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私はベッドから身をのりだし、肩をふるわせて泣いているようにも見える彼を抱きしめ。


「ありがとう」と呟きました。


辛い出来事をぜんぶ話してくれて、

身をかえりみずに危険な場所から助けてくれて、

あなたが生きていてくれて。


あの夢について考えました。
あれはきっと死者が生者をあちらの世界へと引きこむために見せたものだったのです。
晃ではなく梓を選んでいれば、こうして彼のぬくもりを感じることなく連れていかれていたでしょう。

そして、願わくば他のメンバーとも生の喜びを分かち合いたいと思いました。

廃墟にイタズラをしかけた梓と留衣に対する恨みや、行方をくらませた耕太への失望はありますが、
その無事を祈っていないわけではありません。

彼女たちも恐ろしいめにあい、自身のしたことを悔いているはずです。
できるのなら、前のようになんのわだかまりもなく笑いあえる関係に戻りたいと、
そんな都合の良い妄想をせずにはいられませんでした。


ノックの音が響き、医師と看護士の女性が病室のドアを開けて入ってきました。


とっさのことに私は驚き、外敵から子供を守る親のように彼を抱きしめる腕に力を入れました。

安全地帯にいる今でも、あの言い知れないほどの危機感をぬぐえないのです。
晃もそれに気づき、もう大丈夫だからと言って私の腕から離れ、医師に視線をうつしました、

「気がついたみたいですね。中谷さん、気分はいかがですか」
「少しめまいがしますけど、あとは大丈夫です。傷の手当てありがとうございました」
「いえ。なにかお困りのことがあれば呼んでください」

医師は晃にむかって「篠塚さん、外で……」

「はい」

彼は椅子から立ち上がり「小夜……のこと、よろしくお願いします」深々と頭をさげて、そう言いました。

「えっ、晃どこに行くの」
「すいません。なるべく早く戻ってきますから」
「待って。いかないで」と晃の腕をつかんで言いました。



もう二度と会えないような、漠然とした不安を彼の言葉から感じたのです。

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