カレが私の部屋にくる♪
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小説、「カレが私の部屋に来る♪」にちなんで・・・
今日は、大学時代のお話・・・・
どうしよう、カレが部屋に来たいって言うの===!
あれは、大学1年の秋・・・・
私は、息せき切って、
同じアパートの2階に住む友達の部屋に、かけこんだ。
「リサ、どうしたの?悲痛な顔して」
「カレが部屋に来るの。何か食べたいんだって」
「食べたらいいじゃん」
「何を食べさせたらいいの?」
「何でもいいじゃん!」
何でもいいじゃん・・・・
そう言われても。
古い読者の方なら、もうお分かりのように、
当時の私は、料理経験、ほぼゼロ。
味噌汁どころか、
魚も満足に焼けない女だった。
それに引き替え・・・
実家が懐石料理屋というその友達は、
すぐに店を出せそうな腕前だったから、
私のパニックぶりが
分からなかった訳だ。
しかし・・・・
いや、待てよ・・・・
と、ふと、私は、思った。
「ねえ・・・」
「なに?」
当時、料理ができない私のために、
彼女は、よくご飯を作ってくれていた。
しかしながら、
見方を変えると・・・
彼女のご飯を食べる習慣がついてしまったため、
私は、料理ができないままだったのだ。
ということは・・・・
彼女にも責任があるのではないか。
「というわけだから、作って~~~~」
「え~~~なんで私が!」
強引な理屈をつけて、私は、
彼女に料理を作ってくれるよう懇願。
カレが来るまでに、
私の部屋の台所で、完成させてもらうことになった。
ジュ~ジュ~~~~ジュ~~~~
「いい!リサがいずれは作るんだからね」
私の部屋に来ると、
すぐさま、あらかじめ自分の部屋で細かく切ってきた野菜と、
鶏肉を一緒に手早く炒めていく彼女・・・・
「ありがとう、一生恩に着るよ」
私は、彼女の肩をもんだり、
コーヒーを入れたりして、
ごきげんをとった。
ピンポ~~~~ン!!!
彼女が部屋を出た3分後に、カレが到着。
間一髪だった・・・
「お~~~うまそうな匂い、なんか作ってくれたの?」
「うん!座って!座って!!!」
椅子に座るようにカレをうながし、
机の上に、漬け物や、サラダを並べ、
メインの料理をよそう。
「冷めちゃうから、熱いうちに食べてね~」
って、作ってないくせに・・・
「いただきま~~~す」
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
「すげ~~~うまい!!!」
「ほんと~~~~!うれしい~~~~!!!」
って、作ってないくせに・・・・
心の中で突っ込みを入れながら、
私も、料理を口にする。
・・・・激うまだった。
と、ここまでは、
よかったのだが・・・・
「ねえ、リサちゃん、これ何入ってるの?」
「え・・・・」
「鶏肉と、ピーマンと・・・あと何?」
「え・・・・」
あろうことか・・・
カレが、レシピに興味を持ったのだ。
「・・・・ひ・み・つ!」
「なんで?教えてよ」
「ひみつなの・・・・」
今、思えば、そこには、
たけのこの水煮や、ニンニクの芽が入っていたのだが、
当時の私には、
シャキシャキした白いものと、ニラではない何か・・・・
という判断しかできない世界。
おまけに、あんかけ風で
ソフトフォーカスされた角切り野菜たちを
判別することは、不可能に近かった。
「ひみつ・・・・」
「なんでだよ~~~~!!!」
「ひみつだって、言ってんじゃん!」
「っていうか、おかしくねえ?おまえ!」
次第にカレは、怒り始め、
美味しい時間は、台無しに。
私は、相手に、
「意味もなく、レシピを秘密にする頑固女」
という印象だけを与えた一日だった。
その夜、
古いことわざを身をもって学んだ。
「身から出たサビ」
ちなみに・・・・
最近、あのレシピに挑戦してみたのだけど、
やはり、彼女の味は出せないままだ。
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