2011-10-22 16:03:21
『パーマネント野ばら』
テーマ:邦画
『パーマネント野ばら』キャスト:菅野美穂、江口洋介、小池栄子、池脇千鶴、宇崎竜童、夏木マリ
監督:吉田大八
原作:西原理恵子
STORY「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」「クヒオ大佐」の吉田大八監督が、西原理恵子のコミックを映画化した恋愛ドラマ。離婚の末に一人娘を連れて故郷に出戻ったなおこと、なおこの母・まさ子の2人で営む海辺の町の美容室「パーマネント野ばら」に集まる女性たちの悲喜こもごもの恋愛模様が描かれる。

「ずっと好き」はどこにもないから 私は毎日、小さな嘘をつくー。このコピーライトに、分かるような分からないような、不思議な印象をうけて見てみた映画「パーマネント野ばら」
主人公のなおこ(菅野美穂)はバツイチ子持ちで出戻りした身ながら、とても素敵な恋人カシマ(江口洋介)と付き合っている。このカシマは、高校の理科の教師をしていてお昼にはいつも牛乳パック一本とお弁当を食べ、なおこがいつ会いにきてもおおらかに明るく受け入れる。それでいて、焼きもちをやいたりじゃれたりもするという、大人の中の少年で、私ならもう皆に自慢したいような恋人なのに、なぜかなおこは秘密にしている。そして、私なんて誰ももらってくれんよーと静かに笑う。
それが見ていて不思議でしょうがなかったのが、話が進むにつれ、なおこが極端な秘密主義なわけでもなんでもなく、彼女の好きは、もう形のないものだったことに、気付く。

強い女となおこの家族は、娘のももと母親のまさ子(夏木マリ)、そして他の家に入り浸ってしまった義父カズオ(宇崎竜童)。
母の経営する海辺の美容室には、地元のおばちゃま達が大仏パーマをかけにやってきては、男の噂をしてぎゃはぎゃは笑う。
きっと学生時代からずっと同じ学校で、この街で結婚し、いつもここで集まっては男の噂をしてきたんだろうなという、懐かしさとあっぱれな元気さ。

やさしい男なおこの同級生のみっちゃん(小池栄子)とともちゃん(池脇千鶴)もまた、おばちゃん達とはちがった男の事情を抱えている。みんな、とにかく明るいけれど、けっこう辛い目にあっていて、それもこれも人生なのよと海を見ると感じるような田舎町の情景。
こういう強い女の集う世界では、以外と男のほうが弱く見せていてしたたか。
義父のカズオは、「母ちゃんはそらええ女やでえー」と言いながら、結局他の女との暮らしを笑顔で選んでゆく。なのに恨めない、嫌いになれないのは、強がっている女の弱点だろうな

みんなに愛と闇と情けがあって、カシマとの秘密の恋の理由も分かるラストには、恋って、実ろうが実らなかろうが、手に届くうちは抱きしめておきたいものだと思える、なんか故郷のような感触の残る映画でした。





