俺の条件
一人の人を大切にできる人間が損をする。
一人の人に真剣になれる人間は裏切られる。
清き心を持つ人間ほど傷つけられ、苦しめられる。
俺はそんな社会に生きている。
人はみな、その社会に上手く順応して、いや無意識に侵食されて生活している。
一度損をした者は、得ばかりを求める人間になる。
一度裏切りを受けた者は、人に不信感を抱き、自ら裏切りを繰り返す人間へと変貌する。
心に傷を負い、苦しみを味わった者は、そこから逃れる手段として自己卑下の道を選ぶ。
ずるがしこい一般人はそれ以前の段階で自己の本質から離脱して社会に順応する。
マイノリティになることを恐れ、社会の潮流に流されることに快楽を覚える。
俺も所詮は単なる一般人の一人だ。
しかし、社会と戦う男でありたい。
ある意味虚像とも言える社会なぞに負けたくはない。
何があっても俺は俺である。
大切なものは大切であり、真剣なものは真剣である。
どんなに醜いものを見ても俺は清い心を持ち続けてみせる。
醜い薄汚れた社会の中でも輝きを放ち続けてやる。
どれだけ損をしようが、何度裏切られようが、俺が俺であること。
それが自分の人生を歩くための大前提だ。