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私は彼らの会話に割りこんで。

「いったいなにがあったの? 私にも分かるように説明してよ」
「……部屋のまんなかあたりに耕太がいるわ。小夜は明かりを持ってるんだから確かめられるでしょ」
「彼になにかあったの?」
「うるさいわね! あんた聞かないとなにもできないの?」
「えっ……」
「いいから早く行きなさいよっ!」

右奥の暗闇から怒声が響き、私はそれに驚いて身をすくめました。
彼女の精神も不安定になっているのでしょう。
これ以上刺激するわけにはいかないと考え、無言のまま部屋の中央へむかいました。

携帯電話の薄明かりをたよりにすり足で少しづつ進むと、足先にやわらかいものが触れました。

布がすれる感触もしたので犬ではないでしょう。
嫌な予感がします。すぐに、しゃがみこんでそれに光をあてると足をこちらにむけて倒れている人間がいました。

腰までさげられたジーンズに派手な色のスニーカー、耕太が着ていた衣類です。
耕太くん、と名を呼びながら足をゆすってみたのですが反応がなく、そればかりか体温も感じられません。

私はたまった唾を一気に飲みこみ、彼の上半身が見える位置まで移動しました。
顔があると思われる場所を照らし、私は唖然と立ちつくしてしまいました。


そこには人の頭と呼べるものはなく、

赤黒く彩られた楕円形の物体が白くなった首につながり、

まるで無垢な子供が頭のない人形に異物をつけたかのような状態でした。


鼻はつぶれ、耳は裂けて取れかかっており、頬やあごはうっ血して紫色をしています。
周囲には毛髪と黒くにじんだ血液、小さな肉片、塩辛のような脳髄が散らばっており、
冷たい床には血のついた頭髪をこすった跡があります。

『彼』であったものの近くに獣の死体も残されていました。
顔は彼と同じくつぶされ、首のぶぶんが半円をえがくように折れ曲がっており、今にもとれてしまいそうです。

大きく開け放たれた口からよだれと血液がまじった粘液状の汁がたれていて、
それは心を蝕む真紅の斑点模様を床に描いていました。

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