
そして、警官は奔る (講談社文庫 た 101-3)/日明 恩
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【蒲田署刑事課に勤務する武本は、不法滞在外国人の子どもが売買される事件を追っていた。
潮崎は、武本の力になりたいと思い、独自で事件を調査しはじめるが…?
熱い警察小説。武本・潮崎シリーズ第2弾。 】
児童ポルノと不法滞在
期間限定の“預かりもの”である武本と
組みたくないツートップの片割れ・冷血の和田
潮崎さん(武本の元相棒兼上司)は
白髪になりつつ国家Ⅰ種に合格していますが
今回は「民間人」としての立場でかなり苦労しています。
気の毒な人でした。なんというか――相手が悪かった。
しかしこの人が出るとがんがん喋ってくれるので場面が明るくなる!
茶道の家元、警視総監のご母堂が弟子として通う家の次男坊。
お茶のことに滅法詳しく、それ以外でも幅広く深く、
家の1階丸まる資料用の本に使う開き直った“治外法権”。
最初っから遣る瀬無さとどうしようもなさは流れていて
「隣の家から女の子の声がする」という通報。
人形扱いをされているリサの保護。
生活安全課にその人ありと謳われる小菅からメモを渡され、
羽川のぞみを訪ねた。
不法滞在者の女性と、
認知をすると言って金を巻き上げていた牧田基、
虐待の跡があるタクヤ。
法律の抜け道を、違法スレスレだと知っていて潜り抜ける人間。
違法でありながら、金銭的利益ではなく、精神的利益でやり続けている人間。同情をした人。憐れんだ人。手を差し伸べた人。それを利用した人。
罰を怖がらずに罪を犯すなら
罰金と情状酌量と初犯で 出てきてすぐまた
笑いながら犯罪をやる人間達には?
女の人が怖いシリーズ第二段(笑)
いやあ、今回の羽川のぞみさんも怖い人でした。
感情の利用って地雷と大笑いとどっちかに分かれるんですが、
今回は後者でした。
前巻の宮田さんの恋人さんの方が性質悪いけれど
こちらもこちらで―― 一筋縄ではいかないというか。
「この人を弾いたら自分が悪者になる」と思わせてしまうのが凄い。
晴れ晴れとした笑顔で 可哀想だね と思いっきり同情しようじゃねぇの。
女の凄い所と嫌な部分と美徳とがごっちゃになってる感じ。
「壊してやろうか」と取調べのとき嗤った和田さんは羽川さんとは正反対。
おーあー、和田さんすげぇ好きだ! この人の娘さんに会いたい。
児童ポルノだけでなくレイプも出てくるので
ビデオや写真でも行為の描写がありました。
和田さん、潮崎さん、小菅さん、
ものすっごい嫌なんだけど、羽川さんもそれぞれ楽しめました。
徳田さんや医者のおじちゃんも。子供は可愛かったな~。
お子さんが欲しい夫婦も出てきます。
区役所勤めの桜井さん。頼もしい女性もいました。
ただし、その一方で、武本さんに有利なお話でもありましたね。
というか君は本当頭を下げすぎだ! その描写もう飽きた!
言っていることがいっつも同じで
「やらない後悔よりもやった後悔」(意訳)が持論。
う~ん、周りが個性的過ぎて緩衝材になっちゃった感じ。
いい人ですけど…「そうであればいい」と願うだけなのかな。
明確な答えがないから濁している感じ、「解りません」の方がまだ好き。
しかしそれを差し引いても面白かった。
専門知識や法律、戸籍の取り方あたりは特に。
宮田さんはほとんど出てきていませんが 幸せそうなのでいいや。
ハードカバーで500って凄い。



