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現在地は5ヵ国目・ネパール
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August 30, 2014

That's the Life.

テーマ: ├ネパール


お気に入りの街を後にする最後の夜は、
いつもどうしようもなく切ない。
暮らすように旅をしていると、
ただの宿が自分のお家で、
ドミトリーのベッドは私の部屋になる。

見慣れた日常が、
終わって、始まる。
人生で節目ごとにしか起きないはずのそれを、
めまぐるしく繰り返す。

かばんひとつで旅をしながら暮らすということは、
どこにも属さないようで、
ひとつずつ、全てに属すことみたい。
そうして帰りたい場所が増えていく。

溢れてく一方の想いを、
抱えられるだけの強い私になりたい。

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カトマンズ最後の夜。

見納め、やり納め、食べ納め。
だいたい最後の日はそんな思いでいて、
大抵何もできない。
何をしていいかわからなくなる。

それでも、
この街の喧噪をカメラにおさめようと街にふらふらと繰り出したら、
狭い路地をひしめくオートバイのひとつが、
私の体真横を突っ切って行く時に、
手にしていたイヤホンを引っ掛けて走り去った。

イヤホンはちぎれた。




私のそのお気に入りのイヤホンは、
もちろん全然安くないし、
そんなクオリティのイヤホンが、
ここあたりの国で手に入るとも思えなくて、
とっさの出来事に私は泣き崩れそうになった。


私にとって、
この旅において、
音楽はとても大切な友人だった。

話し相手も居ないところでも、
感情を分かち合える存在だった。

移動しながら、街を歩きながら、
ベッドに入りながら、
音楽を聴くことはある種の支えだった。


とにかく買わなくては、
なるべくきちんと聴けるやつを。
そう奮い立たせて街を歩いていたら、

ニールにばったり会った。



ニールは、何週間か前に、
私が曼荼羅のタンカ絵を買ったお店の店主で、
それから孤児院を経営しているネパール人。

彼はチベット仏教を信仰し、
私みたいな素人が見てもわかるくらいに、
とても平和で愛に溢れたオーラを放つ人だった。


私を見た瞬間にニールが言った。

「エイミー・・・オッケー。何かあったんだね。どうしたんだい?」

尋ねるニール。

ことの顛末を話しながらついに泣き出した私を、
申し訳なさそうな顔で見つめながらニールが、
「ごめんね。」と謝る。

ネパールでそんな想いをさせて申し訳ない。僕が謝るよ。

そう言ったあと彼はイヤフォンが買えるお店がある通りを教えてくれた。

「もし買えて、気が向けば、僕のお店にまたおいで。お茶をご馳走しよう。」


たかがイヤホン、ただの消耗品なのに、
長旅の荷物のひとつひとつは貴重。
もちろんお金も貴重だから、無事に換えが手に入っても、
私の心の凹みは簡単には直らなかった。

だから私はニールに会いに行った。



たわいもない話をしながら、
ふとニールの右手に、
出来たばかりのひどい火傷の跡があることに気づく。

「ニール・・・それどうしたの?」

と驚きながら聞いたら、ニールは笑いながら答えた。

「孤児院で子ども達に料理を作ってたら油が飛んだんだ。
でもこんなことどうってことない。何も失っていやしないさ。」

ニールのその言葉が心にささる。

自分の心をいま霞めている思いの、
なんてちっぽけで浅はかなことだろう。


「そうね。全てに意味はあるよね。
イヤホンなくして悲しいけど、
なくさなかったらあなたに再会していなかったよね。
ありがとう、ニール。
お陰ですっかり心が元に戻ったよ。
それから私、明日の朝この街をでるんだ。」

そう言うと、ニールは悲しそうに笑ってみせた。

「そうか。素敵なことだね。
きっと次ぎの街でも、素敵な出会いが待ってるさ。」


そうだ、と何かを探し始めたニールが、
ふと棚から取り出したペンダントを私にくれた。


「昨日、たまたまこのペンダントを通りでみかけて、
誰かにあげよう、と思って買ったんだ。
でもあげる相手は特にいなかったんだ、不思議だろう?
でも今わかったよ、これは君へのプレゼントだ。
イヤフォンは本当に申し訳なかったけど、
そのお陰で僕は最後に君に会うことができたね。
でもエイミー。これが人生さ。」

That's the life.

彼はそう笑いながら、
チベット語で平和を願う文字が書かれたそのペンダントを私にくれた。



「こういう時は、さよなら、とは言わないんだ。
じゃあまたね、って言うんだよ。また会える、そうだろ?
それが人生なんだ。」




私たちは笑顔で、またね、と言って別れた。
また明日にでも会えるくらいの感じで。



これが人生。

そうであるなら、
私はきっとまた、ニールに出会えるだろう。



宿に戻ってから、私は五円玉を使ってブレスレットを作った。
それから、もう閉まってしまった彼のお店に行って、
ドアの隙間からそっとそれを入れた。



またね、ニール。
またね、カトマンズの街。
またね、仲良くなったカトマンズのみんな。



明日の朝一で、次の街へ行くよ。
日本で待ってくれている大切な人たちがいるから、
そして、そのさらに先に、あなたたちにまた会える日があるから、
前に進んでいかなくちゃ。



That's the life. right?




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