新小岩・東大島・船堀で「洗ったら思わぬ結果になった」衣類を直す仕事をしています

「色がにじんだ」「合皮が剥げた」「ベルトが無くなった」などのトラブルに、ご依頼主と同じ立場に立って日々の作業にあたっています。 クリーニング業者の方も個人の方もお困りの時は是非お電話を!

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まず、色掛けするにはエリ元のラベルが邪魔に

 

なりますので、取り外します。

 

 

 

片側だけ外せば十分なので、右側は付けた

 

ままにします。

 

 

では、色を作ります。 青と黒を薄めて調合

 

します。

 

 

そして、一箇所一箇所慎重に色を付けていき

 

ます。 目立たない背中側から始めましょう。

 

 

 

上半分が消えてきたのがわかりますか?

 

 

下半分も終わりました。

 

 

背中側が全部終わったところです。

 

 

では次に、一番目立つ内側の色掛けに

 

すすみます。

 

 

 

上半分が終わったところ。

 

 

上のもう半分が終わったところ。

 

 

下の左半分が終わったところ。

 

 

全部終わったところです。

 

ちょっと照明の影響で写真に縞模様が

 

出てしまって、よく見えませんね(汗)。

 

 

最後に外した糸を縫い付けて完成!

 

 

こうして書いていくと、あっという間に終わった

 

かに見えますが、実際は相当時間がかかりま

 

す。 また今回丸型に脱色していましたが、これ

 

が丸の中心も脱色しているとさらに時間がかか

 

ります。 何とも地道な作業なのです。

 

色掛けについて、もっと知りたい方は、過去記事を

 

ご覧ください。

 

ジャケットの黄ばみを色掛けで見えなくする

 

ではまた明日。別のご依頼品でお会いしましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (10) ***

 

私は資料を揃え、営業部長や事務所のスタッフ

 

を呼んで、3対1ぐらい構えで待っていました。

 

A子さんは神妙な顔つきで、本部事務所に

 

入ってきましたが、私はニコリともせず(そりゃ

 

そうだ)、A子さんに座るよう椅子を指し示しました。

 

座るなり、A子さんは、

 

「あの・・・ 主人が録音するように言うので、録音

 

してもいいですか?」

 

・・・ これには驚きました。 まるでこっちが犯罪者

 

か、違法尋問でもしているかのようです。 魔女裁判

 

とでも思っているんでしょうか?

 

「ええ! 構いませんよ! 」

 

とさすがに私も不機嫌に答えて、A子さんが録音を

 

始めたのを確認して、さらに続けました。

 

「いままで騙された思いで一杯です! しかも

 

これだけの金額。 悪質極まりない!

 

根拠はこの資料に全て書いて

 

ありますから、見てください! この金額を返済

 

するまで、こちらも絶対示談などはしません!」

 

私の執念は伝わったようで、1時間ほど話しましたが

 

A子さんは、返済方法について一両日中に回答する

 

とのことで帰って行きました。

 

私はA子さんが帰った後も、「録音していいですか」

 

のセリフを思い出すと気分が悪くなったのを覚えて

 

います。

 

さて、1時間後くらいに、今度はB子さんが出向して

 

来ました。

 

こっちのほうが手強いぞ・・・・

 

そう覚悟して待ち構える私でした。

 

(つづく)

 

 

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クリーニング屋さんから、

 

「染み抜きしたら、まぁるく色が抜けてしまった!?

 

直りますか?」

 

というご依頼を受けました。

 

トゥモローランドのカーディガンです。

 

 

ブランドネームの下に脱色した丸い跡が

 

あるのがわかりますか?

 

 

ひっくり返して背中側から見ると、一目瞭然

 

です。

 

 

ちょっと、脱色のところにマークをしてみましょう。

 

 

赤い点線のマークの中に、うっすら

 

ピンク色の○が見えますでしょうか?

 

「脱色して、なんでピンク色に??」

 

と思われるかもしれません。 ぱっと見、

 

このカーディガンはグレーに見えますが、

 

薄く「青」と「ピンク」が混じっているのです。

 

そのうち、青い色の染料がシミ抜きのせいで

 

取れてしまって、残った部分にはグレーと

 

ピンクに見えるのです。 このカーディガンに

 

限らず、染料で一番先に落ちてしまうのは

 

「青」

 

が最も頻度が高いです。 シミ抜きの師匠の

 

言葉に寄れば、これは

 

「青い染料は最も粒子が大きいため」

 

だそうです。 大きいから、あまり繊維の中に

 

浸透せず、すぐ取れてしまう、ということです

 

ね。 色の3原色では黄色が次に大きく、最も

 

粒子が大きいのが赤だといいます。

 

では、明日からこのカーディガンの脱色を

 

「色修正」

 

という方法で直す工程をご覧に入れましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (9) ***

 

まず、私がしたことは、総額250万円という

 

横領額の内訳を出すことでした。 つまり

 

A子さんがいくら、B子さんがいくら、という

 

具合にです。 その結果、A子さんは約100

 

万円、B子さんは約150万円という結果となり

 

ました。

 

労働基準法では、たとえ業務上横領をしたと

 

しても、働いた分の賃金は払わなければなり

 

ません。 ま、当然です。

 

たまたま給料日が近かったこともあり、私は

 

文書で二人に、給料日に別々の時間を

 

指定して、

 

「この日のこの時間に本社へ出向されたし。 

 

その場にて給与を支払いますが、即、損害賠

 

償金として返還してもらいたい。 

 

横領額より、その金額を減らして、残りについて

 

支払い方法を明示してもらいたい。」

 

という主旨を伝えました。 この日までに、

 

二人それぞれに、こちらが算出した横領額と

 

その根拠となる伝票類のコピー、及びそれらの

 

用紙代を足して、正式な損害賠償額として

 

提示できる資料を揃えたのです。 と、一言で

 

言うと簡単ですが、いったい何時間かかったか

 

わかりません。 事務員にやらそうにも、彼女ら

 

も普段の仕事が手一杯だったため、自分でやる

 

羽目となりました。 ま、それが一層、

 

「なんとしても取り返してしてやる!」

 

というパワーにもなったのですが・・・

 

さて、そうしてA子さんが出向してくる日になり

 

ました。

 

(つづく)

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では、翌日乾いたところです。

 

 

いつものように、最終チェックしながらアイロン

 

掛けです。 ご依頼のポケットのインクしみ以外

 

も出来る範囲で見つけたら落とします。

 

 

 

ポケットは、後でスタッフが縫いやすいように

 

折り目をつけながらアイロンします。

 

 

 

 

他は特に問題はありませんでしたので、

 

これで完成です。

 

 

後は、このポケットを縫い付けるだけです。

 

 

そして縫い付けが完了したのがこちら。

 

 

これでまたご依頼主も気持よくお召になれ

 

るでしょう。 

 

皆様も、くれぐれもポケットに入れる時は

 

ペン先にご注意を。

 

ではまた明日。 別のご依頼品でお会いしましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (8) ***

 

さて、私もA子さん、B子さんも別々の聴取室で

 

尋問(?)を受けました。 私は被害者なのに、

 

同じようなコンクリートの壁に遮られた部屋で

 

聴取されるのは、ちょっと面白くありませんでし

 

たが・・・

 

「私的用途に流用していたそうですよ。」

 

私は、おおまかに聞いたことを話しました。

 

刑事さんはそれをノートパソコンで記録していき

 

ます。 そして、うちのレジの仕組みやレシート

 

の記載方法、ごまかした手口などについて、

 

1時間ほども聞かれました。

 

「以上で結構です。 またお聞きしたいことがあり

 

ましたら、ご連絡します」

 

と言われてようやく私の聴取は終わったのです。

 

さて、私の一番の懸案事項は

 

「横領されたお金が戻ってくるか?」

 

ということでした。 もし経営者の方で、私と同じ

 

目に遭ったり、もし遭ったらどうしよう?と考えて

 

いらっしゃる読者の方がいらしたら、ここからの

 

話は大変興味深いと思います。

 

 

私の考えた方法とは・・・

 

(つづく)

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では、その研修会で学んだ薬品で、さらに

 

シミ抜きを続けます。

 

 

 

温めます。

 

 

すすぎます。

 

 

おおお!

 

キレイに取れてしまったではないですか?!

 

この薬品はすごいわ!

 

 

と、いうわけで、この方法でどんどん進めて

 

いきましょう。

 

 

 

 

 

 

この位置のインクが全て取れたところで

 

位置を移動します。 なにしろかなりあちこち

 

ついていますので・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ポケット面が全て終わりました。

 

すっかりインクは取れて無くなっています。

 

 

 

後は、反対側(身ごろ面)についたインクを

 

同様に全て落として、

 

 

すすいで、

 

 

 

干します。

 

 

あとは乾いたらアイロン掛けしてポケットを

 

縫い直すだけです。 

 

いよいよゴールが見えてきました。

 

では、ちょっと長くなりすぎたので、続きはまた

 

明日。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (7) ***

 

私は、別のスタッフをお助けで呼び寄せて、その

 

ままB子さんが出勤してくるまで店内で待つことに

 

しました。 2時から交代でB子さんになるのです。

 

「あ!社長!おっはよーございまーーす!」

 

といつものようにB子さんが元気に出社してきまし

 

たが、お助けスタッフの存在と私の緊迫した空気を

 

すぐ感じ取り、

 

「どうしました?」

 

と言うので、私はB子さんがタイムカードを押す前に、

 

「返金してもいない割引伝票を作って、売上をごまか

 

してたろ?」

 

と私が言うなり、すぐB子さんは察知して険悪な表情

 

になりました。 そう、

 

「悪人顔」

 

です。 これが私が初めて見たB子さんの素顔だった

 

のかもしれません。

 

「ふーん、そういうことですか」

 

としたり顔のB子さんをよそに、私は刑事さんに

 

「B子さんが出勤してきました」

 

と電話すると、すぐ刑事さんはやってきて、A子さん

 

同様、パトカーでB子さんも連行されました。

 

「社長さんにも、事情聴取したいことがありますので、

 

署まで来れますかね?」

 

と言われたので、私はバイクで自分で警察署まで

 

向かいました。

 

この話、まだまだ続きがあるのです。

 

気になる方は、明日以降も是非ご覧ください。

 

(つづく)

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今回のインクのシミ抜きは、主に機械で行います。

 

インクの中身がべったり付いたケースと違って、

 

今回のようにペン先からだけの場合、インクの

 

量はたかが知れていますので、機械の方がキレイ

 

に手早く終わるのです。

 

では始めましょう。

 

まず、ポケットをほどいて一枚にします。

 

 

こうしないと、せっかく取ったインクが下の

 

生地に移ってしまうからです。 移った

 

インクは今度は除去が非常に困難になる

 

ので、縫い直す手間がかかるとは言え、ほどいて

 

しまった方が安全・確実なのです。

 

それで機械にセットします。

 

 

まずは油性のシミ抜き剤で、

 

 

 

これを温めます。

 

 

範囲が広いので、入念に。

 

 

 

ここで一旦、バキュームで吸い込んで、薬品

 

で溶けた分のインクだけ、取ってしまいます。

 

 

続いてガンで、さらに残ったインクを下に

 

たたき落とします。

 

 

一回の処理でこれだけ薄くなりました。

 

 

これを何度か繰り返します。

 

 

それで、ようやくここまで薄くなりました。

 

 

以前はこのレベルで、

 

「これが限界のようです。」

 

でお返ししていましたが、ここからさらに現在

 

勉強中の

 

「シミ抜き研修会」

 

でのテクニックを使うと・・・・

 

続きは明日のお楽しみ。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (6) ***

 

「こ・・・このことはB子さんも知ってるの?!」

 

私は最初、単独犯だと思っていたB子さんに

 

逆に濡れ衣を着せてしまったのかと反省しな

 

がら問い詰めました。 すると、

 

「最初はB子さんが、『こうやれば、立て替えた

 

お金取り戻せるよ』と言って教えてくれたんで・・・

 

それから、二人でやるようになって・・・」

 

なんだ、二人は共犯だったのです。 

 

 

みなさん、二人共犯というのは、不正を露見

 

しずらくします。 通常、この店のようにスタッフが

 

7名もいる場合、ほとんどは

 

「良識のある人」

 

なので、不正していないか互いに監視するようになる

 

のが普通ですが、この店はつい数カ月前に社内

 

で揉め事があったため、7名のうち、5名が辞めて

 

しまったのです! 私一人ではとても穴埋めできな

 

い・・・!  と苦慮していた私に、この二人が

 

「シフトを伸ばして、出来るだけ社長が入らなくて

 

済むようにしますよ!」

 

と言ってきてくれたので、私は泣きそうなほど感謝

 

したのでした。 恐らく、この不正操作はこれまで、

 

他の人に知られないように、こっそりやっていたのが、

 

実行犯二人だけの店舗になった途端、大手を振って

 

毎日やるようになった、という経緯なのでしょう。

 

そういう事実がいっぺんに私の頭をよぎって、こう

 

なってしまった原因は自分の甘さなのだろうか・・・

 

と自問自答する私でした。

 

「実はスタッフ二人ともグルでした」

 

こう刑事さんに報告するために、私はA子さんを置いて

 

店外に出た所、さっきまで相談していた刑事さんが

 

店の前に立っているではないですか!?

 

 

「あ、あれ? 刑事さん、なんでここに?」

 

「いや、どうなったかな?と思って来てみたんですよ」

 

もしかして、ヒマなのかな? とも思いましたが、さき

 

ほどのA子さんの供述を刑事さんに話すと、

 

「じゃ、署で話を聞きましょう」

 

と行って、刑事さんは電話してパトカーを呼び寄せ、

 

あっという間にA子さんは連行されてしまいました。

 

 

(つづく)

 

 

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ボールペンの先を出したままで、うっかりポケットに

 

入れてしまったために、ポケットの底にインクが

 

付いてしまった?! なんてこと、よくありますね。

 

ワイシャツなんかに多いです。

 

今回は、

 

「マジックのペン先」

 

をうっかりポケットの中に入れてしまったようで、

 

かなり大きなインクしみとなってしまったご依頼品

 

のシミ抜き工程をご紹介いたします。

 

まずご依頼品はこちらです。 

 

左のポケットに、かなり広範囲にインクが・・

 

 

 

当然、裏側にも付いてしまっています。

 

今回のご依頼品は茨城県から送られて

 

来たものでした。 出来ればキレイにして

 

お返ししたい所です。 しかも、ご依頼主は外国の

 

方だそうで・・・

 

 

では明日から、このインクのシミ抜き工程を

 

ご紹介しましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (5) ***

 

では、計画通り私は、

 

「A子さん、実はこういう伝票がいっぱい出てきて、

 

お客さんに電話して確認したら、

 

『私は返金なんかされてないです!』って言うんだよ。

 

どう思う?」

 

と聞くと、A子さんは、

 

「・・・ えぇ・・・ そういうことは、あります。 金額

 

訂正して返金しないことは・・・」

 

この予想外の返事に、皆さんはどう思うでしょうか?

 

私は、最初、意味がわかりませんでした。

 

「え?? なんで? 」

 

「・・・・・ え・・・っと、だって、たまに会社のものを

 

自分で買って、お金を請求できないこともあるので、

 

そういう時に充ててます。 雨の日のバス代とか・・」

 

「そんな馬鹿な話はないだろ? それならその

 

領収書を見せてくれよ!」

 

「いえ、領収書は貰ってませんから・・・」

 

「それじゃ、請求する根拠もないじゃないか! じゃ、

 

全てバス代と会社の物を買った、って言うんだね!?」

 

「・・・ たまに、ご飯食べちゃったりとかも・・・」

 

もう呆れて物が言えなくなりました。 

 

「大人しい人」

 

と思っていたA子さんは、実は泥棒だったのです。

 

しかも・・・

 

(つづく)

 

 

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さて、了解いただいた革に交換したコート

 

です。

 

 

 

 

元の革ベルトは大事のご依頼主にお返し

 

します。

 

 

 

色の濃いものが付きましたが、違和感は

 

ないと思います。 これでまた気持よく着て

 

いただけるでしょう。

 

ではまた明日。別のご依頼品でお会いしましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

すみません。 今日はこれからシミ抜き研究会

 

なので、お休みします。

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「合皮」

 

と並んで、お直しご依頼の多いものに

 

「皮革」

 

があります。 一部に本物の革をあしらった衣類

 

はとてもおしゃれですが、合皮同様、あまり耐久性

 

がありません。 特に、取っ手やバンドなどの部位に

 

使用すると、短期間で破れます。 

 

今回のご依頼品もそうでした。 こちらです。

 

 

 

 

 

 

前合わせのループに使われている革に

 

ヒビが入っていたり、切れたりしています。

 

交換することになりますが、革の難しい所

 

 

「この世に一つしか無い革を染めて作る」

 

ため、個々の色合いがどうしても違ってしまう

 

のです。 今回もやっと探した革は

 

「オリジナルよりちょっと暗い色」

 

しか無かったのですが、幸いお客様がOKして

 

下さったので、交換することができました。 

 

では明日、その完成品をご覧に入れましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (4) ***

 

翌日、私が最初にしたことは、犯人の特定では

 

なく、

 

「警察に行くこと」

 

でした。 当時、この店舗には2名のスタッフしか

 

勤めておらず(もう一人は私)、一人はものすごく

 

気が小さく、おとなしい人で、もう一人はその逆の

 

性格でした。 この事件発覚のちょっと前に、店舗

 

に防犯カメラを設置しようとしたところ、

 

「私が調べたところ、それはプライバシー侵害に

 

なるから違法ですよ!」

 

とメールで直訴してきたので、

 

「そんなことはないです。 どこにそんな判例がありま

 

すか?」

 

と聞いたところ、

 

「いえ・・・ ネットでちょっと見ただけなので・・・」

 

と尻すぼみになったので、迷わず防犯カメラは設置

 

していました。 今思えば、この

 

「防犯カメラ設置反対運動」

 

も自分の悪事がバレるのを恐れていたんだろう、と

 

思えて、ますます腹立たしくなります。

 

    *     *     *    *    * 

 

警察署で刑事さんに相談したところ、

 

「とりあえず、そのスタッフに確認してみて、ゲロする

 

ようなら(ゲロ=自白)、うちで事情聴取しますよ」

 

というアドバイスをもらいましたので、早速、まずは

 

午前中に勤務している

 

「気の弱い」

 

方のスタッフに確認に行きました。

 

「○○さん、実はこういう伝票がいっぱい出てきて、

 

お客さんに電話して確認したら、

 

『私は返金なんかされてないです!』って言うんだよ。

 

どう思う?」

 

当然、この気の弱い人からは、

 

「えええ!  なんですか? その伝票?! 私には

 

さっぱりわかりません!」

 

という答えが聞けたら、やっぱり思った通りの人物

 

が犯人、ということになる訳です。

 

(つづく)

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そして、次回のタイミングでようやく中の芯地を

 

取り出したところで担当に呼ばれました。

 

「やっぱり芯にあまりいいものを使ってないねぇ」

 

と担当が言うこれが、その芯地です。

 

 

黒い紙の切れ端のようなものが芯地です。

 

白っぽい粉のようなものが

 

「ノリ」

 

で、こちら側を表地に貼り付けます。

 

 

そして、運の良いことに、剥離の原因と

 

なっていた部分がちぎれずに残ったのでした。

 

 

この指先の部分にも本来、白いポツポツが

 

無ければならないのに、ま~るく付いていない

 

部分がありますね。 この部分にはノリが付いて

 

いないので、表地が浮いてきて、表から見ると

 

「中に空気が入ったような」

 

感じに見えたのです。 2箇所のうち、もう一箇所

 

の芯地はちぎれて丸まってしまい、同様の確認

 

を取ることが出来ませんでした。

 

 

 

 

芯地を剥がした後の表地。

 

 

 

ここで

 

「あまりいい芯地ではない」

 

について解説すると、使われていたのは綿の

 

芯地でメーターあたり600円ほどです。 新品

 

だとこのような状態になっています。

 

 

 

これを背広の型に合わせて切り取り、接着芯

 

として使います。 

 

ですが、耐久性を考えれば化繊で伸び縮み

 

する

 

「アピコ」

 

という物のほうが適している、というのです。

 

これがアピコの新品。

 

 

 

アピコの場合、メーター800円ぐらいです。

 

そう大した値段差ではありませんから、作る

 

ならこちらの芯地を使ってもらいたいところです。

 

もちろん、今回張り替えたのはこちらの方を使用

 

しましたから、耐久性は相当あり、安心して頂け

 

ると思います。

 

さて、この結果をご依頼主にご連絡し、証拠の

 

芯地と合わせてご来店を待つことになりました。

 

お渡しの時に再度、ご説明しながらその部分を

 

見てもらいました。 お役に立てていれば良いの

 

ですが・・・

 

 

では、今回の背広の芯地交換についてはこの辺で。

 

明日また別のご依頼品でお会いしましょう。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (3) ***

 

「はい。 はい。 そうですか。 ・・・わかりました。

 

ありがとうございました。」

 

そう言って受話器を置いた営業部長。

 

皆、部長の言葉を待っていました。

 

「返金などは一切受けていないそうです。」

 

! なんと、これで不正が確定しました。 私も半信

 

半疑だったのがバカバカしく感じられてきて、逆に

 

これまで騙されていたことに怒りがこみ上げてくる

 

ばかりです。

 

しかも心配なのは、これが一体いくらごまかされて

 

いたのか? ということでした。 その日は夜を徹して

 

不正伝票を過去の伝票から引っ張りだして、合計

 

する作業と証拠としてコピーする作業に費やしたの

 

です。

 

その結果、信じたくない事実が明らかになりました。

 

総額約250万円。 およそ10ヶ月ほど前から増え

 

だした訂正伝票だったので、月に25万。 人一人分

 

の給料ほどもあります。

 

私は呆然としながらも、明日、どう対処すればいいか

 

を営業部長と相談しました。

 

懲戒解雇は当然ですが、いかにしてこのお金を取り

 

戻すか、が最大の問題でした。

 

(つづく)

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芯地が剥がれていることはわかっていますから、

 

まとまった時間の取れるときに、芯地部分を開いて

 

みました(大変手間のかかる作業なので、連続した

 

長い時間を取れるタイミングでないと、かかれない

 

のです)。 それがこれです。

 

 

 

ちょっと解説します。

 

 

となっています。 いろんな角度から撮影してみましょう。

 

 

 

 

 

 

開けては見たものの、結局、この側では

 

芯地がまだ表地とくっついているため、肝心

 

の剥離部分の状態がわかりませんでした。

 

今回は諦めて、次回まとまった時間の取れる

 

時に、芯地を引き剥がすことになりました。

 

ただ芯地は剥がすと丸まったりちぎれたりして、

 

原型をとどめてくれません。 剥がした瞬間に

 

しか接着不良の原因は見れないのです。

 

それでもとりあえず進めるしかありません。 

 

ご依頼主には事情をお話し、

 

「可能な限り写真などでご説明できるよう

 

やってみます」

 

ということで、結果は一任されました。

 

では明日、次のトライ結果をご紹介いたします。

 

------

 

記事末エッセイ

 

「昔いたトンデモ・スタッフ その9」

 

*** レジ不正操作による横領 (2) ***

 

毎日のように、いや毎日必ずある

 

「訂正伝票」。

 

ちょっと何枚か取り出して、内容を精査して

 

みました。 内容は様々ですが、すごい大量に

 

出している人をよく見かけます。 その場合、

 

返金する差額も結構な額です。 しかし、担当

 

スタッフからは、理由を説明されている、と事務

 

スタッフも言います。 で、1年ぐらい前から気が

 

ついてはいたのですが、そのまま放置となって

 

いたそうです。 ちなみに当時社長の私にも報告

 

したそうですが、私は全然覚えていません。

 

この時点で、私を含め、全員半信半疑だったの

 

ですが、状況を打開するアイディアを出したのは

 

営業部長でした。

 

「社長! 私が事務員のフリをして直接このお客様

 

に確認してみますよ。 それで白黒はっきりする

 

でしょう?」

 

と言い出したのです。

 

そして電話番号のわかる、比較的新しい伝票の

 

お客様を選定し、電話し始めました。

 

最初はつながりませんでした。

 

そこで、別の伝票を選び、再度電話してみます。

 

呼び出し音のする間、事務所にいた全員は営業

 

部長を見つめていました。

 

「・・・・あ、○○様でいらっしゃいますか? こちらは

 

トーアクリーニングでございます。 いつもご利用

 

ありがとうございます。

 

お忙しいところ、大変申し訳ありませんが、事務

 

処理の都合で、伝票がちょっと読めなくなってしまい

 

まして・・・     お客様にちょっとお教えいただき

 

たいのですが、・・・ はい。 ええ。 あの、おととい

 

お受付した洗濯物ですが、受付の際に割引して

 

なかったので、後でその分、ご返金した、というよう

 

なことはございましたでしょうか?」

 

事務所は、し~~~んと静まり返りました・・・

 

 

(つづく)

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