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晃と梓の意見は食い違うことなく一致しています。
彼が耕太を殺したのは真実なのかもしれません。

ですが、彼を問いつめたところで耕太が蘇るわけではないのです。
死んでしまったものはしかたがないとあきらめ、いかに生きのびるかを考えなければならないのです。

生存するためにはドアを開けて外にでるしか方法はありません。
そのあとで第三者の視点から事実を検証してもらいましょう。


たとえ、彼の残虐な行為が証明されようとも――。


すぅはぁ、という呼吸音だけが木霊する暗闇のなかで、私の思考はひどく冷たく静かに機能していました。
『耕太以外は全員助かる』『事故なのだから晃が捕まるわけがない』
と漠然としたなんの根拠もない思い込みを盲信していたからでしょう。

「梓、立てる?」
「……は? なに言ってんの。立てるわけないでしょ」

地上へとつづく階段はせまく急勾配でした。足が折れていてはのぼれそうにありません。

「わかった。あとで私が肩をかすわ。それで、もうひとつ聞きたいんだけど留衣がどこにいるか知らない?」

梓は少し沈黙したあとで答えました。

「知らないわよ……。近くにいないから私とは反対の方向にとばされたんじゃない」
「うん。探してみるね」

私は立ちあがり、壁沿いに部屋の左隅の暗がりへとむかいました。

中央を通って晃に近づくことは怖くありませんでした。彼の怪我の状態ならドアを開ける助けにもなるはずです。
ただ、そうしてしまうと梓を刺激しかねないと思いました。

無益な争いは死に直結します。
精神的にも肉体的にも疲労している彼女にこれ以上負担をかけるわけにはいきません。
留衣が無事であることを祈り、ふたりでドアをなんとかするしかないのでしょう。

壁に手をつき、もう一方の手にある携帯電話のうす明かりで足元を照らしながらそろりそろりと進みました。
右隅に近づくにつれてきぬずれのような音が聞こえてきました。それは小刻みに震えているようです。
晃や梓がいるところから鳴っているのではありません。彼ら以外の生存者が発しているものです。

部屋の隅にぼんやりとした黒い影がありました。とても窮屈な体勢で体育座りをしているように見えます。
明かり消して暗闇にやさしく話しかけました。



「留衣なんでしょ」

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