
犬村 小六
とある飛空士への追憶 (ガガガ文庫 い) (ガガガ文庫 い 2-4)
【「美姫を守って単機敵中翔破、1万2千キロ。やれるかね?
レヴァーム皇国の傭兵飛空士シャルルは、そのあまりに荒唐無稽な指令に我が耳を疑う。
次期皇妃ファナは「光芒五里に及ぶ」美しさの少女。そのファナと自分のごとき流れ者が、ふたりきりで海上翔破の旅に出る!?
圧倒的攻撃力の敵国戦闘機群がシャルルとファナのちいさな複座式水上偵察機サンタ・クルスに襲いかかる!
蒼天に積乱雲がたちのぼる夏の洋上にきらめいた、恋と空戦の物語。 】
う――――――わ―――――――――!!
な ん だ こ の 素 敵 な 物 語 !
天ツ上と戦争中のレヴァーム皇国。
両方の血を引くベスタドはどちらの国からも忌み嫌われる最下層の人間―――それが主人公の狩野シャルル。
その身分故に正規軍にすら入れず、けれど空を飛ぶことを第一とし、傭兵として飛行機に乗る。
その腕前は、正規軍のエースを破るほどの。
加えて、実直、誠実である彼の腕は上層部に買われ、持ちかけられたのは、浚われた皇太子妃を守って絶望的な機能差がある飛行機を相手に1万2千キロ飛ぶこと。
かつて母が仕えていた貴族の娘であり、あの頃唯一自分を人間として扱ってくれた少女は、まるで蝋人形のようになっていた。
束縛と拘束と監視に慣れてしまったファナがシャルルと打ち解けていく姿がもう嬉しいこと嬉しいこと!
お約束な展開もあるんですがそれすらも微笑ましく、
「いきり立て!」で思わず笑った自分はどうかと思うが、
面白いんだからしょうがない。
理不尽ばんざーい。
絶体絶命を幾度潜り抜けたか解らない。
だけどその度、二人の中でなにかが変わっていく。
一休みの離島での遣り取りや、意識が朦朧とした中での会話、
あぁああもうやめて早く逃げて―――!と叫びたくなる空中戦、
粋なことこの上ない隊長との敬礼。
やられた。
がっつりやられた。カッコよすぎだあんたら……。
シャルルもファナも凄く素敵。
どうか幸せになって。
別れてしまう所も、子供のように駄々を捏ねるファナを見て、よかったねと本気で思う。
シャルルだって最後にしっかり決めてくれました。動いてくれてありがとう。
「傭兵は金で動く」と自分で言っておきながら、人生三回は遊んで暮らせる今回の報酬を、ばらまいた。
それはかつて、向日葵を背に笑っていた少女への餞。
サンタ・クルスと共に踊ってくれました。拍手。拍手。拍手!
最後もキレイにまとめてくれて、思わずふわりと笑いたくなりました。
この本が長く平台をにぎわせますように。
タイトルと表紙で気に入った人は是非買ってと無責任にすすめたい。
すげえ好き。




1 ■同意です!!
この作品は最高でした!!
自分はガガガ文庫と時雨沢さんの作品を主に読んでいますがここまで心を鷲掴みにされたの『アリソン』以来です!1