デザイナーとエンジニアの視点をもつ山中俊治ディレクションによる「骨」展。
21_21デザインサイトは初めて行ったのだった。
今回のこの「骨」展は、工業製品の機能と型との関係をさぐっている。
そのためテクノロジーを駆使した作品が多い。
それらはたいへん未来的で、いや、思うほど未来的ではないのかも知れないけれど、わたしはデザインより先に、その作品がどういう原理で動いているのかということの方が気になったのだった。
『美術手帖2006年4月号』で山中俊治はこんなことを言っている。
「科学は客観的な知識の共有化を求めていて、アートは共感とか分かちあえる価値を求めている。
それがひとつのプロダクションの中で出会うのだ。」
また、それらはアートとテクノロジーとの融合というより、両者の接点を見極めていかに摺り合わすかなのだと言っている。
工学部出身でありながら、絵がうまかった山中は最初自動車会社にデザイナーとして入社している。
まず技術があって、それが人に役立つような工業製品になる。
しかし、それはただ単に役に立てばよいというものでもなくて、見た目の色や型、肌触りなども重要な要素だと思う。
工業製品を購入する時、その中身とか原理とかはまったく考えないで購入しているのが普通だろう。
この「骨」展は、表面的な美しさを求めて骨格を隠蔽する傾向に対して疑問を投げ掛けている展覧会でもある。
ヒトなら誰もが持っている「骨」から工業製品の持つ「骨」について考え、また工業製品の外見だけでなく、中身についても思いを馳せることを喚起させられたのだった。
そして、これらの展示物にはいろいろな「ヒント」がちりばめられているから、どの分野の人が観ても楽しめるように思った。


