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Sun, June 14, 2009

ダーク・フロアーズ

テーマ:映画


ダーク・フロアーズ [DVD]
ダーク・フロアーズ [DVD]

今さらながら観ました。


Mr.Lordi原案、そしてLordi総出演にしてフィンランド初のホラー映画。


まず同作品以前にフィンランドでホラー映画が撮られていないという事実に愕然。メタルはあんなに盛んなのになぜホラー映画はサッパリなのか?


戦争映画ならかなり渋い良作が作られているのだが。


このダーク・フロアーズの監督はCMやPVの監督としてキャリアを積んでいるぺテ・リスキという人で、Mr.Lordiの学生時代の同級生だそうです。


まったく友達というものは大事にしておくもんだ。ぶっちゃけ学校なんて勉強しに行くところじゃなくて将来役に立ちそうな人脈を築きに行くところだな。


LordiのPVもこのぺテ・リスキ監督が手がけている。なんかリドリー・スコットをはじめ映画に新たな映像表現を持ち込む革新的な人は皆CMかPV出身のような気がします。


で、内容は・・・・・・正直つまらない・・・。


というか、真面目に作り過ぎている感じがする。


初の長編映画且つフィンランド初のホラー映画ということで気合いを入れてクソ真面目に作った結果、当たり障りの無い作風になってしまったというか・・・


あらすじは、自力で歩く事すらできない自閉症の少女とその親父、看護士、警備員、ホームレスのジジィ、リーマンが、いつの間にか病院の”別次元”に迷い込んでしまい、次々とLordiのメンバーに襲われるというもの。


まず、現実世界の隣に存在する別次元という”閉鎖環境”と、物語のキーとなるのが”少女”というところが、「Mr.Lordiと監督絶対サイレント・ヒル好きでしょ」という感じです。


でも、現代の病院に「宇宙人」と「女幽霊」と「ミノタウロスのゾンビ」と「エジプトのミイラ」と「なんか北欧の怪物」というてんでバラバラなクリーチャーが住みついているという設定が意味不明。


それを言っちゃあなんでそもそも「宇宙人」と「女幽霊」と「ミノタウロスのゾンビ」と「エジプトのミイラ」と「なんか北欧の怪物」が一緒にバンドやってんだというところからして意味不明なのだが。


で、いきなりネタバレですが、この映画は「夢オチ」です。全部自閉症の少女の妄想


子供のイメージの世界ならバラバラなクリーチャーがいっぺんに出てきても不思議じゃない、という。


このラストは観客の好みによって評価が分かれるところだろうが、ある意味Lordiというバラバラなキャラクターを持った人達を中心に据えた映画を作る場合、こうするより話の筋を通す方法は無いのかもしれない。


っつーか5人一度に一本の映画に出して話をまとめようとするのがそもそも無理じゃないだろうか?


寧ろ、せっかくそれぞれ違うキャラクターなら「トワイライトゾーン」みたいに短編オムニバスにした方が作りやすいんじゃないかと思う。


あとちょっと気になったのが、KITAが消火器でブン殴られたり(消火器・・・)、AMENが突き飛ばされてガラスに激突したり串刺しにされたりと、微妙にスタントのシーンがあったこと。


このシーンにおけるKITAとAMENの中の人は本当に中の人本人だったのだろうか?


そもそも彼らの本業は「楽器を演奏すること」であって演技をしたりスタントをすることじゃない。勿論撮影現場では細心の注意を払っていただろうし消火器にせよガラスにせよ撮影用のものだが、それでも万が一怪我とかあったらヤバいだろ。


見た感じ別の人が入っていたようには見えなかったけど、実際はどうだったんだろうか。



とりあえず「ホラー映画」として見ると物足りない感じだけど、「時間の長いPV」だと思って見れば良い作品でした。


でもせっかくの長編初監督作品だったんだから、この際開き直ってロブ・ゾンビの「マーダー・ライド・ショー」みたいに自分の好きなものを全部詰め込んだ挙句に徹頭徹尾悪ふざけに走ればよかったのに。


あと日本版のDVDジャケットのデザインがセンス悪い(特に裏は最悪だ)。


本国フィンランド版はこれ↓


Keep on fuckin’-ダーク・フロアーズ1


アメリカ版はこちら↓

Keep on fuckin’-ダーク・フロアーズ2

アメリカ版は新宿のビデオマーケットで買えます。


ちなみに日本版には「女子アナ」による解説が収録されているけどぶっちゃけクソなので聞く価値なし。

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Mon, May 25, 2009

ナイト・ミュージアム

テーマ:映画
ナイト ミュージアム (2枚組特別編) [DVD]
ナイト ミュージアム (2枚組特別編) [DVD]

仕事で「ナイト・ミュージアム2」のことを何度か取り上げる機会があり、「そういえば1を見てなかったな」と思い出来心で見てみた。

全く期待しないで見たがかなりよく考えて作りこまれた映画でちょっとビックリ。日本ではパッと売れてパッと消えてしまったが、アメリカで大ヒットした理由が分かった気がした。

内容は、自然史博物館の展示物が夜になると動き出す…というお伽話そのまんまの実に単純なもの。

日本だとNHKのみんなのうたの「メトロポリタンミュージアム」がトラウマになった人も多いかと。

しかしこの映画、「博物館」という場所の設定が効いている。これなら映画を見たあと子供たちは「近所の博物館に連れてけ」と絶対に言うだろう。

そうなると保護者としても”教育的に良い映画”ということになるので、特に夏休み中はロングランヒット間違いなしだ。

さらに、「歴史上の好きな人物を全部混ぜて好き放題遊ばせてしまえ!」という世界史オタク的夢の競演(某K○ei社のゲーム的な)。

そして細かい歴史ネタにクラシック映画のパロディなどもふんだんに盛り込まれており、もしかしたら「親子に向けた」どころかく「3~4世代に向けた」家族映画なのかも。

しかしベン・スティーラーってよく見ると男前なのに一生懸命演じれば演じるほどアホに見えてくるのはなぜだろうか。




Wed, May 13, 2009

世界で最も幸せなオタク

テーマ:映画
今年のゴールデンウィークは、一切ネットにアクセスせず、メールもチェックせず、電話にも出ず(無論誰にもかけず)、テレビも見ず、日々のニュースすら一切絶って、ただひたすらホラー映画だけを見まくるという苦行じみた暮らしをしていました。

その発端となったのは、ゴールデンウィーク前夜に行ったホラーダイニングTrick or Treat

Keep on fuckin’-世界で最も幸せなオタク1 Keep on fuckin’-世界で最も幸せなオタク2

http://www5f.biglobe.ne.jp/~trick_or_treat/


そこでその場の流れでもう何遍も見た「マーダー・ライド・ショー」を見たんですが

マーダー・ライド・ショー SPECIAL EDITION [DVD]
¥2,389
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もうそのやりたい邦題っぷりに思わず笑ってしまった。

もう映画全編が悪ノリというかおふざけというか(勿論良い意味で)。

本当にオヤジの皮をかぶって「Who's your daddy?」とほざくベタベタ過ぎるネタを繰り出し、ところどころに絶妙なタイミングで「どうだ!俺の嫁さんエロいだろ!」という”嫁自慢カット”を差し込んでみたり。

最後にはそれまでの展開と全く関係なく韮澤靖さんの影響を受けたのが丸分かりのクリーチャーを出すし(そして自分で倒した柱が頭に直撃して自滅するというこれまたベタなギャグをかます)。

なのに、おふざけのみかと思いきや細かいところまで作り込まれていて毎回見るたびに新たな発見がある。

モロな残酷シーンがあるものの、能天気に笑って見られる演出なのでエンターテイメントとして成立している。

むしろ見ていてスッキリするような。

日本ではミニシアター上映のみで、一般的にはウンともスンともだっただろうが、アメリカ本国では普通に全米公開のメジャー映画として大ヒットしたというのだから、やはりアメリカ人はホラー映画の見方が分かっている。

なんかもう、

人生やらなければダメだ

ということを改めて認識させられたというか、気合を入れられたような感覚になりました。



で、その後家で「ハロウィン」を見る。

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こちらは「マーダー・ライド・ショー」のおふざけはなくなり正統派スプラッター映画。

”ブギーマン”ことマイケル・マイヤーズがクズ家族とハロウィンの夜に浮かれきってるバカップルを次から次へとぶっ殺していく。

マイケルを「無言でただ殺しまくるデカイ奴」にしたことに賛否両論あるようですが、これはこれで良いんじゃないかと思います。

もう冒頭の、爆音で鳴り響くKISSの「GOD OF THUNDER」のBGMにKISSのブラックTシャツを着た肥満児のマイケルでかなりキます。

家族(母親と乳児の妹以外)から冷たくあしらわれ、学校ではいじめられ。

そして遂にブチ切れていじめっ子と家族を惨殺する。

施設に入れられても皆シリアルキラーの自分を恐れてどこかよそよそしく、自分を理解してくれる人は誰もいない。

見ていて思ったのは、ロブ・ゾンビは劇中のマイケル・マイヤーズにかつての自分を投影していたのではないかと。

どういうわけか妙な格好をしたバンドしか好きになれない、そしてホラー映画が大好き…そういう野郎はだいたいどこの国・地域でも周囲から浮き、イジメに合い、当然モテず長いこと童貞をこじらせる。

この映画からは、「自分だって一歩間違えたらシリアルキラーになっていたかもしれない」というマイケルの狂気の方に共感した視点が感じられます。

そもそもマイケルも、一見無差別に殺しているように見えて殺しているのは「自分に冷たくした奴」「理解してくれなかった奴」だけだし(だから母親と妹は殺していない)。

因みにこんなシリアスな映画でもやっぱり"嫁自慢カット”が出てたw

ケツの一つや二つ豪快に見せてくれるその姿からは、なんだか竹を割ったような性格がうかがえます>ゾンビ嫁



周囲から冷たくされても、理解者が少なくても、否定されても、とにかくしつこく夢を見続けてやりたい放題やる姿勢は大事だといことがロブ・ゾンビの生き様から分かります。

行動し続けていれば、美人の嫁と一緒に好きな映画を作れるようになるというw

おそらくロブ・ゾンビって、世界で一番幸せなオタクだろうな。


Tue, April 07, 2009

僕らのミライへ逆回転

テーマ:映画
僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]
僕らのミライへ逆回転 プレミアム・エディション [DVD]

センスのない邦題以外は傑作の一品。

原題は「Be Kind Rewind」、昔のレンタルビデオに表示されていた「巻き戻して返却して下さい」という注意書きの意味。

ジャック・ブラックが出演しているのでてっきりバカ映画…というかボンクラ映画だと思って見ていたら意外にも傑作だったという。

未だにビデオテープしか置いてないという昔ながらのレンタルビデオ店。それなりに街の住民に愛されてはいるが今や都市再開発のため取り壊しの危機に。

そんな中、店員のマイクは店長から店の留守を言いつけられる。しかしトラブルメーカーの友人・ジェリー(ジャック・ブラック)が騒動を起こし、磁気で店にあるビデオテープを全てダメにしてしまう。

そこへタイミング悪くお得意さんが「ゴーストバスターズを貸してくれ」と現れる。困った2人は年寄りの無知に付け込んで、「スウェーデンから輸入した(Sweded)」とウソをつきホームビデオで勝手に映画の「リメイク」を製作してしまう。

劇中で手作り映画を製作するという劇中劇になっているのがこの作品の面白いところだが、とにかくリメイク手法のチープさが秀逸。

「ゴーストバスターズ」では体にアルミホイルを巻いて防護服を作り。「ラッシュアワー2」では公園の遊具によじ登り、「ドライビング・Missデイジー」」ではマジックで直接顔に皺とシミを描き込む。

本人達が一生懸命やればやるほどバカバカしくなっていくボンクラっぷり。

次第にそのバカバカしいリメイク作品が街の住民皆を魅了し、とうとう街全体でリメイク作品を作るようになる。

しかしそれを著作権協会の役人が嗅ぎ付け、ビデオ店は莫大な罰金を払うことに。

この映画で描かれるのはアメリカの下町の人情だったり「手作りと工夫の素晴らしさ」なのだが、嫌な感じにならない程度に「ハリウッド批判」が下地にある。

何でもCGを使い、制作されるのは続編や海外作品のリメイクばかり、そして権利権利と個人の楽しみのレベルまで厳しく取り締まる。

「権利」(というか利権)で作品をがんじがらめにするのと、ある程度の「遊び」を許すのとでは、一体どちらが作品を本当に愛してもらえるだろうか。


ところでこの作品、日本ではミニシアター上映だけだったがアメリカ本国ではヒットし、作品の公式サイトにファンが撮影した「Sweded」作品が数多く寄せられたという。

さらにそれはYouTubeにも伝播し、ちょっとした”Swededブーム”が起こったとのこと。

今でもYouTubeで検索するといろいろ出てくる。





Mon, February 23, 2009

落下の王国

テーマ:映画
ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]
ザ・フォール/落下の王国 特別版 [DVD]

『ザ・セル』のターセム監督の挑戦第二作目。

構想に26年を費やし24ヵ国以上の国でロケを敢行し製作された大作で、 ベルリン国際映画祭やらトロント国際映画祭やら、とにかく各国の映画祭で受賞しまくっているのに日本ではミニシアター扱いだったという、改めて日本の映画偏差値の低さが露になった作品。

内容は、撮影中に重症を負った挙句恋人を主役に取られてヤケクソになったスタントマンが、同じ病院に入院している5歳の少女に自殺用のモルヒネを取ってこさせるため、適当な御伽噺をするというもの。

しかし口から出まかせで語っていたその御伽噺が、やがて少女に希望を与え、共に自分も生きる気力を取り戻していく。

この映画の原題は「The Fall」。劇中のシーンが全て「落下」に関連している。

撮影中の落下事故で重症を負ったスタントマン、(おそらく)暴動に巻き込まれ落下事故で腕を骨折した少女、そしてその2人が知り合うきっかけも少女が「落とした」手紙で、御伽噺の中にもしょっちゅう「落下」のモチーフが使用される。

御伽噺は現実と虚実がシームレスに交わり、お互いがお互いに影響を与えつつ時間が進行してゆく。

その描写がとにかく素晴らしい。特に構図とカットの切り方が斬新で、せっかく衣装を着た俳優がいるのに、それらが見えなくなるギリギリまで引いて風景を見せていたり、逆に折角の海外ロケなのに一瞬だけ見せてすぐ次のカットに飛んだり。

CGを一切使わず、大自然と世界遺産の美しさをそのまま生かした画面は、どのタイミングで切ってもそのまま「絵」になりそう。

特にインカの段々畑での”ケチャ”は圧巻。

これは動く、まるで白日夢のようなシュールレアリズム絵画。

YouTubeに公式の予告編動画があったのでまずはご覧下さい↓


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