!ぐるりと円形に飾られているので、
空いているところに入って近づいて観たり、真ん中に立って全体を眺めたり。
本などではよく見ていたけれども、実際に見ると織物であることの凄さが肌で感じられた。
その重量感、表面の光沢によって迫力を出す貴婦人の衣装の豪華さ、
そこに何百年という時間を纏わせている。

i am aki-nyam. ( art + science + life.... )-触覚

織り出されたあのファッション…詳しいわけじゃないけど、中世の服飾、
特にヘアスタイルや被り物の奇抜さにはいつも心底から感心してしまう。
子供の頃から、絵本に出てくる中世のお姫様の奇妙なカタチの帽子は興味の対象だったのだ。
タペスリーのレディは帽子は被っていないけれども、髪型は十二分に奇抜だ。

してみれば、古代クレタの女性の服装といい、18世紀アントワネットの時代といい、
現代よりもよほど過激、そこいら中レディ・ガガだらけだったわけ(上流階級だけかもだが)で、
美しい羽も豊かなたてがみも無くした我々は、どうしてもそうなってしまうものなんだろうな。
そう考えると、今どんなファッションが流行してようとも「たいしたことないね」って思えるわ(笑)

展覧会は15日までで、27日からは大阪で展示される。
東京では鑑賞にオペラグラスを持参してた人がいたけども、あれはいいですね。



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同じ国立新美術館でもう1つ、アンドレアス・グルスキー個展も鑑賞。
写真家は詳しくないので名前を聞いてもすぐに作品が浮かばなかったのだけど、
見たら「ああこれ!」という作品がたくさんあった。そうか、この人だったのか。
これも、これも…あれも、何度も見ていたじゃないか!
このMontparnasseなんてすごくいいと思って、「イイネ!」とかやってたじゃないか。
自分に "┐(´д`)┌ヤレヤレ" だな(苦笑
i am aki-nyam. ( art + science + life.... )-Montparnasse


「グリーリー」は、実物を見た瞬間グッと来るというかゾクッと来たというか。
この牛たちとこの状況、これって私らだよね、この中の1匹の牛は私なんだよね。
笑っちゃうね。
i am aki-nyam. ( art + science + life.... )-グリーリー

グルスキーは写したそのままでなく、画面に加工を施すそうで、
ゆえに建物内の人物の大きさなども少しずつ違っていたりして、ぼんやり見てても
「あれ?なにかがヘン」と、感じさせる。

比べるには申し訳ないけど、不完全な建築模型を連想してしまった。
せんだいデザインリーグ で何百という模型を見た時に感じたこと、
雑に作っている模型の人物の大きさや配置の不自然さを。
i am aki-nyam. ( art + science + life.... )-gursky03

でもグルスキーの写真のそれは狙いなんだろう。
その制作過程であるとか意図については詳細をリサーチしてはいないので、断言しないけども。

「群衆」が写っている。一人ひとりが存在しているが不在している。
大勢いるけど誰もいない。



写真展でも絵画展でも、作品と私の間に立つアクリル板は、仕方ないけど、やっぱり邪魔だなぁ。
ときには、映り込む自分も作品を自分なりの解釈の中に取り込めることがあるけれど。
川内倫子さんのマットな画面や、若冲展での剥き出しの展示で見た作品は、
本当に強いインパクトがあって、ダイレクトに腹に響いて、忘れられないものになってるから…。

i am aki-nyam. ( art + science + life.... )-shoes

グルスキー展は図録を購入してきたのだけど、写真集としてもなかなかに素敵。
休日でもほどよい混み具合で、じっくり見れて良かったです。

☆アンドレアス・グルスキー展 7月3日~9月16日 (火曜日休館)
  http://gursky.jp/index.html


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