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2011-05-26 01:24:47

シャネル@日生劇場

Theme: お出かけ

「ココ」シャネルby大地真央さんを観てきました。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ


今回のメンバーは、先日宝塚をご一緒した、副島様と市川様。


今日の服装はソラーロという光沢があるカーキ色のスーツに、シルクリネンのボルドー色のウエストコート(ベスト)、そしてボルドーの蝶ネクタイに、パナマ帽でした。


午後一時からの開演でしたが、ちょっと早くに到着してしまいました。なので、緑がまぶしい宮城のお堀端を少し散歩。真夏もこのままであってくれたらいいのにと思うほどに気持のいい天気でした。


舞台は・・・面白かった。前回の宝塚のニジンスキーをどうやって舞台化するのか興味深かったように、有名な人の一生を舞台化する難しさというのにどのように取り組むのか・・・興味がありました。


面白かったけど、素晴らしかったとは言えないかな・・・。


大地真央さんは本当に素敵だったし、葛山信吾さん、高橋惠子さんは実によかった。やはり舞台慣れしておられる役者さんは、声量があり活舌がはっきりしており聴き取りやすいのだけど、そうではない役者さん(あえて誰とはいいません)との違いがはっきり分かる感じがしました。それ以上に、一幕が面白く展開しただけに二幕がすこし話の展開がだれているのが残念。でも、それは役者さんのせいではなくて演出家や脚本家の問題ですね・・・。


舞台後、今回出演しておられた彩輝なおさんの楽屋を訪問させていただきました。本当におきれいでびっくりしましたが、それよりも舞台裏で葛山信吾さん、今井翼さんとかが軽装で顔を洗ったりしているのを横目で拝見して、役者さんは本当に大変だと思いました。体力勝負ですからね・・・。


だから、軽々しく批評なんてしてはいけないな~などと思いました。


表にでない演出家や脚本家で決まってしまう舞台。有名な役者さんでも、疑問を抱きながら演じていることも多々あるのではないか・・・。不本意な事もあるだろうに・・・。なんかすごく複雑な思いにとらわれました。


観客席では華やかな舞台も、実際はやりたくなくともやらねばならないという葛藤がその裏にはあるのだろうな。


それは全ての仕事において、共通のものだけれども。

2011-05-24 00:13:54

職人魂 (2)

Theme: 和服

話が少しわき道にそれてしまいました。


生駒先生と毛利百合先生の佐賀錦を鑑賞していたところへ、偶然日本工芸会正会員の伊藤裕子先生がお出ましに・・・。伊藤先生は組紐師でいらっしゃいます。


伊藤先生も佐賀錦をご覧になり、「毛利さんの作品ね~」と言いながら、お茶を飲みながら生駒先生と歓談しておられました・・・。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ

伊藤先生の組みひも・・・男は羽織紐にしますが・・・は長年愛用してきました。色の繊細さや組の美しさは勿論、実用に適した張り感がある組みひもです。幸い今日は伊藤先生の作品の組みひもを着用しておりました。


あまりにも伊藤先生が美しかったので、無理をお願いして記念撮影。先生は男ものの古い上等な大島を仕立て直して絽の帯でお出ましです。確かご友人の形見だとのこと。触れさせていただいたのですが、軽いのに張りがあるなんとも良く着こなれている大島だな~と思いました。


少し生駒先生、伊藤先生を囲んで取り留めのない話をしていると、おもむろに生駒先生が立ち上がり、「こんなのを描いてみたのですが、どうでしょう・・・」と遠慮がちに和紙を広げられました。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ

羽裏という注文が今まで経験されていなかった生駒先生が、羽裏用に唐獅子の絵を描いてきて下さいました。唐獅子や龍は羽裏によくある絵柄ですが、染色家というよりも画家である生駒先生が愉しんで描かれたのを感じます。


「最初はどうしていいのかわからなかった・・・」


先生はおっしゃいました。


「羽裏なんていう注文は今までなかったから・・・」


ちょうど江戸小紋の作家である藍田正雄先生が、亡くなった人間国宝の児玉博先生の型紙で染めた着物に合わせる羽裏をどうしようか迷っていたので、あまりにもタイミングが良すぎました。


この作品で次の羽裏を作っていただこうと決まりました・・・。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ

生駒先生は絵を前にして、地色はどうしたものか・・・とずっと悩んでおられました・・・。


それによって獅子の色合いとかも変わってしまいます。その時は一緒に伊藤先生と黙っていましたが、周りを江戸小紋の地色(鼠色ががった藍色)で染め、ぼかしで中央は絵が引き立つように白無地にすれば美しいかと。(今、思いました)


唐獅子や龍といった古典な絵柄はともすれば下品になります。しかし、肉筆で考えながら職人さんが描いた物は気品にあふれ、生き生きとしておりました。ましてや「初めて」羽裏の注文を受け、私の無理なお願いを「熱意」と感じてくださった生駒先生が描きおろしてくださった作品ですから。


陽も長くなりましたが、この日は、外が暗くなるまで工芸家のおふた方と語り合い、一緒に作品作りをさせていただけ幸せでした。


美術と工芸。そもそも二つは一緒でした。しかし、西欧ではルネサンス以降ヴァザーリのの『美術家列伝』 によって美術(絵画や彫刻)は工芸よりも上位に置かれるようになりました。特にフランス革命以降芸術は表現であることをそのテーゼとしてきました。しかし、私は個人的に美というものを探求するためには、ある程度の制約がなければできないと思っております。それは、工芸であれば実用に適っていなければなりません。作家が表現したくても勝手な事をしたらばそれを受け止める人(買い手)が受け入れなかったらば成り立ちません。


フランス革命が及ぼした芸術への罪。そこに発注する王侯貴族ではなく、知識がないブルジョワジーが買い手になったことで、ある意味の革命を生みましたが、少々行き過ぎてしまったのではないかと思うこの頃です。


革命と芸術、そして工業化・・・19世紀の負の遺産(と私は思っている)をどう解消していくか・・・それがこれからの美術の課題だと個人的に思っております。


買い手が未熟だから芸術は育たない。


良くわからなくても著名だからといって、妙に値がつりあがる絵画オークション。


それは単に見栄だけのもので、美への礼讃に値する真の対価なのでしょうか?


第一次世界大戦によりイギリスの工芸は買い手である貴族が戦死してしまい、没落していきました。日本の工芸も、美しいものを考えて作ってもらおうという意欲がなくなりました。わかりやすく、表面上が目立てばいいという感覚なのか・・・。


楽しい日曜ながらも、少しかなしい思いになって銀座を後にしました。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ

雨の銀座・・・この和傘を作っていた岐阜の工房もずいぶん前に無くなってしまいました・・・。



2011-05-23 21:40:59

職人魂 (1)

Theme: 和服

腕の良い職人さんの作品を買うのは楽しい。現代の作家でも、アンティークでも・・・。


しかし、最も楽しいのは現代の職人さんにお願いして、一緒に考えながら物づくりに参加させてもらうこと・・・。


こちらが素人だからこそ、かえってそれまでは職人さんの経験では今まで作ったことがないというものをお願いする事もあります。最初は職人さんも、え?なんで私が?という顔をするが、こちらも必死で真剣に頼むと一時間くらい話すと理解していただけ、そしてものすごい情熱を傾けて作品作りをしてくれる。そして、そうやって出来上がったものは、美しい。


今回の先生は生駒暉夫先生。東京友禅の作家で、日本工芸会正会員でもあります。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ-生駒先生と羽裏


この度先生にお願いしたもの・・・。それは、羽織の裏(羽裏)です。


羽織の裏は華美な装いを禁じた故に、江戸時代より裏に贅を尽くすようになったことから美しいものがたくさん作られてきました。しかし、今ではなかなかこれはいい!と思えるものが少なくなりました。いつかは作家の先生にお願いして美しいものを・・・と、思っておりましたが、やっとその機会がきました。


さかのぼること7年前・・・2004年4月にフランスの友人、Pierre de La Rochefoucauld 男爵(「箴言集」で有名なロシュフーコー公爵家の分家で、伯爵の長子なので男爵を名乗っています)の結婚式に参加した時に色紋付きを着て式に出ました。その日の為に、昔から親戚が頼んでいた京都の呉服店で紫の色紋付きを染めてもらいました。しかし、染物は難しく、うまく渋い色が出ず、派手なものになってしまいました。


それ以降あんまり着る気がしなくてしまっておいたのですが、もったいないので、今年の頭に日頃から懇意にさせていただいている呉服店『銀座もとじ』さん(http://www.motoji.co.jp/ )に持ち込み、染め直しをお願いして黒の正式な五つ紋の紋付にしてもらうことになりました。


しかし、問題は羽裏でした。正装は遊びが許されません。黒紋付きは冠婚葬祭の正礼装だからなおさらです。ならば羽裏に凝ってみたいのだけれども、既製品ではなかなか良い物がありません。『銀座もとじ』でいつも相談に乗っていただいている、秋永氏に相談に乗っていただきました。秋永氏は戦後ずっとこの業界に携わるプロ中のプロ。白生地から男ものを染めるという事があまりなくなってしまった現代でも、色を夢にまで見るという工房と顧客の橋渡しをしてくださるプロ中のプロフェッショナルです。


あれは、1月23日だったか、たまたま秋永氏とお話していると、その時東京友禅の作家である、生駒先生が作品展をなさっておられました。先生にお目にかかり羽裏を描いていただきたい旨、説明したのですが、最初は何でわざわざ、というような怪訝なお顔をされてました。


しかし、まじめな先生は作品(すべて女性物)をひとつひとつ見せてくださり、その中で灰色に若松が描かれている袋帯に目が留まりました。


松の枝の荒々しいぼかしから、瑞々しい緑の葉が描かれております。そして、松ぼっくりには刺繍のアクセントで立体感が表現されています。これをこのまま羽織の裏にしたら見事ではないかと。そう思った瞬間、秋永氏が「このデザインは良いのでは~」と相槌を打ってくれ、先生もその場でその若松をもとにイメージ画をさらさらと描いてくださいました。


その間に、楽しい話をしながら時間がたったのですが、それはまた今度。


ちょうど4か月が経った昨日5月22日、先生が銀座にわざわざお越しになり、作品の途中経過を見てもらいたいと、羽裏を持ってきてくださいました。


地色は帯よりも深く渋く染め上げてくださり、松の色は瑞々しく、ルーペで見なくとも沢山の色を重ねているのが分かりました。京や加賀の友禅よりも渋い東京友禅らしい、落ち着きと趣ある『絵』でした。


そこにもうひとつの美術品が加わりました。



&quot;Le Passe Vivant&quot; by ATTIEのブログ-友禅と佐賀錦


以前に少しだけ拝見したのですが、これはあまりにも立派すぎて黒紋付きにしかつかえないですね~などと話していた佐賀錦の帯です。佐賀錦というのは金属の箔を和紙の紙縒りに巻いて、絹糸と一緒に織られる織物です。幕末に鍋島直彬公が御殿女中に作らせ、幕府にも献上された逸品ですが、あまりにも手間がかかるために一時は衰退し、現代ではまがい物が多く、本物でもバックなどの小物でしか見ることができません。


こちらの角帯は1996年に毛利百合子先生が日本工芸展に出品された作品だそうです。

生駒先生の羽裏にあまりにも合いそうなので、お願いして再び出していただきました。そして隣に合わせると、地色のなじみ具合も、中央の柄行きの色合いも若松の羽裏にぴったりと合います。あまりにも美しい組み合わせに、生駒先生もびっくりされておられました。


もちろん黒紋付きを着るときは袴ですので、羽織の裏と同じように袴の下になってしまう帯は脇からしか見えません。しかし、黒紋付きというもの自体がめったに着ない晴れ着であって、座敷に上がることを想定した着物です。座敷では羽織は脱ぎます。脱いだ時に、羽裏は人目にさらされます。その羽裏が重要なのはその瞬間です。そして、羽裏を脱いで預けた後、袴の下にある帯が少し覗きます。


谷崎潤一郎の『陰影禮讃』には能衣装の美について書かれております。それがともし火の中でどれだけ凛々しく厳かであったであろうかと、谷崎は想像します。また、漆器の美について、蒔絵についても語っています。『金蒔絵は(中略)暗い所でいろいろの部分が時々少しずつ底光りするのを見るようにできているのであって、豪華絢爛な模様の大半を闇に隠してしまっているのが、云いしれぬ余情を催すのである』と。


江戸期の蒔絵を愉しむ時には、必ず蠟燭の明かりでなくてはならない。それは実際に体験してみると分かることで、暗がりの中で、香道具や椀の蓋の裏などにともし火のちらちらとした炎が反映する時、あまりの美しさに息をのむことがあります。


それ同じように、漆黒の紋付きに箔を巻いた帯が、初釜の茶室の薄暗がりでどのような表情を見せるのか・・・しばしその様を想像しておりました。


(続く)



2011-05-22 07:09:00

ニジンスキー~奇跡の舞神~

Theme: お出かけ



Attieのブログ-パンフレット


ニジンスキーにはいろいろな思い入れがございます。


もちろん(当然)ご自身と会ったことはないのですが、彼の衣装をコレクションしているロンドンの富豪に、大学時代にニジンスキーの衣装を着させていただいたことがあります。


印象は、すごく小さい・・・。


「この衣装のコレクション、売ってしまえば家の維持費にはなるだろうけれどもね~」と、ジン・アンド・トニックで酔っぱらった英国人のご老体には申し訳ないけど、自宅に並べて何が楽しかったのだろう・・・。


ニジンスキー~奇跡の舞神 を先日拝見いたしました。毎週お会いする主治医ともいうべき中野あおい先生のお招きで貴重な舞台を拝見することができました。


私にとってのニジンスキーは、その衣装との出会い以前に、中学の頃、熱烈に尊敬し師事していた作家のノリス・ハーゼ(増山のりえ)様に赤江瀑氏の「ニジンスキーの手」という小説から始まります。


それだけに、この舞台、宝塚というだけでも心踊らされるのに、ニジンスキーというテーマ、非常にドキドキしながら拝見しました。


お芝居についてはまた後日詳しく日記に書かせていただきます。


感想は・・・複雑なストーリーを良くまとめあげたな~という感心と、衣装の時代考証が(特に男性)しっかりしているので、古き良きベルエポックに引き込まれそうな気がいたしました。


舞台で、役者さんがいかに頑張っても、時代考証を誤ると、ちょっと引いてしまいます・・・。



Attieのブログ


舞台の後、天現寺で素敵な会食。

写真後方のサングラスの粋な女性は花千代様 、その左の美女は中野あおい先生 、そしてその左には可憐な副島純子先生(高名な美容のコンサルタントでありハーブメディック 代表取締役)、私の右隣の美女は市川久美子先生 (ル・サロン・モア 代表取締役)


皆様非常に知的であり、美しい容姿をお持ちの、マダムばかりです(マダムというのはご存じのとおり、高貴な女性への敬称で既婚・未婚に問わずフランス社交界では使っております)。


美しいお芝居を堪能して、天現寺のイタリアンで美食を共にさせていただき、知性とエネルギーをいただいた気がいたします。


宝塚を拝見し、力強い女性達のエネルギーをいただいて、一層頑張りたいと思っております。







2011-05-04 07:02:37

ブログ開設

Theme: ブログ

Le Passe Vivant 『生きている過去』というHPをやっておりましたが、管理上の理由でこちらでブログという形で再開したいと思い、始めました。


『生きている過去』というのは、19世紀末のフランスの作家アンリ・ド・レニエの傑作です。


新しいものがもてはやされる今の儚い世に、ひっそりと息づく旧き美しき物を通して、我々に優美な世界が再び見出すことができることを祈り、ド・レニエの小説のタイトルを借りてブログ名としました。


このブログでは、古き良き時代の装飾品や着こなし、グラスなどの優美な生活を彩る物や、世界を旅して見つけてきた『生きている過去』をご紹介できればと思っております。

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