天と地の守り人(第1部)/上橋菜穂子

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上橋 菜穂子, 二木 真希子
天と地の守り人〈第1部〉


物語と共に成長するチャグムが見れて嬉しかったです。
今更ながら、30代の女性が用心棒でそれってよく児童文学OKしたよなあと思います。
だって、大体が中学・高校じゃないですか、主人公って。
精霊の守り人出版当時のことは解りませんが、それでも主人公の設定だけで、異彩を放っている作品だったのでは。




ナユグ(あちら)の影響?を受けてサグ(こちら)の気温が変化してきたり、
チャグムは守護神となって死んだこととされ皇太子はこの夜から消えてたり、
鎖国をした新ヨゴ皇国にはタルシュの手が迫っていたり、
カンバルとロタの同盟を結ばせようとしたり。


内部抗争、分裂、戦争、策略、密偵、駆け引き、
―――政治の汚い部分、なんでもあり。


なのに、読むのが辛いほど重くはならずに読みきれる。





国名と<北翼><南翼>とか、イーハンやシナハか、
人名が出てくるとごっちゃになってしまうのですが………、
それでも読み終えるとぼんやりながらも全貌が見えてきます。
確り読み取りたい人は読み直した方がいいと思います。
わたしにあの冊数とページ数を読み終える体力はありませんでした汗



チャグムとバルサが初めて出会ってから、もう5年。
皇太子という身分を嫌がり、
タンダやバルサと一緒に暮らしたがっていた11歳は、
独りで夜中の海を泳いで単身、
国王と同盟を求めバルサの背を越すくらいの16歳に成長しました。


あの頃の彼は、きっともう余程のことがなければ顔を出さないのでしょう。


それが誇らしく愛おしく、同時に淋しくて痛い。

バルサは流れる身。
一所に留まれない彼女がタンダと一緒になるのは、用心棒を引退するときだと思います。
アスラやチキサもそうだったけど―――チャグムにはそれ以上の思い入れがある。
2人が再開する姿が、親子のように見えました。
バルサがチャグムを探している間も、チャグムガバルサの身を案じるときも、そうして2人、また共に旅に出ることになったときも。
純粋で綺麗ななにかが間に流れているようでした。


話の展開が軽快で良いとか、子供なのにこれ大人にも薦めたい!とか。
色々、言いたいことはあるしそれは全部誉め言葉になるのでしょうが。
ただ、読んでみて、としか言えません。
そして、出来れば精霊の守り人から、と。

4月1日に新潮社から「精霊の守り人」が文庫で出版されます。
値段の方は580円。(予定です)
もし少しでも興味を持ってくださった方が居ましたら、どうぞ物語の最初から読んでみてください。
始まりのチャグムは、
残酷な運命に巻き込まれた、なんの力もない少年でした。



朝早くから読んでくださってありがとうございます。
今日という一日が、貴方にとって好い日でありますように。


上橋菜穂子先生の他の作品の感想です:別窓開きます!

天と地の守り人(第2部)
天と地の守り人(第3部)

獣の奏者Ⅰ (闘蛇編)
獣の奏者Ⅱ (王獣編)
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