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その些細な変化を追求すべきなのか気づかないふりをするべきなのか、一瞬迷いました。

彼が隠すような事柄ですから知らないほうがいいことなのでしょう。
ですが、猜疑心を隠したまま日々を過ごすことなんてできそうにありません。

私は上半身を起こして晃をまっすぐに見つめ「嘘、ついてるよね」

「なに言ってるんですか。ついてませんよ」
「じゃあ、答えて。私はなんでここにいるの?」
「それは、みんなと肝試しにきて怪我をしたからで」
「何人で? 誰がいた?」
「俺と小夜さん、梓先輩に留衣先輩、耕太がいました」
「病院に入って何をした?」
「みんなで院内を見て回ったあとでバラバラに動きました。
そのあと、薬剤室だったところに集まって留衣先輩が地下施設の話をはじめて……」

彼が言葉をつまらせました。

「留衣が床にあった扉の鍵を開けて中へ入った。そこから、施設の中を散策――」

やめませんか、という静止の言葉に耳をかたむけることなく、口の中に広がる痛みも忘れて。
「あれから、どうなったの。最後の部屋で犬を見つけて晃が噛まれて……」


晃の腕に巻かれた包帯に視線を移すと、彼はそれに気づいたのか傷を隠すように腕を組みました。


「それで……」
「別にいいじゃないですか。無事に帰ってこれたんですから」
「よくない、よくないよ! 晃だって分かってるでしょ」

どちらも口を閉ざしたまま見つめあい、しばらくたたずんでいました。

蝉のせわしない求愛行動が窓からもれ聞こえ、室内にはからみつくような湿気が充満し、
にもかかわらずのどの奥は乾燥して水分を求め、それらすべてが連なり言い知れない不快感となって私を襲います。

場の空気にたえきれず、もういい気にしないでと言いかけた刹那、
彼が大きく息をはきだして、聞くと後悔するかもしれないですよと前置きを述べました。

「かまわない」
「分かりました」



淡々とした抑揚のない調子で、晃は自らの身に起こったことを話してくれました。

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