正しい階段の登り方⑩
テーマ:ブログ最終話の更新の時期と同じくして現在の状況に至っていること、これは運命のいたずらとしか思えない…。
奴らの動きがまさかこんなにも早いとは…結果として我々が階段を軽視しすぎていたという反省だけが残る。しかし今さら後悔しても遅い。
そして素人向けに発信していた階段の基本的な説明用のこのブログのアップが我々の最後の仕事になろうとは…。最終話ですべき内容の事、つまり読者の方へきちんと正しい階段との対峙の仕方と攻略法を伝える事…、その可能性が今潰えた事態を、いち科学者として本当に申し訳ないと思う。
しかしもう書いている時間はない。
我々の計画は1ケ年だった。
1年間活動するための地下基地を作り、デクノ化してない人間と連絡をとるネットワークを作り上げ、正しい階段の登り方をここ以外でも多くの人間に水面下で示唆し、1年後には蜂起の狼煙が各地であがり、この世から1段残さず階段を抹殺する…
はずだった…。
しかし結果、計画開始からわずか約一ヶ月でこの地下本部まで攻め込まれようとは…
①~⑩話で即席的ではあるが完結するレクチャーすら完遂できないとは…
奴らはもうそこにいる。
地下18階、我々を守っている最後の扉の向こう側ではバイオハザードと化したデクノスティック達が声色を変え、薄ら笑いを噛み殺しながら扉を開けさせようとしている。
ドンドン!!
「開けろコラァ!」
「マモル、お母さんよ、開けて」
「先生は開けてくれると信じてるぞ」
…。
開けたら最期、用意された簡易型デクノ用階段(我々が脚立と呼んでいるものだ)を登階させられ、数分後にはデクノスティックだ。
しかも我々の誤算は階段のリサーチ能力の軽視、これだけはなかった。階段を固定物と決めつけていた事も間違いだった。
奴らの武器は目だけ…、そんなことはなかったのだ。階段にとって目はただの呼吸器にすぎない。
彼らの真の武器、それは自由自在に何にでも姿形を変えることができるトランスフォーマーである、という事だったんだ。
必要に応じ、時には戦闘機に、ある時は箱ティッシュに、本気を出せばカミナリにだってなれる。
後悔だけが残る。デクノスティックであるマイケル・ゲイ監督が、なぜあの映画を作れたかを疑問に思わなかった事を。モチーフが何だったのかを考えれば解ることだったのだ。
「エージぃ!、久保島ぁ!、オレの電ノコ、ソッコー持ってこい!」
扉の向こうからそんな叫び声が聞こえた。
我々は間もなく扉を越えられ、デクノスティックと化する事だろう。
しかし忘れないでほしい。
静かに地下で戦っていた人間がいたという事を。
知らぬ皆が食事をしてる時、タバコを吸っている時、ブログを更新してる時、人類の存亡を賭けた戦いをしていた人間がいたということを。
我々人間はこの地球に存在する権利がある。ここで生き延びる義務がある。人間の種として一人になるまで戦う必要がある。
今は負けるかもしれない。ただこの不屈のスピリッツは、人類最後の一人をデクノスティック化するまで不滅なのだ。
もうすぐ扉が開く。
しかしこれは終わりではない。
この文章を読んだ誰かが、新たなるレジスタンスを起こしてくれるはずだから。
そう私は信じてる。
扉が開いた時、我々は勝ち誇りながら自ら脚立を登るだろう。人間の尊厳と勇気、それが果てしなく繋がると信じて…。
ここまで読んだ?
①から⑩までちゃんと読んだ人!!
お疲れ様でしたぁ!デクノ化文字数クリア、概要教育オッケーでぇす!
そしてようこそ!
えっ、何がって?
先述してあったじゃん!
階段は何にでもなれるって!
僕はとっくにデクノスティック。
当然この場所の内通者も僕。
何にでもなれる階段、当然《文字》にもなれる。
意味わかるかな?
まあ、自己理解できなくても大丈夫!みんな始めは自分で気付かないもんだし!まあ夢遊病者みたいなもんだからさ!
今日から…、いや今からよろしくね!しっかり働こうぜ!
(-_-)(-_-)(-_-)/
ロータリー戦記 第7章
「正しい階段の登り方」 ~完~





