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「とにかく、中に入ってみよっか」

私たちは車から人数分の懐中電灯を取りだし、ネットから印刷した病院の見取り図をそれぞれに配りました。
まわりが木々や雑草に囲まれているため電灯によってくる虫が多く、やぶ蚊の不愉快な音も聞こえてきます。
刺されないよう虫除けスプレーを全身にかけ、携帯電話で時間を確認しました。

時刻は午後七時をすぎたあたり。
電波はほとんどなく、一本しか立っていません。


空は群青に支配され、霞雲に透過された三日月の弱々しい輝きが、私を少し不安にさせました。


私たちが駐車した場所は病院のある小さな丘の下にあり、
そこからコンクリートで舗装された道をのぼることになりました。

道は病院が利用されていたころに作られたもので、所々ひび割れていて中から雑草が生えています。
亀裂に足をとられないよう慎重に進んでいると開けた平地にでました。

そこは土地の持ち主が管理しているのか、背丈が整えられた芝生がしかれていて、
近くにある木の根本にはマナーの悪い見物人が捨てていったと思われる
スナック菓子の包装紙や空き缶が散乱していました。

手持ちの電灯で奥のほうを照らすと建物がぼんやりと浮かびあがってきました。
白いもやのかかった蜃気楼のようなそれは、私たちが近づくにつれて鮮明になっていきます。

ありふれた白い外壁と柱、風通しのよさそうな窓跡、
長いツタをもつ植物が侵食しているところもありましたが、他には目立つところはありません。


まるで、建設途中の建物を見ている感じです。
おどろおどろしいというより、どこか寂しげで、何か大事なものが抜けてしまっているような印象を持ちました。


梓がつまらなさそうに爪を触りながら「なんだ、たいしたことないかも。このくらいなら小夜も平気でしょ」
「うん」
「私と留衣にはちょっと物足りないわ」

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