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私はすでに気づいていました。ただ、考えないようにしていただけです。
その可能性があることを。

「実験動物の生き残り……」留衣がそうつぶやくと、私たちはしばらく沈黙しました。

真実であるなら許されざる行為です。
暗闇に取り残される痛ましさ、置き去りにした病院関係者への怒りを感じました。


ただし、疑問も残ります。


この犬はどうやって生き延びたのでしょうか。
地元の人から病院の名前が忘れられているくらいです。

廃墟になってからかなりの時間が経っているでしょうし、
地下施設には水や食料を得られるような場所はどこにもありませんでした。明らかに不自然です。

もしかすると施設のどこかに抜け穴のようなものがあり、外と繋がっているのかもしれません。
そうなるとやはり野良犬であるような気がします。迷いこんで出られなくなったのでしょう。

無言のまま晃が私のもとへとやってきました。
どうするの、と問うと連れて帰ろう、と答えました。
そうだね、と私は柔らかな口調で言葉を返しました。

私はからっぽの檻を適当なところへうつし、犬を抱き上げようとしました。
しかし、晃がそれを制して。

「おれが運びます」
「でも……」
「幽霊よりはマシですよ」彼は苦笑いを浮かべながらそう言い、犬に近づいて膝をつきました。

私は少しはなれたところから彼の手元を懐中電灯で照らし、捕まえやすいように支援をします。
それを察した梓たちはひきとめようと必死でした。

「ちょっと、晃くん。やめときなって」
「そ、そうよ、狂犬病かもしれないでしょ」
「まじでやめとけって!」

犬は怯えているのか、唸り声をあげて彼を睨みつけてきます。

「やめなさいって言ってるでしょ。聞こえないの」
「梓先輩。そんな大きい声出さないでください。こいつ怯えてますから」
「あ、あなたはどうなのよ」
「……別になんともありません」

近くにいる私には、彼の手が震えているように見えました。
本当は逃げ出してしまいたいほど怖いのです。
強がっているだけなのです。それでもひるむことなく晃は犬に手を差しのべました。

「やっぱり危ないよ。無理しないで」



「心配しないでください。このくらい――」

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