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耕太はふてくされながら廃病棟に足を踏みいれ、私たちも彼に続いて中に入りました。

見取り図には正面玄関からつづく長い廊下が描かれていて、それは左右に何度も折れ曲がっており、
廊下を挟むかたちで病室や診察室、シャワールームの跡がありました。

私たちはナースセンターを横目に廊下を進み、各部屋を覗いていったのですが、
実際に目にしてみるとどれも昔の面影は薄く、壁紙の白い破片がコンクリートの床に
散らばっているだけで別段変わったものはありませんでした。

薬品のにおいもしませんし、カルテや注射器といった医療廃棄物もないのです。
それらの医療器具は病院関係者か土地の管理者が処分したのでしょう。
残されていれば不気味な雰囲気がかもしだされていたかもしれません。


ひとしきり廊下を歩き、つきあたりにある院長室に入りました。


間取りは他よりも広いのですが、ここにも興味をそそるようなものはありません。
噂になっていた大きな音が聞けるわけでもなく、子供や院長の霊が現れる雰囲気でもないのです。

不完全燃焼とでもいうのでしょうか、じつに張り合いのない心霊スポットです。
気の抜けた私たちはそこで雑談をはじめました。

梓がお手上げという仕草をしながら「びっくりするくらい期待はずれ」

「そうよね。イるって感じもしないし、空気も淀んでない」
「しっかし、うっせえなぁ」と耕太があきれながら耳を塞いでいます。
翅に発音器をもつ虫たちが外の草むらで演奏会を開いているようです。彼にはそれが不快な音に聞こえるのでしょう。

「ねぇ、留衣。これだったら個人行動しても問題なさそうだよね」
「私は別にかまわないけど」
「それくらいしないと、なにもおこらないと思うし。じゃあ、行ってみるか」

梓はそう言って廊下へでていきました。あとを追うように耕太が院長室をはなれます。

彼は梓に好意を持っているのか、彼女を頻繁に遊びに誘っていました。
まったく相手にされていないようでしたが。

「さてと。邪魔者は、写真でも撮ってこようかな」
「そんなことないですよ」
「はいはい。晃くんも怖がってないでお姫様のことしっかり見ててね」



留衣もいなくなり、ふきさらしの室内には私と晃のふたりだけが残されました。

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