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彼のうしろに隠れていた私にむかって、梓はたしなめるような口調で問います。
「晃くんの意見はわかった。小夜もそれでいいんだね」


私はうつむいていた状態から顔を上げ、梓と目をあわせました。


「どうなの」
「梓先輩、そんな問い詰めなくても」
「晃くんは黙ってて。私は小夜にどうしたいか聞いてるの」
「私は……」とかすかにつぶやき、沈黙しました。

不吉な予感がします。行きたくはありません。
しかし、このまま帰ってしまうことが正しいとも思えなかったのです。

嫌なことから逃げ、だれの力もおよばない場所に身を置いたところで何が得られるというのでしょうか。
ストレスのない生活でしょうか、それともあのアパートの暗闇に潜んでいるだけのみじめな生活でしょうか。

世の中は優しくないのです。生きているかぎり不安や虞のない生活をおくることはできないでしょう。
かといって、自分の殻に閉じこもり、世界から目を背け続ける生活には二度と戻りたくありません。
私は知ってしまった――晃がいるこの世界に希望を見つけてしまったのです。

彼と共に生きるためには強くならないといけません。だから現実にむきあい、戦うことを決めたはずです。
ここで逃げるわけにはいかない、と私は決意しました。


「行く」


晃は心配そうな顔で「小夜さん。本当に……」
「大丈夫だから」
「おっけー、そうこなくっちゃ。じゃあ、順番は――」と言い、梓は何か閃いたという表情をしました。
「どうせならさ、小夜が先頭を歩いてみない」
「私が?」
「それはさすがに危ないですよ!」

私は少し考えたあとでいいよ、とつぶやきました。入ると決めたのです。
それくらいの覚悟はしています。

「いや、でも……」
「晃くん。小夜が頑固なのは知ってるでしょ。こうなるともうだれが止めても無駄よ」
「だからって、そんな危険なことさせられません」
「心配しないで、これでも勘はいいほうなの。それに、危なくなったらすぐに晃に抱きついて逃げてもらうから」
「なっ……」
「これはさすがに反論できないわ」梓が笑いながらそう言いました。



晃は納得していないようですが、それ以上反対もしませんでした。

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