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梓が興奮気味に「ちょっと留衣。それってもしかして」

「雑誌関係でこの病院の元看護師に会ったんだけど、その時に交渉して売ってもらったのよ。
この下にある研究施設に保管されていたデータや資料は移動されたり、
破棄されたりしたみたいだけど、まだおもしろそうなものが残ってるかもしれないわ」

耕太が喜々と叫びます。
「すげぇ。やっばいわ……ガチで興奮してきた!」

彼の高揚する姿とは裏腹に、私はどこか冷めた様子で事の成り行きをうかがっていました。
スリルを味わうためにきたのですから、実験が行われていたとされる地下施設に興味がないわけではありません。
ただ、鍵を開けて中を探索するほどの場所だとは思えなかったのです。
それに、地下室という閉鎖的な空間へ行くことで、あの症状が再発する可能性がありました。

「留衣先輩、早く入ってみましょうよ」
「ええ。その元看護師がお金欲しさに嘘をついてないと」
留衣はそう言いながらしゃがんで「いいけど」南京錠に手をかけます。

耕太と梓が懐中電灯で鍵穴を照らし、手元を見えるようにしてから留衣は開錠作業をはじめました。
そして、いやにあっけなく地下へと続く道が姿をあらわしたのです。


意気揚々と梓が「だれから入る?」


「地図もなにもないからね。耕太くんが先に行くべきじゃない」
「えっ、ちょっ、俺っすか」
「留衣に賛成」
「嫌ですよ。置き去りにする気じゃないですか」
留衣と梓が同時に「なんでわかったの?」
「うわ、最悪っ」

彼らに声をかけようか迷っていました。
明確な根拠はないのですが、そこに行くべきではないという感覚がしたのです。

「本気ですか」と晃が問います。
「ここまできたら行くしかないでしょ。あんたたちは?」
梓は私のほうをちらりと見たあとで「どうする? ここにふたりで残っててもいいけど」

私は無意識に晃の腕をつかんでいました。
その行為が拒否という意志表示になったのでしょう。
彼はなんでもないという表情で「俺たちは下の車で待ってますよ」と言ってくれました。


たった一言、行きたくないと伝えればいいだけなのに、私はうまく言葉にできません。


怖いのです他者の意見を拒絶することが、


それによって他者から拒絶されることが、どうしようもなく。
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