故郷故郷は遠い遠い記憶の中の黄昏色。 カラスがでっかい夕陽を掠めた空に立つ蜃気楼。 思い出なんか残らない。 山の向こう、微かに輝く湖面に映るあの笑顔。 今、優しく包み込む光の粒子に閉じ込めたこの思い。 故郷を、そのすべてをひと思いに吸いこみ、吐き出した。