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声を荒げましたが、応えてくれる者はおらず、物音さえもしません。
耳をすまして人の気配をたしかめようとしました。しかし、かすかに感じられるのは自身の息づかいだけです。

私は本当に見捨てられたのかもしれない、少ない情報からその結論に至ることはできました。
ただ、それを素直に認めることはどうしてもできませんでした。
他の3人はともかく晃だけは私を助けてくれると信じていたからです。

彼らは何か事情があって私の呼びかけに答えられないのではないか。だから返事ができないのかも――。
冷静にならなければいけない。意識がはっきりしている私が取り乱してしまえば事態はより悪化してしまう。

あれこれと考えた結果、私はひざをついてよつんばいになり、手探りで携帯電話を探しました。
液晶画面のバックライトやカメラのフラッシュ機能が懐中電灯の代わりになると思ったからです。

部屋の出入り口や、晃たちの状況を目視できなければ脱出どころではありません。
それはほどなくして見つかったものの、画面は割れ、数字キーの部分は踏まれて押しつぶされた状態でした。
ただ、液晶画面の三分の一はかろうじて機能しており、微弱ながら明かりとして使えそうです。


携帯電話を前に突きだし、何かにひっかけて転ばないようにすり足で暗闇の中をゆっくりと進みました。


しばらくして壁につきあたったので足元のごみを払ったあと、手近にあったガラス片を二、三枚重ねて目印にしました。
こうしておけば壁沿いに部屋を一周したとき、自分がどこにいるのかがわかるはずです。

壁を正面にした右側には鉄製の棚が置かれていたので、障害物のない左側のほうにむかいました。
少し前進したところで部屋の隅に人の気配を感じました。耳をすますと微かに息遣いが聞こえてきます。


だれかいるの、と声をかけました。


応答はありません。


晃の名前を呼びました。
続けて梓の、留衣の、耕太の名前も呼びました。
やはり反応がなく、私は怖くなってその場に立ち尽くしてしまったのです。

返事をしてくれないのはなぜなのか、もしかすると私たち以外に別の人間がいるのか、
あるいは廃墟に住み着いた幽霊なのか――
考えがまとまりません。頭がおかしくなりそうです。


しかし、逃げるわけにもいきません。


私は深く呼吸して気を落ち着かせると、一歩、また一歩とそれに近づきました。
距離が縮むにつれて心音も早くなっていきます。

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