2011-02-06 15:25:20

「ショコラ」

テーマ:洋画
$三度の飯よりシネマ好き。 「ショコラ」2001年 アメリカ
監督:ラッセ・ハルストレム
出演:ジュリエット・ビノシュ 風変わりな美しい母親ヴィアンヌ
ヴィクトワール・ティヴィソル ヴィアンヌの娘、アヌーク
ジョニー・デップ       ジプシーのリーダー、ルー
STORY
ある冬の日、フランスの小さな村に、謎めいた女性ヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)と娘がやってきた。彼女は教会の近くに、見た事もない美味しそうなチョコレートであふれたショップを開く。店に訪れた客の好みをピタリと当て、チョコレートを勧める彼女の店はたちまち村の話題に!!

$三度の飯よりシネマ好き。新月北風と共にやって来た母子
主人公は美しい母娘。フランスの静かな村に寒い吹雪の日にやって来た二人は、村から村へと渡り歩く不思議な親子でした。やってきたランスケネ村は、古くからの伝統が根付く小さな村。急にやってきた新参者に、村の人々は疑りの視線をあびせます。
私も、13歳の時に母と二人で能登半島の小さな村に急に移住したという過去をもつので、母親のヴィアンヌ(ジュリエット・ビノシュ)を冒頭で見たときに母に似てるなあと、その独特の開放感と幸福感のある個性を身近に感じたものでした。(ちょっと顔も似てるような…)
母親ヴィアンヌは、村に着くとチョコレート・ショップを開店します。
厳格な村には似つかわしくないチョコレートショップでしたが、ヴィアンヌの、占いのようにお客さんの求めているチョコを見分けて出す力で、村人達はここのチョコの虜になっていきます。

$三度の飯よりシネマ好き。この、魔法のように気持ちにぴったりのチョコを当てて出せるヴィアンヌが、唯一、当てることができなかったのが、ジプシーの一行で村にやってきたルー(ジョニーデップ)でした。
守りの強い村の中にやってきたルーは、仲間の体調を崩した少女のために、ソーダ水を探しに村に来たのですが、冷たくあしらわれ困ったところを、ヴィアンヌと娘のアヌーク(ヴィクトワール・ティヴィソル)に優しく迎え入れられたのでした。
よそ者同士、助け合うというだけではなく生き物として、相手の生き方を尊重し邪魔をしない、自分を強くもった者同士のふれあいは、その後もお互いを助けあう関係へと続いていきます。

$三度の飯よりシネマ好き。やや欠け月チョコレートの秘密
馴染んでくるといつも次の村へ行っては、そこで漢方薬のようにチョコレートを作るヴィアンヌの生活。このチョコレートには、彼女の親の代から続く運命が絡んでいました。星古代マヤ人が聖なる儀式に使ったチリ入りのカカオの飲み物、カカオは昔から心の鍵を開き、運命を解き放つと信じられていました星この、古代の薬カカオを使って人々の心を処方しながら渡り歩くのが、母親ヴィアンヌの背負ってきた運命だったのです。
ヴィアンヌのチョコレートは、この村の人々の心の鍵を次々と開いていきました。
倦怠期の夫婦は情熱を取り戻し、老人は恋心に目覚め、絶縁していた親子は心を通わせるようになります。暴力亭主をもって耐えていた婦人も、一人で行きていく強さを身につけて怯えていた日々から脱します。どの町や村にもある、個人の闇や心の錆を、溶かしてしまうようなカカオの処方箋は、村の人々を明るくしていく一方で、変わっていく村をいいと思わない人物もいました。
村の指導者による嫌がらせや強行な追い出しは、やがてジプシーのルー達にも飛び火していきます。

$三度の飯よりシネマ好き。半月ホットチョコ
北風が吹く頃になると、旅心がうずうずしてくるヴィアンヌを止めたのは、娘のアヌークだけではなく、彼女のチョコレートで心を蘇らせた村の人々でした。
彼女達を追い出そうとしていた村の指導者でさえ、彼女のチョコレートを口にしたことで自分の心に素直になり、新しい幸せを手にすることができました。
みんなが愛を手にしたのに、村に残ることにしたヴィアンヌだけが、いつまでも母一人子一人?と思ったころ、店のドアをノックしたのは今年もやってきたジプシーのルー(ジョニーデップ)。嬉しさに彼女が出迎えに出したのは、ホットチョコ。それを飲んだルーは、「当たり。俺が一番すきなのはホットチョコなんだ」と、前は当てられなかったヴィアンヌに言います。
「わかっていたわ」と笑い返すヴィアンヌは、この人と生きていくラブラブという笑顔でルーを見ていました。

$三度の飯よりシネマ好き。満月「ショコラ」のジョニーデップ
今や世界中で最も人気のある俳優と言えるジョニーデップの2001年の映画「ショコラ」は、私が初めて映画館でジョニーデップを見た作品でした。ジョニーデップが好きな方は映画ファンのみならず、いろんなきっかけで知っているのだと思いますが、「ショコラ」の中での編み込みをしたジプシーの役は、初めて彼の存在を知った私でもただ者じゃないのが見てとれる存在感でした。その後見た沢山の主演作品の中でもこの時の、霧のむこうにいる人のような幻想とたくましさと自由をまとったジョニーデップは最も印象的です。
2011-01-31 10:46:54

「ロストボーイ」

テーマ:洋画
$三度の飯よりシネマ好き。「ロストボーイ」1987年 アメリカ
監督 ジョエル・シュマッカー
出演
キーファー・サザーランド  コリー・ハイム
ジェイソン・パトリック  コリー・フェルドマン
STORY
離婚のために、カリフォルニア州サンタカーラにある祖父の家に同居することになったルーシーと2人の息子マイケルとサム。平和な海辺の街に見えたが、行方不明者が急増していた。サムは知り合った不思議な兄弟に、この街は吸血鬼に侵略されていると教えらえる。一方、マイケルは一人の女性に心惹かれて彼女の付き合っているパンクグループに仲間入り。そこで不思議な体験をした彼は、自分が吸血鬼になり始めていることに気付くのだが…。

ドクロホラーはダメでも
映画は好きでもホラー映画だけは見れない…見たら3ヶ月は安眠できなくなるというくらいのホラー苦手な私が、唯一怖さを忘れて見入ったホラー映画が「ロストボーイ」です。
失われた少年という意味を持つこのタイトルからも、怖そうなのは予想出来ましたが、当時のバイク好きな彼の好きな映画ということで随分昔に見ました。
それだけ時が過ぎてその後いろんな映画を見てきても、かっこよかったなあという記憶がずっと残っている映画なのです。

新月引っ越して来た静かな町
主人公は、親の離婚がきっかけで祖父のいる田舎町に引っ越ししてきた二人の兄弟、マイケル(ジェイソンパトリック)とサム(コリーハイム)。仲のいい10代の兄弟は、新しく越して来た町で友達をつくり楽しくしていこうとしていました。
そんな中、兄のマイケルが出会ったスター(ジェイミーガーツ)は誘惑的な美女。ブラウンの髪でソバージュがよく似合う、日本にはいないなあーというティーンエイジャーでマイケルの視線を奪います。
彼女を追いかけるマイケルの前に、さっそうと現れたのがパンクな暴走族のデイビット(キーファー・サザーランド)。大型バイクに股がり、風のようにやって来てスターを乗せるデイビット達は、かっこ良すぎてマイケルには適わないといった風貌。10代でこんな相手を見せつけられたら、自分もそんな風になりたいと仲間入りを志願するだろうなというほどの迫力で圧倒させます。
$三度の飯よりシネマ好き。


やや欠け月悪い王子様
スターへの想いをあきらめないマイケルの前に、度々現れてはニヤリと去って行くデイビットはある日、彼を自分たちのアジトである洞窟へ誘います。そこですすめられた飲み物を飲んで寝たマイケルは、次の日の朝から様子がおかしくなり、それは吸血鬼になっている予兆を出していきました。
どこか妖怪的なほどの色気を出し、バイクに乗って走り回るデイビットは、従来の吸血鬼のイメージを、怖い魔物から非現実的なほど美しく冷たい男へと変えたような気がしました。人間にはない、抜けた魅力があるというようなこの吸血鬼の仲間は、それぞれがファッションといい動じない表情といい、悪い王子様といったような魅力をもっています。いけないと分かっていながらハマっていく。若い頃の危険な誘惑の引力を表すかのような描かれ方です。

$三度の飯よりシネマ好き。半月吸血鬼との戦い
兄マイケルの吸血鬼化した変化に気付いたのは弟サム。サムはまだ吸血鬼になりきっていない兄を救おうと、仲間に協力をしてもらいながらその親玉吸血鬼達へ戦いを挑んでいきます。
その戦いと平行して、吸血鬼デイビット達の仲間感もだんだんと描かれていきます。マイケルに対しての態度もすっかり仲間になったデイビット達は、以外といい奴なのでは?退治しなくてもいいのでは?と見てる側を見方に引き込む程の独自のペースと距離感をもって生き様を見せてきます。
退治する方法はニンニクを食べさせたり十字架を見せたり、サム達がもつ吸血鬼退治の知識をなんとか試していくのですが、いろいろな盲点があり吸血鬼達にはなかなか効かず、戦いは危険を極めていきます。

三日月この街には、吸血鬼が多すぎる。
最後はデイビットを倒し、他の仲間達の襲撃も、祖父の意外な参戦で倒します。
この町に永く住む祖父は吸血鬼にもたじろがないのか。と思いきや、最後の最後、祖父は冷蔵庫から血の酒を出して飲み、「サンタ・カーラはいい町だが吸血鬼が多くて」とつぶやき…。
ほんとうの親玉は一体誰で、吸血鬼は完全に退治できたのか?この町にいる人々には吸血鬼の血が多かれ少なかれ流れているのか?と本当の寒気を感じさせて、終わります。
吸血鬼も、年とるのかなあ… 
ティーンの吸血鬼達の魅力を思い出し、そんな疑問もがもたげたりもしたラストでした。
BGMもかっこいいです。
2011-01-23 13:13:59

「川の底からこんにちは」

テーマ:邦画
$三度の飯よりシネマ好き。「川の底からこんにちは」 監督・脚本 石井裕也
出演者
満島ひかり
遠藤雅
相原綺羅
志賀廣太郎
岩松了
STORY
仕事にも人生にも妥協して生きてきたOLが、ダメ男の恋人と連れ子とともに帰郷し、病気で倒れた父の営むしじみ加工工場を立て直しながら懸命に生きる姿を描く。

$三度の飯よりシネマ好き。にゃー「しょうがないですよ」
主人公の木村佐和子(満島ひかり)は上京して5年目、おもちゃ制作会社に勤めるOL。5人目の彼氏は同じ会社勤務のバツイチ子持ちの健一(遠藤雅)で、子供と一緒にデートをするもうまく馴染めず、仕事でも評価は低い。という「しょうがないですよね」が口癖の妥協人生を送っていた女の子。田舎でしじみ工場を運営している父(志賀廣太郎)が入院したという知らせを受け、「エコな生活をしたい」という恋人健一が会社クビになったのきっかけに、結局連れ子と三人で田舎に戻ってしじみ工場を継ぐことに。頼りない恋人と、何も考えてこなかった自分と連れ子と向かう田舎への電車は、恋人の健一だけが意気揚々としています。
$三度の飯よりシネマ好き。実際田舎をもつ者から言うと、一度都会に出た後、なんらかの理由で田舎にUターンすると、なんだかんだと噂を立てられます。男に捨てられたんだとか、就職できなかったんだとか、あの家の仕事が危ないらしい…などなど、この三パターンくらいのものだけれど、有ること無いこと色々とくっついて噂は広まってゆき、いずれは噂もひっそり沈んでゆきます。
そんな予感が的中するように、田舎に戻ってしじみ工場に挨拶に行った佐和子に対する従業員のおばさま達の態度はひどいもので、着替え中のシュミール姿で佐和子を睨みつけては、「駆け落ちして出て行ったんだよな!」「急に帰ってきて、社長ですといわれてもねえ」と罵声を浴びせる中で、「ひさしぶりじゃん。駆け落ちした彼とはどうなった?」と声をかけて来たのは幼なじみの友美(鈴木なつみ)。これによって意気揚々ときた恋人の健一は拗ねてどこかへ行ってしまい、佐和子の帰郷生活は冷めた目線の中スタートします。

$三度の飯よりシネマ好き。ぶーぶーしじみ工場のお母さんたち
最初の印象が悪いとあとは良くなっていくのみとでもいうように、佐和子と従業員のおばさま達は力強くタッグを組んでいきます。佐和子の言うことなど全く聞こうともしなかったおばさま達を振り向かせたのは、佐和子の凄まじい立ち直り。
恋人の健一は幼なじみの友美の家に泊ったきり帰ってこなくなるし、経営は来月も危ういというほど傾くし、病状は良くならない父は「あんな男やめて他を探せ。連れ子の加世子ちゃん(相原綺羅)は…施設かどこかに預けることにして」と諭すし。という災難続きの渦中に出した佐和子の答えは、
「いや、私あいつと結婚するわ。逆に。もうこうなったら。私なんて中の下だからさ、相手も中の下なんだよ。だから、私が頑張らなきゃ!お父さん、私頑張るわ!」という、諭しと真反対のもの。こう立ち直ってからの佐和子は強かった。
$三度の飯よりシネマ好き。工場でひそひそいうおばさま達にも「私は中の下ですけど、ていうか皆そうですよね。だけど、頑張るしかないんで!」と宣言し、その吹っ切れを期に佐和子は会社の運営にも名案を出し、工場の唄もつくり、連れ子の加代子を保育園へ自転車に乗せてさっそうと進んでいきます。「あんたは中の下なんだからね。頑張らなきゃだめなんだよ」と背中を推す様は幼いときに母を亡くした佐和子が持っていた隠れた母性。どんどん、いい女になっていきます。

$三度の飯よりシネマ好き。ヒヨコ佐和子と加代子
佐和子が18歳の時、佐和子の父は工場のおばさんと関係をもっており、目の前にした佐和子は憧れの先輩と一緒に上京した(駆け落ちと言われている)という過去がありました。
その先輩が幼なじみの友美の彼だったため、友美は仕返しに佐和子の恋人健一を奪ったという長い執念の物語がある中、佐和子は連れ子の加代子と一緒にお風呂に入り、一緒に寝て「お母さんいない同士じゃん。」と可愛がってるような逆に甘えているような(加代子ちゃんはすごくしっかりしている女の子)二人の関係はしっかりと強くなっていきます。おそらく、佐和子の父が施設に入れようと言った時に佐和子は結婚して自分が育てようと決意したんだろうなと思いました。
帰ってこないどうしようもないお父さんをもち、寂しい思いをしながらも、
静かに文句も言わずに傍にいる加代子との一コマで、夜に玄関の鍵を閉めようとしたしっかりものの加代子に、
「あ、鍵は閉めないで。女心ってのはいろいろ複雑なんだよ。…加代子はほんとに子供だなあ」と笑う佐和子にきょとんとする加代子のシーンは、ダメな男でも好きになりたくて待っている、言葉や態度には一切待ってるなんてことを出さずとも、いつでも入れるように鍵だけは閉めないで心の中で、どこか向かい入れようとする女心がかわいくて、とても好きなシーンでした。

$三度の飯よりシネマ好き。ヒツジ最後の20分くらいは、泣いては笑いまた泣いて
後半最後は、お父さんと佐和子の物語になります。
なんでも「しょうがないですよ」と温度のない生き方をしていた加代子が帰ってきて蘇らせたものは、自分の温かさ、家族の温かさ、工場のおばさま達の温もりでした。
佐和子演じる満島ひかりさんの溢れる感情の表しは、すっきりする上に感動します。
とにかく、泣きます。
そして帰ってきてひたすら詫びる恋人健一に、「あ、いいよ別に。でもさ、やっぱりムカつくわ!何にって、あんたが居なくなってちょっと寂しい気持ちになった自分に!私は、あんたのこと好きになりたいんだよ!」と父のお骨を投げつける佐和子と、「骨、拾えー」と拾い出す工場のおばさま達は笑って泣いての極み。両親を亡くしてしまった佐和子の傍にいるのは、沢山のお母さん達と、家族でした。

ひらめき電球早稲田松竹で上映中28日まで


Amebaおすすめキーワード

    アメーバに会員登録して、ブログをつくろう! powered by Ameba (アメーバ)|ブログを中心とした登録無料サイト