薄桜鬼-妄想録-[彩]

日々の隊士たちとのあま~い妄想を
勝手に書いていってます♡

暇つぶし程度に読んでね♡

読者申請 大歓迎です\(^o^)/


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前回までのお話しは
薄桜鬼トリップ小説目次




☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°



薄桜鬼夢小説
~A far old promise…~




簾の隙間から見えたのは
水色の羽織を着た男たちだった。


「ち…もう始まっちまってんのか…
てめぇら!すぐ応援に入れ!!」



土方さんの号令とともに男たちが
勇ましく内部へ入って行った。

それに続いて中へ向かおうとする彼を
私は呼び止めた。


「土方さんっっ!!!」


簾の後ろから必死に這い出る私を見て
土方さんは少し驚いている様子だった。


「…お前…、
邪魔だっ!あっちへ行ってろ!!」


彼は近付く私に何か別のことを言おうとしたけど
強い口調で私の接近を制した。


「けど…」

「話しなら後だ。
今居た場所に戻っておとなしくしてろ!」


「…わかりました」


そう言って戻ろうとすると、
池田屋の表口からよたよたと
力無く出てくる人影に気が付いた。


「…ぇ、沖田さんっ!?!?」

「総司!?」


苦しそうに胸の辺りを押さえている彼は
さっきまで見せていた余裕は全くなく
まるで別人のように見えた。


「沖田さん!?大丈夫ですか!?」


土方さんには戻っておとなしくしてろと言われたけど
気付いたら体は勝手に沖田さんの肩を支えていた。


「怪我したんですか!?」


「…や…、平気だよ…こんなの…」


よく見ると彼の羽織は所々赤く染まっている。



…これ、

全部 血だ …



それに気付いた途端に
自分の膝が小刻みに震え出すのがわかった。



「…ぐっっ!!…がはっっ」



「!?!?!?」



それに追い討ちをかけるかのように
私の左手に生温かい鮮血が降り注いだ。

それは、
私の平常心を容赦無く奪っていく。



「おい!総司!!」


彼を支えていた私の力が緩むと同時に
沖田さんが地面に倒れこんだ。

土方さんがすぐさま駆け寄り抱え起こす。



「…ぁ…」


自分の手にかかった沖田さんの吐血から
目が離せないまま、
呼吸だけが異常な程に乱れ始め
息が上がっていく。

過去に感じたことのない息苦しさと
めまいに襲われた。


「沖田さん…が…血…」


「おい!!お前もしっかりしろっっ!」


土方さんはこんなに近くにいるのに
彼の声がどこか遠くから聞こえてくる感覚…

それを聞き終わる前に
私の意識は遠退いていった











次に目を開けたとき、
最後に見ていた景色とは全く別の場所にいた。



私…どうしたんだっけ…



頭の中を整理するため
再び目を閉じようとしたその時だった。





「ようやく起きたね。」

「ひゃっ!!!?」



突然間近で顔を覗き込まれた私は
驚いて跳ね起きた。

しかし同時に、
彼を見て昨夜のことがうっすらと蘇った。



私にとって、この人が
今ここでこうしているのが意外過ぎる。



「だ、大丈夫なんですか!?沖田さん!」

「ん?何が?」


私の動揺とは反対に
沖田さんは本当になんのことかわからないといったように
キョトンとしている。


「何が…って、
昨日すごい怪我してて…」


彼の着物にべったりと着いていた
血の感触を思い出す。


「あぁ~…
羽織の血なら、僕んじゃないよ。」


そう言って沖田さんはにっこりの微笑む。



「え…で、でも!
血だって吐いてたし!!」



確かに彼の吐いた血が
私の体にかかったはずだ。



「そうだっけ?でも全然平気だよ。
現に死ぬ気で戦ってた僕の方が
何もしてないキミより早く目覚めてる訳だしね♪」


「…それは…、、」


確かにその通りかも…



「さ、起き上がれる?
キミが起きたら連れて来いって
土方さんに言われてるんだ。」

「…そうなんですか?」

「うん、
さ!ほら立って♪」


そう沖田さんに立ち上がるよう促され、
そのまま一緒に土方さんのところへと向かった。




つづく



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前回までのお話しは
薄桜鬼トリップ小説目次




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薄桜鬼夢小説
~A far old promise…~




月が空の真上まで登りきった。



「お役人はどうも腰が重てぇみてぇだな…
どーする、近藤さん?」


「四国屋に行った隊士たちもまだみたいですし、
せっかくの機会
ここで逃がしたら元も子もないですよ。
ね?美桜ちゃん?」


「え…」


沖田さんは私の頭に手を乗せた。


「確かにそうだな…」


近藤さんは少し考えるそぶりを見せ
何かを決断したのか、
再びゆっくりと目を開いた。


人のこんなに真剣な瞳を私は今までに
見たことがない。


「人数は少ないが
これより池田屋に内部の御用改めを行う。
刃向かう者があらば遠慮なく斬れ。」


「そうこなくっちゃ♪」


近藤さんの言葉に沖田さんは
高揚しているような様子だったが
その表情は恐ろしいものだった。

最初の水浸しにされたときのことを
思い出す。


この人を絶対に敵に回したらダメだ…




「けど、近藤さん!
美桜はどーすんだよ?」



平助くんがそう言って
私に心配そうな眼差しを向ける。



そいえば自分がどうしておくかなんて
ちっとも考えてなかった…


「僕らと一緒に池田屋に乗り込む…
って訳にもいかないしね。」


「それは絶対にありえませんっっ!!」



「美桜くん、
屯所までの道は覚えているかね?」


さっき通ったばかりの道…

だけど同じような通りばかりで
正直全然記憶していない。


「…すみません、覚えてないです」


私がそう答えていると永倉さんが
表通りの方を指差してニッと笑う。


「あそこなんてどうだ!」

「??」


彼が指差した先には
日よけのためか大きな簾が立て掛けてあった。


「美桜ちゃんなら隠れられそうだし、
わざわざあんなとこ確認しに行く奴も
いねぇだろーしな!」


「…はぁ。」


「身動きは取りづらいだろうね。
まぁでもなにもないところに
ポツンと座ってるよりかは
いくらかマシかもね♪
あとはキミの運次第。」


「運…次第…」


確かにその通りかも…


「総司、よせよ!!」

沖田さんの言葉を
聞き捨てならないとばかりに
平助くんが制止する。



「美桜くん!君は絶対に大丈夫だ!
なにも心配することはない!
私が保証しよう!」


私の肩に手を置いた近藤さんは
さっきの真剣な眼差しが嘘のように
とても優しい、でもすごく力強い笑顔で
そう言ってくれた。



なんでだろう…

なんの根拠もないはずなのに
不思議と恐怖と緊張が緩んでいく。


この近藤勇という人は
本当に人を惹きつける力を持っている。


「はい!」


私がそう返事をすると
彼はよし、と言って私の肩から手を離した。




私が簾の後ろに身を隠すのを見届けると
近藤さんたちは威勢良く表通りへ出て行った。



「我らは新選組だ!!
命あって池田屋内部を改めてさせてもらう!!」


近藤さんの勇ましい声を合図に
建物内が一気に騒がしくなった。

鉄と鉄とがぶつかり合う金属音が
この距離からでも聞こえる。


しばらくすると悶え苦しむような呻き声や
生暖かい風に乗って鼻を差す嫌な匂いが漂ってきた…

これはきっと…


考えただけで胃の奥が押されるような感覚がして
それが次第に吐き気へと変わった。


近藤さんは、沖田さんは…
平助くんは…

大丈夫かな…


永倉さんは…

うん、なんか…
あの人は大丈夫な気がする…。


少しでも匂いを鼻に通さないように
手で口元をぐっと押さえながら
そんなことを一人思っていると
徐々にこちらへ近付いてくる
複数の足音がした。




つづく

☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°


ぁ、どーでもいいんですけど
7/20…TODAY、、
私誕生日アルよ。www

全然風呂とか入っちゃってますw

あー!!!!
ババー!!!!w



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前回までのお話しは
薄桜鬼トリップ小説目次




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薄桜鬼夢小説
~A far old promise…~




私のそんな願いも虚しく
彼らに連れられるがまま道を進み、
『池田屋』と看板がかかげられている建物の前の路地に
身を潜めた。


逃げ出さないようにと
沖田さんにがっちり掴まれている左手首が
蒸れて暑い。



月が高く登り、ゆっくりと夜が更けていく。


明かりの点いた部屋に時折人影が揺らいでいたが、
それが敵のものなのかどうか判断する術はなく
だんだんとみんなが苛立ち始めているのがわかった。


そんなとき、
ふと2階の襖が開きいかつい男が
窓から顔を出した。


それはまるで、
なにかを警戒しているような…
そんな感じ。




「…驚いたなぁ」

「…ぇ?」

手首に感じていた圧迫感が
言葉と同時に緩んだ。




「こりゃ決まりだな。」




永倉さんも何かを確信したようだ。



「マジかよ…、
美桜!お前すげぇよ!!
本命は池田屋だっ!!」

「ぇ、ちょっ、、!?」



平助くんは私の肩に手を置き
2,3度大きく揺らした。



「美桜くん、でかしたぞ!
君のおかげで本命の池田屋を
いち早く知ることができた!
恩に着る!!」


近藤さんは必死に声を殺しながらそう言うと
満面の笑みで私に大きく頷いてみせた。

その笑顔に緊張がとけ、
自分も自然と口角が緩んでいく。


「すぐに会津中将殿にお知らせしろ!」


近藤さんの声と共に一人の隊士が
その場から走り去っていった。


「しゃーっ!!こっからが本番だ!」

「お、気合い入ってんじゃねぇか!!
平助ぇー♪
さてはお前もしかしてアレかぁー!?♪」

「ちょ…馬鹿!!そんなんじゃねぇよ!
やめっ!頭触んなって!新八っつぁん!
鉢金取れちまうだろー!?」


「やめないか!二人とも!!
相手に気付かれたら元も子もないないだろぉ!」


じゃれ合う永倉さんと平助くんを
近藤さんが制する。



こんなときなのに…
なんて能天気な人たちなんだろう…




「だけど残念だなぁ~…」


隣では沖田さんが深い溜息を漏らした。



「…なにがですか。」


「キミのこと斬れるって思ってたのに、
まさかほんとに謀議の場所言い当てちゃうなんてね。
当てずっぽうにしては見事だったと思うよ♪」


「当てずっぽじゃないです。
ちゃんと歴史の授業で習いました。」


歴史上の人物に向かって
私は何を言ってるんだろう…


「じゅぎょー??ふ~ん。
ま、なんでもいいけど
きっと土方さんがこのこと知ったら
キミのこと“ますます怪しい”って
言うと思うけどな♪」


沖田さんはニコニコしながら言った。


「でも、土方さん言ってました!
もし言い当てれたら信じてくれるって!」



「…なんかキミって面白いね。
美桜ちゃん、だよね、
僕はキミが嫌いじゃなくなって来たよ。」


「…は?」


なんなんだろ、この人…
てゆうか、嫌いだったのか…

私の事…





つづく


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なんか妄想力が最近豊かになってきた!

オトパ参戦効果かな❤♬♬

それともアメンバ様のR18ギリギリの

素敵絵のおかげかな❤ww

どっちにしても、

単純な脳だ…





前回までのお話しは

薄桜鬼トリップ小説目次












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薄桜鬼夢小説

~A far old promise…~










土方さんが言っていた2日後がやってきた。





正直この2日間はなにひとつ気分が上がることがなかった。







濡れた制服はあの後すぐに

平助くんが貸してくれた着物と袴に着替えたけど、

トイレに行くたびに袴の紐にひたすら悩まされた。





拷問部屋らしきところから普通の部屋に

移しては貰えたものの

1日2度の食事とトイレ以外は

誰とも顔を合わせることを許されなかった。





それもなぜか毎回斎藤さん…



この2日間、私は恐らく

「お手洗い貸してください」と

「ありがとうございます」しか

しゃべってないと思う。





日が落ち切って当たりが完全に暗くなった頃

部屋の外から私の名前を呼ぶ声がした。







「美桜?」







この声は、平助くん!!!





久しぶりにローテンションな斎藤さん以外の声を

聞くことが出来て、

こんなときなのに自然と心が踊った。







「あけるぞ?」





返事をすると部屋の襖がすっと開かれ

平助くんと、やっぱり斎藤さんがいた。





「ぁ…」





平助くんの雰囲気が違っている。





額当てに水色の羽織…



正しく新選組だ。





「平助、わかっているとは思うが

変な気を起こすな。」





そう言い残すと斎藤さんは準備の為か

その場を後にした。







「…平助くん?大丈夫?」





残された平助くんの表情は

沈んでいるように見えた。





「…ああ。」





私の目を見ずに彼はそう返事をする。





「あのさ…俺は美桜が間者だとか思ってねぇし、

信じてる。

けど、もし今日池田屋で何も起きなかったら

お前…ほんとに殺されちまうんだぞ…」





彼の声色と表情から、改めて事の重大さを感じた。





「そうなったとしても

多分俺はお前を助けてやること出来ねぇと思う…

だから今ここでお前のこと」



「いたいた、平助。

何もたもたしてるの?」





平助くんの言葉の途中で現れたのは

沖田さんだった。





「…別に。」





平助くんは視線を床へと移し

静かに答えた。







多分、

私をここで逃がしてくれようとしたんだ。







「ならいいんだけど♪

早くその子を広間に連れて行かないと

また土方さんにどやされるよ。」





「わかってる。」







私は彼らに続き、廊下を進んだ。







そこには平助くんや沖田さんと同じ

水色の羽織を身に纏った

たくさんの男たちが既に集まっていた。





沖田さんは私を部屋の隅に座るように促すと

あまり目立たないようにと囁いた。





「そんなこと言われても…」





しかし、私の心配を他所に

集まっている隊士さんたちは皆、

私のことなど気にとめる様子もない。



討ち入りの前の興奮状態…

とでもいうような…



例えるなら、部活の試合前に

メンバー同士で円陣を組んで気合いを入れる

みたいな…そんな感じ。



その表情ややり取りからは

自分のいた時代の男の子たちと

たいして変わらないように思えた。



中には平助くんよりも

あどけなさを残した少年もいる。





死んじゃうかもしれないのに…





私にとってそれは異様な光景だった。







そこへ土方さんが現れると

男の人たちは静かになり

おそらく決められている場所に

それぞれが腰を下ろし、

沖田さんはそのまま私の隣にあぐらをかいた。





全員が座り終えるのを確認すると

土方さんが話しだす。





「全員揃ったな。

長州のやつらが今夜密に会合をすることは

間違いねぇ。

一人残らずひっ捕まえろ!」





土方さんの言葉に隊士たちは

気合の入った返事をする。





「昨日伝えた通り

近藤さん、新八、平助、総司は池田屋表口。

新田、安藤、奥沢は裏口。

それ以外は四国屋周辺を固めろ。

てめぇら!気合い入れていけ!」







本当に始まるんだ…





行きたくない



逃げ出したい









そんな思いで畳を見つめていた









つづく





☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°




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久々に薄桜鬼トリップ更新だっ!!
サボってます、
もし楽しみにしてくれてる方がいらしたら
それはスミマセン…

完結出来るのはいつになることやら…



前回までのお話しは
薄桜鬼トリップ小説目次







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薄桜鬼夢小説
~A far old promise…~






私が未来から来た証拠…


「えっと…」


証拠と言われても…



「どうした?答えられねぇのか。」




新選組…

京都…

幕末…




…あ、




「…池田屋事件!」


思い立ったままの言葉を口にした。



「あ?池田屋事件…?
いったい何が言いてぇんだ。」



土方さんからは

明らかにイラついている様子が伝わってくる。





「えっと…だからぁ、その…」




歴史はあまり得意な方じゃない。


こんなことになるなら

日本史の教科書カバンに入れとくんだった…



もし今誰かに

タイムスリップするなら何持っていく?

って質問されたなら

私は迷わず日本史の教科書って答える。




しどろもどろしていると

斎藤さんが土方さんに何やら耳打ちをした。



「……ぁ?けどそれは
四国屋が本命だろ。」

「しかしそのことではないかと。」



部屋にいる他の人達も彼らのやり取りから

何か察したようだ。



「じゃあ聞くが、池田屋事件…てのは、
どんなことが起きる。」



土方さんは真っ直ぐに私を見た。



落ち着け、、

知ってることを言えばいい。



「確か…、池田屋ってところを
新選組が襲撃する…
みたいな…?」


「みたいな?」


私の曖昧な語尾に土方さんの眉間に

皺が寄る。



「ゃ、襲撃します!!」



彼のあまりの剣幕に思わず言い切ってしまった。



「へぇー、
なんで僕たちが池田屋を襲撃するの?」



背後から沖田さんが割って尋ねた。



「それが答えられないと
意味がないよね♪」



「えっと…確か、
倒幕派の人達が、、
その池田屋で会合をするんですよ…」



私のその答えが多少なりとも芯をついていたのか

彼らは少し表情を変えた。



「お前が言う“倒幕派”ってぇのは
誰のことだ。」



「…長州藩と、
あと…土佐藩です。」



私がそう答えると部屋中に

驚きの声が漏れた。


「長州と土佐が!?
それは誠なのか?美桜くん!!」


黙ってやり取りを聞いていた近藤さんが

身を乗り出す。


「本当です、多分…」


だって、そう習ったし…



「あの長州と土佐が…」

「奴らが手ぇ組むなんて
信じられねぇな…」



あちこちから漏れる声に

自信が持てなくなってきた。



「…なるほどな。」


土方さんは呆れたような声を出す。





「…池田屋事件は、
未来では知らない人がいないくらいに
有名です…」


駄目押しにそう付け加えてみたけど

土方さんはちらっとこちらを見て

溜息をついた。



「…わかった。
なら隊士の何人かを池田屋に置く。
近藤さん、それから総司、平助、永倉は
そっちへ行ってくれ。」


近藤さんは少し戸惑っていたみたいだけど

トシが言うならと承諾した。


他の人達も黙って頷いた。



「あと、神崎って言ったか?
お前も一緒に行け。」

「…ぇ、え!?なんで私が!?」



池田屋事件が起きた場所に

リアルタイムで!?


そんな危険そうなところに…

有り得ない…



「当たりめぇだ!
てめぇが言い出したことだろうが!」


「…わかりました」



土方さんの迫力に押されて

私はしぶしぶそう返事をした。


背後でクスクスと沖田さんが笑っているのが

わかった…




「キミさぁ、それがどういうことだか
わかってる?」



沖田さんのその問いかけに

私は彼のほうに振り返った。



「何がですか?」



「ほんとキミってなんにもわかってないんだね。
キミみたいになんの役にも立ちそうにない子を
わざわざ現場に連れて行くってことは
もしもキミの言う池田屋が本命じゃなかったら
その場で僕らに斬られちゃう、ってことだよ?
…ですよね?土方さんっ♪」


「…ぇ」



彼の声音からは何か楽しい計画を

話しているように聞こえたが

言っていることは私にとって

あまりにも酷な内容で、

思わず言葉を失った。


まさか…斬るとか、

そんなことがある訳ないよね…




しかし、次の土方さんの言葉で

私のその甘い考えも見事に打ち砕かれた。




「察しがいいな、総司。
本命が俺たちの読み通り四国屋だった場合は
総司、お前がこいつを斬れ。
いいな?」


斬れって…

そんな簡単に…?


冗談じゃない、

この人達は私の理解の範疇を

遥かに越えている。



「さすがは鬼副長♪
女、子供にも情け容赦ないですよね♪」


沖田さんは相変わらずケラケラと

楽しそうに笑っている。



「いや…だが、しかしだなぁ、」



言葉を失っている私に代わって

近藤さんが二人のやり取りに

割って入ってくれたけど

すぐに土方さんに一喝されてしまい

それ以上は誰も何も言わなかった。






…もうこうなったらヤケクソだ!



「わかりました。
もし私の言うことが違っていたら
斬って貰って構いません!!
だけど、池田屋で何かが起きた時は
もう私のことを疑うのはやめてください!!」


声が震えそうになるのを堪えて

私は真っ直ぐ土方さんに

そう言い放った。


「ちょ!?美桜…、」


平助くんが心配そうな声を出したけど

私はそれに“大丈夫"と笑顔で頷いた。



「そうだよ、平助。
痛みも感じないくらいあっという間に
僕がこの子をあの世に送ってあげるから♪」


「総司、てめぇ…」


「やめろ!お前ら!!」



二人が言い争いになるのを制すると

土方さんは私に向け“面白い”と

冷笑を浮かべた。


「俺たちが掴んだ情報では
お前の言う“池田屋事件”は2日後だ。
覚悟しとけよ。」


「・・・・。」



私の人生があと2日で

終わりを迎えるかもしないなんて

今まで考えもしなかった…




つづく



☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°



どーでもいいけど
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