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下書き置き場


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去年、地元の役所の1階に新たにオープンしたカフェがたった半年で潰れてしまいました。やらかしたスマホゲームのサービス終了並みの速さです。今この状態であることと撤退作業を考えると2月には営業を終了していたのでしょう。

 

記事はこちらから読めます↓

http://www.sakigake.jp/news/article/20170414AK0006/

 

このカフェができたいきさつは少々複雑です。ことの始まりは、同じく地元にある日本初の漫画専門美術館「まんが美術館」がリニューアル(リノベーション&バージョンアップ)のため2年間休館することが決定したこと。この施設は前述のように漫画専門美術館ですが、同じ建物内に会議室や調理場、図書館なども入っており、町の図書館兼公民館兼市民の生涯学習センターとしても使用されている複合施設でした。しかしリニューアルにより2年間休館するとなると、当然それらの施設も使えなくなり地元住民の文化的活動が止まってしまいます。そこで市は増田地域局(大型合併前の元役場)内の各課・各階の配置を変えて一階フロアを空けたうえで全面リノベーションし、そこに図書館を移転させ、それに合わせて隣接スペースにカフェを作りました。これが「図書館カフェ」ができた経緯です。市が行ったのはカフェスペースの整備で、運営自体は上記記事にあるとおり市の公募により選出された民間業者が行っていました。

 

…で、この記事の一番ヤバい部分はここです↓

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「店の経営状況を十分把握していなかった。共同でイベントを開いたり図書館と連携したりするなど、参画する余地があったかもしれない」
 
こんなことを新聞社に言うなんて対応した市職員はきっと正直者なんでしょう。でも長い人生、正直になっていい時と悪い時があります。これは絶対正直になったらヤバいケースだろ。一端の役人なら「我々もプレゼンを聞いた当初より運営者を心から応援しておりましたし、オープン後も折々で気にかけておりました。運営者は精一杯頑張りましたが、今回は残念ながらこのような結果となってしまいました。市としましては、秋田県民の起業家精神の育成およびコミュニティの活性化という観点からも早急に再度公募を行い、地元住民と運営者の双方がwin-winになる道を探って参ります」とか何とか口から出まかせの一つも言ってみろってもんです。
 
この記事を一見すると「カフェ側も市側も適当だった」という印象を受けがちですが、実際はそうではありませんでした。少なくともカフェ側はベストを尽くしていました。というのも、このカフェを運営していたのは「Waffle Cafe Sign」という秋田県潟上市を拠点にチェーン展開している”ワッフル専門”カフェで、TwitterやFacebook、Instagram、および個人のブログで図書館カフェの評判をチェックすると、とにかく「ワッフルが美味しい」と良い評判しか見当たらないのです。しかも値段がお手頃。ドリンク類は300円からでワッフルは400円から。ぶっちゃけ秋田県は非常に貧しい自治体なので、コーヒー300円でも高いと言う人はいますが(特に子供と若者)、それでも常識的に考えてドリンク300円~で軽食400円~ってかなり良心的じゃないですか?加えて、各メニューには秋田県内産の農作物が使用されており、地産地消と地域経済活性化の意義もありました。それでこの値段って東京あたりじゃ考えられないですよ。またカフェの中の人もTwitterFacebookInstagramといった主要SNSアカウントを作ってグランドオープン前からほぼ毎日情報発信していました。
 
 
 
 
 
 
適当にやってた人がわざわざ皿やおしぼりにメッセージを書いたりしますか?さらにこうしたカフェ営業の傍ら、スペース内で地元の子供を対象としたイベントも開催していました。
 
 
 

いきなりの雨風で、急遽庁舎内に特設会場を設置!! みなさん楽しそうですね😍🚲🚲🚲

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たくさんの人にお越しいただいて、店内も賑わってます!😆📸📸📸 #としょかんカフェ #横手市増田

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こうしたカフェの運営状況を把握せず、「共同でイベントを開いたり図書館と連携したりするなど、参画する余地があったかもしれない」なんてしれっと新聞社に言うなんて、はっきり言ってこれは市側の無関心の現れでしょう。本当に何も知らなかった、知ろうとしなかったとしか思えません。
 
では、メニューが美味しくて価格も手頃で、PR活動も頑張っていた図書館カフェはなぜ客足が伸びなかったのでしょうか?それは「図書館カフェだったから」ではないかと私は思います。この図書館カフェは住民の交流スペースとして作られました。ところが増田町というところは今も昔も「商人と百姓の町」、つまり自営業だらけなのです。自営業にとって休日はあって無いようなもの、毎日休みなく働き様々な用事をこなしているため、ライフスタイルの中に「カフェでのんびり過ごす」という選択肢がそもそも無いのです。それでも人間ですから、たまには友達や家族とコーヒーやお茶を飲みながらお喋りしたい時もありますし、もう半分リタイアしてそんなに忙しく働いていない高齢者もいます。しかし図書館カフェはその店名のとおり図書館にあります。増田図書館はまんが美術館にあった頃から住民によく利用されており、私も毎週のように本を借りに行っていましたが、いつ行っても小中高生がいて、しかも机に向かって勉強していました。それが移転先の増田地域局の立地は小学校の手前。もう子供が行かないわけがありません。考えてみて下さい。子供が本を読んだり勉強したりしている横で、大人がコーヒーやらワッフルやらを飲み食いしてのんびり寛いだりお喋りしたりできますか?普通の神経だったら「子供が勉強してんのに俺らは一体何やってんだろうな…」と気まずくなるし、お喋りするのも気が引けますよね?これではとてもゆっくり寛ぐことも足繁く通うこともできません。
 
これらの要因に加え、図書館カフェをもっと苦境に陥らせたのが現在の町の状況です。以前のエントリにも書きましたが、横手市増田町は今でこそ寂れた農村地帯ですが中世から昭和初期に至るまで独自産業を持つ在郷町として栄え、近年その繁栄ぶりを今に伝える商家とその中にある内蔵(うちぐら)の価値が再発見され、それが密集している商店街一体が急速に観光地化されつつあります。そんな中、商家と内蔵を持っている人が次々と「蔵カフェ」を開店し、狭い商店街に複数のカフェが林立するちょっとしたカフェ戦国時代に突入しています。商店街の中に既にカフェがいくつもあるのに、わざわざ居辛い図書館カフェに行く人がいるでしょうか?
 
こうした状況を踏まえると、一番最初に増田地域局に図書館カフェを作ろうと言い出した言い出しっぺは誰なのか?なぜカフェでなければならなかったのか?どういった経緯で決定事項となったのか?等がもの凄く引っかかります。もし町の住民だったら、図書館の利用状況および商店街に既にカフェがたくさんあることは分かっているからこんなことを思いついたりはしなかったでしょう。なお、私の記憶の中では、地域局のリノベーションも含め図書館カフェの設立について事前に住民に相談や説明はなく、なんだか知らないうちにあれよあれよと事が動いている印象でした。そしてン千万円規模の費用を使って作るだけ作って、後は民間に任せきりで放りっぱなんて、横手市云々以前に大人の仕事の進め方としてどうかと思うのです。マジで金銭感覚ねえだろ
 
上記新聞の記事によれば、図書館カフェを運営していた民間業者はこれでカフェをやめたわけではなく、また町内の商店街に場所を移して再開するそうなので評判のワッフルもまた食べられるようになるでしょう。ただそうなると前述のように商店街のカフェ戦国時代に飛び込むことになるので、それはそれで図書館カフェとはまた違った困難が待ち受けているのですが。それにしても、もしこの再出発したカフェが6ヶ月以上続いたとしたら、図書館カフェの経営難の理由が立地にあったことが証明されるようなものだから、その場合「じゃあ最初に図書館カフェ作ろうって言った奴誰だよ!」と言い出しっぺが責任追及されることになりませんかね?でもどうせうやむやになってしまうんでしょうね。
 
※私が考えたかっこいい跡地利用案
この問題で一番やっかいなのは、カフェとして場所を作ったはいいものの撤退後の再利用が一切決まっていないことです。新聞の写真にあるような状態が長引けば長引くほど「トップダウン行政の失敗例」が目に見えて示されるわけで、町としても市全体としても非常にマイナスイメージになります。そこで私なりに再利用案を考えてみました。それは
 
 
リンクした記事は私が昨年フィンランド・ヘルシンキに取材旅行に行った際に書いたものですが、この図書館の手法をパクるのはどうでしょう。ここは一応「IT&音楽専門図書館」と謳っていますが、記事にあるとおり実際は「表現活動全般をサポートする施設」です。図書館の中に、2D/3Dプリンタ、2D/3Dスキャナ、Tシャツ用印刷機、CADおよび各種3DモデリングができるハイスペックPC、ペンタブレット、デジタルミシン、DJブースなど、モノづくりや表現活動に必要なありとあらゆるツールが一通り取り揃えられており、ヘルシンキ市内在住・在勤者なら全てを無料で利用可能。事実上、図書館というより完全無料のDIY工房&コワーキングスペースです。これをパクって住民のモノづくりスペースにするのはどうでしょうか?もちろんそっくりそのまま全部パクるのではなく、例えばツールの利用に一回300円とか料金を取って収益源にするとか、「まんが美術館」にちなんでコミスタなどの漫画原稿制作ツールや各種ペイントソフトを入れたそこそこハイスペックなPCとペンタブレットを複数台設置して、「手ぶらでそこに行けば原稿制作が一通りできる」という”デジタルコミックスタジオ”にしてしまうとかアレンジすればいいでしょう。尤も、新たに機器を購入しなければならず、それらの利用に長け利用者に指導できるスタッフを置かなければならないという費用面でのデメリットがあります。しかし、もしこうした誰でも利用できるTech系のモノづくりスペースがこのクソ田舎にあったら、きっと町の外からも利用者が訪れるだろうし話題にもなると思うのです。ツールがスペース内に揃っていればワークショップイベントもすぐに開催できるから、住民のスキルアップとにぎわい創出にもなると思うんですがね。
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