過去記事ですが、ご紹介させてくださいニコニコ




今日パソコンの昔のフォルダを整理していたら


とっても懐かしいものが出てきました。




今から9年前。




私がプランナーになって1年目のメールでした。


新人プランナーだった私にとって今でも忘れられない出来事がありました。


それを他のプランナーに共有したくて書いた社内メールがひょっこり出てきました。


読んでみると何だか当時を思い出して、その時の気持ちが蘇ってきました。


当時のままご紹介します。





「果たせなかった約束」



先日私はとても悲しく、でも貴重な体験をしました。



10月28日の新婦にはお母様がおらず、お父様も末期ガンでした。



そのお父様に花嫁姿を見せたいというのが新婦の願いであり、お父様の願いでもありました。


ところが、9月4日、新婦から披露宴を延期したいとの電話が。



理由はお父様が10月までもたなそうだから・・というものでした。


結局披露宴は1月に延期になり、



「落ち着いたらご連絡します」


と新婦。


でも落ち着いたらってどういう事でしょう?


お父様は延期になったことも知らずに10月28日を楽しみにしているのです。


2人にもどうする事も出来ずにただため息をつくばかりでした。


そんな2人を見て、おせっかい心がムクムクと湧き上がってきました。




「病院のお父様のベットの傍で小さな結婚式をあげませんか?」




勇気のいる一言でした。


病院での結婚式なんて初めての事です。


もし失敗したらどうしよう・・ここまで私が立ち入る事ではないのかもしれない・・色んな思いがありました。


しかし、この一言で一度止まっていた結婚式が再び動き始めました。


乗り気になって喜んでくれている二人やお父様の為にも絶対この小さな式を成功させたいと強く思いました。


式の内容も結婚宣言は聖書ではなくお父様の手の上に2人の手を重ねるようにアレンジ。


また、ペンを持てないお父様がサイン出来る様に拇印でのサインを提案しました。


毎日新婦と携帯でやりとりをし、後は式を待つばかりという9月10日、


新婦からではなく新郎から電話がありました。


不吉な予感は的中し



「昨日の夜、様態が急変して帰らぬ人となりました。」





本当にショックショックショックでした。


絶対にこの世に神様なんていないと思いました。


後6日で娘の花嫁姿を見れる、それだけを楽しみにしているお父さんのお迎えを6日くらい


待ってくれてもいいじゃないか!って神様に怒鳴り込みたかったです。





と同時に自分に自己嫌悪でした。



私がいらない提案をしたばかりに皆、期待が膨らんでしまい



特に新婦のショックが大きくなってしまったに違いないと思いました。


なんて謝ろう、そればかりで気が重かった9月16日に新婦から電話がありました。



本当だったら結婚式をしていたはずの日です。


携帯に着信があったので折り返し電話をしてみると、



「今日予定通り籍を入れました。それを有賀さんに報告したくて」



と会場の前まで来てくれていたそうです。


私は打合せ中で電話に出れずに結局お会いできなかったのですが、本当に感激でした。


2人共、後悔は一切していないと言ってくれました。お父様が亡くなるまでただ何も出来ずに



見ているだけじゃなくて、式をやろうという気持ちになって



最後に皆でお父さまの為に動けたことが良かったと言ってくれ、本当救われました・・。


最後に新婦が言ってくれた「他人の私たちの為にここまでしてくれて本当に有難う」



というこの言葉が私にとって何よりの最高なコーディネート料でした。



この新婦とはすっかり仲良くなり時々携帯でお話をしています。


この体験で私はコーディネーターとしてすごく成長できたと思っています。


作成日 01/09/23(日) 15:11




このメールの数ヶ月後、このお二人は私のところへ来て下さいました。


「私たちの結婚式をお願いします。担当は有賀さんしかいません」と。


嬉しかったなぁ。。


私にとってこの出会いはその後のプランナー人生に大きな影響を与えたと思います。




そして、


このふたりの結婚式でキセキが起こりました。


きっと天国のお父様が起こしてくれたキセキニコニコキラキラ