ノベルゲームセンター

ノベルゲーム 無料 フリー


テーマ:
--------------------------------------------------------
最初から読む(目次へ)⇒

--------------------------------------------------------
私たちのやりとりを見守っていたふたりにも事情を説明し、私、晃、梓、留衣、耕太の順に階段を下りていきました。

コンクリート壁に囲まれた通路は中腰にならないと進めないほど天井が低く、
所々に電球が取りつけられていた跡があります。
それを避けながら暗闇の中を進むと徐々に天井が高くなってゆき、
階段を下りきったころには広々とした廊下になっていました。


地下は表の蒸し暑さとは裏腹に涼しく、乾燥していました。


懐中電灯であたりを見まわすと、医療機関であったと思われるものがいくつか残されていました。
乱雑にばらまかれたカルテらしきもの、灰色の事務椅子や机、処方箋や薬剤の袋、
未使用の注射器がいっぱいに詰まったダンボールなどです。

床には残置物が混ぜこぜになって散乱していたり、あるものはうず高く積み上げられていたりします。
白光に照らされたそれは、骨と皮だけになった人間の死体を重ねた屍の山みたいです。

当時使われていた換気ダクトから外気が入ってきているのか、枯れ葉が落ちているのが目にとまりました。
空気はかすかに循環しているようです。


残置物をひとつひとつ見つけていくたび、皆が息を呑んでいるのが感じられました。


だれも口を開くことなく、この場所の惨状を目に焼きつけています。
酸素が薄いのでしょうか、たたずんでいるだけでかるい眩暈がしました。
暗闇の閉塞感もあいまって、まともな神経ではとてもいられません。

それでも私たちは探索をやめることなく奥へと進みました。
得体の知れないなにかに呼ばれたのか、残置物に魅せられてしまったのかはわかりません。

もしかするとこれは夢で、気づいた時には布団の上で目覚めるのかもしれません。
あまりに現実と乖離している――しすぎているのです。

廊下を挟んでいくつかの部屋があり、私と晃は集団からはなれ、
足元を照らしながらそのなかのひとつへ入ってみました。

入り口から縦に長く伸びた部屋で足を踏み入れた瞬間、獣のにおいがしました。
動物園の檻の前とでもいえばいいでしょうか、
鼻を手で塞ぎながら隅のほうに灯りをむけると鉄製の小さな檻がありました。

どれも空っぽになっていたのですが、犬の体毛のようなものや鳥の羽毛らしきものが檻の中に落ちていました。



彼らの末路を考えると胸が痛みます。

--------------------------------------------------------
次の話へ⇒




AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

78さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。