息子は相変わらずINRが落ち着かず、人工心臓のポンプ内に、血栓が出来たり消えたりを繰り返しています。
…6年生の息子です。これがどういうことなのか、分からない筈がありません。常に、血栓が脳に飛ばないか不安げな表情をしています。それでもなんとか、私たちに心配かけまいと、明るくおどけて見せてくれる優しい息子です。私たちも「きっと大丈夫だよ!」などと励ましますが、残念ながらなんの説得力もありません。…無力です。大先輩でいらっしゃる三日月さんが、以前おっしゃっていた「無力」という言葉の意味が、痛い程よく分かります。
これまで何度もポンプ交換の手術をしてきた息子は、その度に胸に突き刺さっている送血管と脱血管を、少し切って短くしてきたた為、それらがもう切ることができない長さになってしまっています。なんとかこのまま、脳の出血や梗塞が起こらず、無事に移植まで辿り着けることを、心から祈るばかりです…。(息子よ、頑張れ!)
移植…
知れば知る程、非常にセンシティブな医療です。過去にも、記事「息子はついに移植登録できました。」 で書かせていただきました通り、賛否の声が聞かれます。
先日は、私たちが応援している田中美紗都さん が、無事ドイツから帰国され、私たちも我が子のことのように、心から嬉しく思いました。移植されたことを知ったときは、あまりの嬉しさに涙が出た程です。
…しかし、私たちは知っています。
国内には、もっともっと大変な状態で、移植登録さえできなかったり、登録できても待機者リストから外されたりしながら、日夜必死に闘病されている患者さんが沢山いらっしゃることを…。
息子も数か月間、あまりにも状態が悪く、日本循環器学会に登録を認めてもらえない頃がありました。(また、沢山の障がいを抱えている息子は、渡航移植さえ受け入れてもらえませんでした。)
私たちの大切な同志、かやさん のお子さんも、脳に障がいを抱えてしまわれ、移植登録ができない中、毎日頑張って闘病されています。(皆さん、是非とも応援してあげてください。宜しくお願い致します。)
現時点では数少ないドナーの方の、大変貴重な臓器です。移植後、レシピエントが元気になることが大前提であることに、私たちも異論を唱えるつもりはありません。ただ、今後、移植医療がより一層充実・発展し、全ての患者に等しく開かれた医療となっていくことを願ってやみません。そして、勿論再生医療が進展することも…。
…最後に、先日さくちゃん応援団長さん が遊びに来てくださいました。団長さんは、全国の病気のお子さん方を誠心誠意応援されていらっしゃる、とても温かく優しい方で、まさに神様のような存在の方です。息子も娘も大喜びで、私たちも沢山の元気や勇気をいただきました。神様、いつも本当に、本当にありがとうございます。