今回読んだ「TIGER  MASK ―シャドウ・オブ・ジャスティス―」は、現在放映中の深夜アニメ「タイガーマスクW」の放映に先駆けて連載されたものをまとめたもの。



オリジナル原作 梶原一騎・辻なおき
シナリオ 小林且典(企画屋)
漫画 長田悠幸
全2巻完結。

アニメに先駆けてとはいってもアニメ自体と関連はなく、アニメの方は昭和に放映された「タイガーマスク」の続編として製作されているが、こちらはタイガーマスクを下地にした近未来SFとしてタイガーマスク=伊達直人をはじめ〝アザーズ〞という異能者達を使い、組織としての正義と個としての正義をテーマに描かれている。

21世紀初頭、人類の中に突如発生したアザーズ。
人と違う力、アンリミットを突然持った事にはじめは戸惑っていた彼らの多くがやがて犯罪に走り、遂には世界中で自爆テロを敢行して人類を混乱に陥れた。
そんななかで同じアザーズでありながら、その力を正義に使う者達が現れた事で混乱は収まり平和を取り戻した。
そんな彼らを人々は〝ヒーロー〞と呼んだ。

アザーズによって破壊された都市には日本も含まれ、ヒーローを束ねて組織されたヒーロー団体「タイガーズネスト(虎の穴)」によって守られている富裕層が暮らす新都・シティとそこに住めない人々が暮らす旧都・スラムに分かれた。

孤児であった直人はアザーズ資質があった事から幼い頃にネストに引き取られ、育てられた。


ネストの施設ではアザーズ資質を目覚めさせる為、肉体的にも精神的にも多くの負荷がかけられながらネストの正義を刷り込まれていく地獄のような日々を過ごした。
同じように引き取られたたくさんの孤児達が3年経った頃には5人しか残らないような過酷な施設を首席で卒業した直人は、ネストの下部組織のひとつであるザ・クロウに配属された。
下部組織は民衆の目に触れさせたくない事件を秘密裏に解決する実行部隊で、ここで認められるとヒーローに昇格できる。

ザ・クロウではコンビで行動する。
直人がコンビを組むキリヤマアヤネ

はふだんの行動はすべてにおいてだらしないが、いざ任務となるとクロウ席次1位の実力を発揮し、動物的な直感と行動力でどんな事件も解決してしまう。


だが彼女はその独特な思想と問題行動の多さからヒーローへの昇格を見送られ続けてる異端児でもあり、模範生だった直人はアヤネのお目付け役も兼ねて組まされたようだが、コンビとしての相性はよく、ザ・クロウの中でもトップグラスの成績を収めていたが、その多くがアヤネの服務規定違反によるものだった為、ふたりのヒーロー昇格は見送られ続けた。

直人がクロウに配属されてから2年が過ぎた頃、直人はアヤネに付き合わされてスラムをパトロールする。
スラムのパトロールは任務外だが、アヤネの身勝手にみえる行動の裏には必ずアヤネにとっての正義がある事をわかってきてる直人はアヤネがスラムの孤児院出身で、ネストの服務違反をしながらもその孤児院の孤児達を守っている事をはじめて知り、陽の当たらない優しさをもつアヤネに愛を告げる。


ヒーロー昇格を見送られていた直人もようやく虎のマスクを授かり、タイガーマスクという名のヒーローとして、

シティはもちろんスラムに迄TV中継されるくらい人気のある、リングでヒーローがクリミナルアザーズ(犯罪能力者)を試合形式での公開処刑「ネストショー」でデビューし、それ以後シティに出てはアザーズを狩るヒーローとして活躍する日々を過ごした。

ある日タイガーズネスト極東支部総支配人であるミスターXから極秘任務を依頼される。
通常ヒーローはクリミナルアザーズを拘束するのだが、今回は下部組織の手に負えない凶悪なテロリストである為、TV中継は入れずヒーローが抹殺するという異例の任務であった。
しかし抹殺対象が恋人のアヤネである事を知ったタイガーは驚きを隠せなかった。



雨の降るスラムでふたりは再会し、

事情を聞く直人にアヤネは「世界を敵に回したら世界を壊せるだけの力がないとどうにもならない」と答える。
アヤネは直人がヒーローになった後も自分の正義を貫き、クロウでの任務の合間にスラムで慈善事業を行うだけでなく、倉庫からこっそり悪魔熱のワクチンを持ち出し孤児達に配っていた事がネストに知られ、ミスターXから呼び出された。


てっきり咎められるかと思っていたアヤネにミスターXはこれを許し、それどころか悪魔熱のワクチンを大量に渡して孤児達に配るように促した。
これをミスターXの厚意と素直に受け止めたアヤネは孤児達に配ったが、それはワクチンではなく悪魔熱のウイルスそのものであった。
アヤネの前で悪魔熱に苦しむ子供達。

そこに現れたミスターXから手違いでウイルスを渡した事を告げられ、ウイルスを街に伝染させない為に子供達を保護するという。
そしてこの高熱に生き残れた時にアザーズ資質を持てるという信じがたい話を聞いたアヤネは、タイガーズネストに守られている世界がネストによる自作自演によって造られた事を悟った。

真実を知ったアヤネを抹殺する為にテロリストの濡れ衣を着せ、その刺客として自分が送られた事を知った直人の目の前で、極東支部チャンピオンのレオンによってアヤネは惨殺される。

アヤネを喪いネストの謳う偽りの正義に叛旗を翻したタイガーはレオンと闘うが敗れ、孤児院「希望の家」の前で行き倒れていたところをルリ兄妹と孤児達によって助けられた。

身体が治った直人は昼は希望の家の用務員としてルリ

を手伝い、夜はタイガーマスクとなりスラムのヒーローとしての日々を過ごすが、タイガーがシティで発生したクリミナルアザーズによる宝石店強盗の時にアザーズだけでなくそこに駆けつけたヒーローも倒した現場に居合わせ、さらにその事実をネストが隠蔽し、嘘の画像を流した事からタイガーに興味をもったスラムの情報屋・ゼブラ

がミスターXにタイガーの居場所を教えた事から再び事態が動き出す。

ネストに戻るよう迎えに来たミスターXの誘いを断った

タイガーに、スラムの少女を人質に

スラムで行われている臓器売買の首謀者、クリミナルアザーズに仕立てネストショーのリングに上げ、レオンと対戦させる。

レオンの猛攻によって直人の意識が消えた時、タイガーに異変が起きる。
タイガーの咆哮で会場内の電源がすべて切れ、復旧したライトの下、観衆の目に映ったのはロープに横たわるタイガーと苦悶の表情を浮かべてリングに膝をつくレオンの姿であった。

タイガーは覚えてなかったが、ネストを脱ける時にレオンと闘った時も同じような異変が起き、レオンを倒していた。
ネストの正義の象徴であるレオンはその正義を貫く為にも決着をつけようと、力尽き失神してるタイガーを無理矢理起こそうとするがゼブラが割って入り、

試合前からマフィアとの戦いで毒に侵されていて

勝負にならない事を伝えると、レオンはチャンピオンらしい懐の広さを見せてタイガーを連れて帰るのを許す。

タイガーの異変を見たミスターXは、なぜか薄笑いを浮かべるのであった。

希望の家で寝込む直人に、ミスターXは休む間も与えず、希望の家の子供達に悪魔熱を感染させた。

悪魔熱のワクチンと引き換えにミスターXが出した条件は3日後のネストショーでレオンと再戦し勝利する事であった。
直人はルリに自分がタイガーである事を明かし、希望の家を巻き込んでしまった自分を責めるが、タイガーに助けられた事があるルリはタイガーが、直人がいたから自分も子供達が笑っていられると答えた。


試合当日。
クリミナルアザーズのタイガーがレオンに倒される姿を見たさに集まった観客に混じってルリの姿もあった。
試合が始まり戦いながら「人間は弱く大勢の幸せの為に少数を犠牲にする事にも躊躇する。だからこそ正義の執行人であるタイガーズネストが必要なのだ。力なき者が正義を語るな!」と言うレオンの言葉にアヤネが死ぬ前に遺した「世界を敵に回したら、世界を壊す力を持たないとどうにもならない」という言葉が重なり直人が力を求めた時、マスクが直人の意識を浸食し始めた。
直人がマスクに意識を委ねると身体も変化し始め其までの黄色から真っ黒の姿に変わった。

黒く染まったタイガーは強いというより獰猛になり、レオンの腕を脚を容赦なくへし折り

リングに這いつくばらせた。
それでもまだ攻撃しようとするタイガーを止めようと観戦してたヒーロー達がリングに入ろうとするがタイガーの咆哮だけで弾き飛ばされてしまう。

ミスターXは待ち望んでいた主の復活を喜び、生け贄としてレオンを殺す事を促す。

観客の悲鳴が響く中、レオンにとどめを刺そうとするタイガーを止めたのはルリの声であった。
ルリの「直人さんはそんな人じゃないでしょ!?だってあなたは私達弱き者のヒーローなんだからっ!」という悲痛な叫びに

失われかけた直人の意識が甦りギリギリのところで止まる。

レオンがギブアップした事で誰も望まぬ新チャンピオンが誕生してしまう。
約束を果たすよう迫るタイガーにミスターXは会場の照明を消して場所を移す。
ミスターXが用意したアフターショーは、前に人質にしていた少女の心臓に埋め込んだワクチンを取り出せという一般の観客には刺激が強すぎるものであったからである。

ミスターXは「これが正義であり親愛なる虎への愛だ」と子供達を救うか少女を助けるかの選択を直人に迫るが、そこにゼブラが現れ「愛じゃなくてシナリオだろ?」と言う。
ミスターXはアンリミットでゼブラを殺そうとするが、ゼブラもアンリミットを使い間一髪かわし、直人がタイガーズネストの創始者であったヒーロー・初代タイガーマスクと同じ資質を持っており、ネストは数千のアザーズの中からようやく見つけた、器となる直人の身体を手に入れるには直人の意識がジャマだった為、直人が意識を手放すと初代が復活する仕掛けをマスクに仕込んだ上で直人の心に負荷を与え続け魂をへし折り意識を手放すように仕向けていた事を伝える。
ミスターXの「正義と平和こそネストの理想。初代タイガーマスクこそ正義であり神である。その庇護の下、人類は永遠の平和を享受できる」という狂信的な言葉に直人は「そんな正義は認めない」とミスターXに向かっていく。
ミスターXの眼から出る光線でタイガーの頭部に穴が空き、

身体にも無数の穴が空くがたちまち回復していく。
これを初代タイガーの復活と喜ぶミスターXだったが、タイガーの一撃で倒された。

直人は意識はそのまま初代タイガーのアンリミットをマスクから覚醒させたのだった。

あの後、希望の家では子供達が元気になり餅つきを楽しんでいた。
その中には人質となっていた少女の姿もあった。
直人がマスクから譲り受けた初代タイガーのアンリミットは「吸収と再構成」で、ミスターXを倒した後、少女の心臓からワクチンを取り出すと少女の心臓を再構成させたのであった。
直人の帰りを待つルリ達だったが、ワクチンを取り出す為とはいえ一度少女を殺してしまった自分を許す事ができない直人はみんなに会わず、希望の家の事をゼブラに託して初代タイガーマスクだった男を見つけ決着をつける旅に出る。


直人のタイガーズネスト=スラムに戻る為に。



このマンガを読んでまず感じたのが、タイガーマスクにはやっぱり正統派ヒーローでなくダークヒーローが似合うなという事だった。
この作品でも恵まれた人々が暮らすシティを護るのでなく、人知れずスラムを護る姿が映えるし、犯罪者だけでなくネストのヒーローも倒すという傍若無人さが似合う。

直人のすべてを守る事はできないからこそせめて手の届く範囲のものだけはなにがあろうと守りたいという考え方はアヤネとコンビを組んだ事で、アヤネの考え方から影響を受けたのだろうが、そこをわりとあっさり流してるのもこのマンガのいいところ。
人間ドラマならこういうのを重く描く事で物語に厚みが出るんだけど、このマンガはあくまでヒーローものなのでわざとあっさり描いてるのもちゃんと伝わるしね。

自分的には元々昔の「タイガーマスク」が好きだったのでひいき目にもなるし、おもしろかったが、一般的にはどうだったんだろう?
このマンガ、はじめから連載回数が決まっていたのか人気がなく打ち切りになったのかどちらか微妙な感じだった。
はじめから連載回数が決まっていたならきれいなまとめ方だったと思うが、打ち切られたのだったとしたら、初代タイガーマスクの正体、実はあまり目立たないキャラだったけど、足が不自由なルリの兄だったのでは?なんて勝手に思っている。
初代が病気で半身不随になったっていうのも伏線っぽいしね。


この人のマンガは初めて読んだけど、なんとなくコミカライズ向きの絵柄だなって気がした。
極東チャンピオンのレオンなんて昔のザ・ライオンマンをモチーフにしてるのすぐにわかるし、巻末のスケッチを見てたら、この人の描く「タイガーマスクW」のコミカライズを読みたくなった。

それにしても敵が虎の穴なのはともかくミスターのXがかなり大物扱いされてるのがちょっと気に入らない。
やっぱミスターXはこずるい中間管理職っぽくないとね。(笑)





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ひとつの作品の感想を書く時、その作品が完結してから書くのが自分のやり方だが、稀にそれにあてはまらないものがある。
今回読んだ「閻魔の息子達」は、同じ原作者が書いた「特攻の拓」の生誕25周年記念とやらで生まれた作品なのだが、連載も短期集中で、単行本一冊分、カバーの表にも中の表紙にもないのにカバーの横と奥付けには1巻の表記がある。
続編がありそうな気もするが、企画ものだし、やりっぱなしが得意な原作者なので続きはないだろうと考え全1巻だと思う事にした。(笑)
という事で今回読んだのは、「特攻の拓」の時代劇バージョン的なマンガ。



1791年(寛政3年)神奈川宿━。
11代将軍徳川家斉の時代、前老中田中意次から松平定信に代わり、江戸の町の綱紀粛清が図られ、これにより捕縛を逃れた犯罪者達や江戸表でおおっぴらに遊べぬ大名や旗本などで日本橋からあまり離れていない神奈川宿は異様な活気に満ち、治安の悪化が問題となる。
また、新町と呼ばれる傾城町(遊郭町)ができるに至って幕府は、横浜開港後に設置される神奈川奉行所に先立ち湊町奉行所を新設した。

湊町奉行所筆頭同心・鮎川藤九郎は



十手持ちの拓蔵を連れて



「新町の鬼善」と呼ばれる男に会う為、新町の萬寿楼を訪ねる。
新町の鬼善と呼ばれる鮎川善太郎は



現在は勘当されているが、鮎川家の長男で藤九郎の兄であった。

半年前、藤九郎が南町奉行にいた時、江戸入江町の菜種油問屋に凶賊・雨狐の辰蔵



率いる20名の盗賊が押し入り家にいた者を皆殺しにし、千五百両を強奪した。
その後、盗賊の巣を突き止め大半は斬り倒したものの、首領の雨狐の辰蔵と主だった五名を取り逃がしてしまう。
その雨狐の辰蔵一味が神奈川に潜り、「南町の閻魔」と謳われた実績から湊町奉行となった藤九郎の父親の暗殺を企てているという。
これが表ざたになれば湊町奉行の威信に拘わる事から、藤九郎は父の身を案じて、内密に町の裏の闇を知る兄の鬼善に助力を頼みにきたのであった。
善太郎は事あるごとに家族家族と説く藤九郎に煩さを感じながらも、雨狐の辰蔵に閻魔の息子はひとりじゃない事を教えてやろうと嘯く。

善太郎が辰蔵一味の情報を得る為に藤九郎を連れて来た店を出たところで、辰蔵に金で雇われた六人の刺客に襲われるが、



鳴神一刀流の遣い手である藤九郎と鬼神の如く二刀を振るう鬼善によって返り討ちにする。
鬼善の加勢によって刺客が失敗した事を知った辰蔵は、藤九郎だけでなく邪魔をした鬼善も葬ろうと新たな刺客を雇おうとするが、鬼善が口入れ屋に釘を刺した為に断られる。

雨の日に、ひとまず神奈川から逃げようとした辰蔵一味だったが、藤九郎をはじめとする湊町奉行所の捕り方に急襲され斬り合いになるが、その隙に辰蔵は雨狐の異名の通り逃走を図る。
船着き場の近くまで辿り着くが、先を読んでそこにいた鬼善によって斬り捨てられた。

鬼善と藤九郎、拓蔵連れ立っての帰り道、息子である辰蔵を自ら始末する為に来ていた漁火の陣五郎だったが、



鬼善の見事な太刀筋に血が騒ぎ、鬼善に仕合いを申し出る。
鬼善はただ仕合うのでなく、侍としての死に場所を求めていた陣五郎の願いを叶えるべく仕合い、それを果たしてやる。

翌朝、閻魔と呼ばれる父から雨狐の辰蔵一味壊滅とともに廓の見廻りの労いを受ける。
父母は善太郎の事もすべて見通していた。
ところ変わって鏖(みなごろし)統領・一条武若



のもとには配下であった辰蔵の死と斬った鮎川の名が知らされ、武若は鮎川に未来に続く天敵となる宿命を予感する━━。

真面目一辺倒の藤九郎が新町の鬼善と呼ばれ、闇の住人を震え上がらせる放蕩無頼の善太郎を兄にもち、さらに父親が閻魔と呼ばれる敏腕奉行という家族構成はテレビの時代劇にもありそうなキャラ設定で、一編の時代劇マンガとして十分楽しめた。

「特攻の拓」の記念作品らしくただの時代劇で終わらせず、特攻の拓の中でマー坊・鮎川真里と



一条武丸



は出会った瞬間からお互いに憎しみを感じ、存在を許せない敵として意識しあっていたが、それが先祖から続く因縁であった事がさらっとだが描かれていたのもよかった。
ちなみに拓蔵は主人公の浅川拓の先祖にあたる。
名前だけの登場だったキャラや武若など続編を思わせる伏線もちらつかせているが、このマンガを読んで、この原作者は長編を書くより回数が決まった作品を書く方が向いているのではないかと感じた。
というのもこの原作者、連載が長期化するといたずらに登場人物を増やし、物語もまとまりのないものとなっていくが、今回のように限られた紙数になるとキャラクターが絞られ、物語もラストを意識しながら書かれる為、途中で横道に逸れず、スッキリした展開で進むからだ。

マンガも小説も、もう少し続いてほしかったなという余韻を残すくらいで終わったものほどおもしろいものが多いというのが自分の持論である。
だらだらと惰性で描かれたり書かれたものは本来傑作になった作品を駄作にしてしまったケースが多い。
ふだんあれこれ詰め込み過ぎのマンガを描いてるコンビがスッキリしたマンガを描けたのだから、現在描いてる作品でもこの経験を生かして、まとまりのある作品に仕上げてほしいと思う。


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明けましておめでとうございます!
今年も稚拙なブログをマイペースに書いていきたいと思っております。

今回読んだのは、昨年の秋に感想を書いた「珈琲店タレーランの事件簿」の続編で全2巻完結。
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小説が続いてるのは知っていたが、マンガ版の続編はないと思っていたら、続いてたんだねえ。
しかも前作を読んだのとあまり変わらない時期に続編を読むとは。
こんな偶然ってあるもんなんだなあ…。

前の事件から一年後。
アオヤマはあれからもタレーランに通っていて、タレーランの女性バリスタ・切間美星との交流を少しずつ深めていた。
アオヤマはただ通うだけでなく、謎解きを得意とする美星をなんとか凹ませようと度々謎掛けを持ってくるがすべて解かれてしまってるようだ。

今回は、頭脳は明晰ながらおとなしい感じの美星と正反対の活発で行動的な妹・美空が登場し、その行動力によって美星やアオヤマを事件に巻き込んでしまう。

美空は大学の夏休みを利用して京都を観光にやって来るが、本当の目的は父親に会う事であった。

美星と美空は幼い頃に父親を亡くし、今の父親は母親がその後に再婚した相手であった。
二人が物心つく前だったので、母親は再婚後、事故の事を隠したが、いつか二人に話そうとその時の新聞記事をとっておいた。

成長した美星と美空はその切り抜きをそれぞれに見つけたが、表と裏に別の記事が書かれていた事から美空が誤認し、今回の事件を引き起こしてしまう。

美星はそれまでも自分が水の中にいて、誰かが手を伸ばしてくれているのにその手を掴めず、そのまま沈んでいく夢を時々見ており、水難事故の記事を見てうっすらとだが記憶と繋がった。

しかし美空の方はもうひとつの、当時売れていた小説の盗作疑惑の記事から、その小説の作者を父親と思い込み探し出した。

小説家は深水栄嗣といい、あの事件で家族も仕事も失い現在は借金取りに追われるような生活をしていた。

そんな深水だったが、自分を探しにきた美空が別れた娘と同じ年頃というのもあり、本当の娘ではないかと美空の身辺を調べたところ、自分の娘ではない事がわかっただけでなく、美空の大おじであるタレーランのオーナーがそれなりの資産家である事を知った。
金に困っていた深水は自分を父親と思い込んでいる美空を誘拐し、タレーランのオーナーに美空と引き換えに身代金を要求する。

深水からのTELを受けた美星は、万一に備えオーナーにお金を用意してもらい、誘拐されてる美空からアオヤマにきた「☀」の絵文字だけのメールが、敢えてアオヤマに送られてきたのは、美空とアオヤマの共通点からわかる居場所のヒントになっていると考え、美空が父親が生きていると思い込んだのは自分が水難事故の事を美空に話してなかったせいだとアオヤマが止めるのも聞かず、警察だけに頼らず自分で美空を助けようと動き出す。

☀の絵文字から美空との共通の趣味である音楽から、「録音」のマークに似ているという事からアオヤマの勤めるカフェ、「ロックオン・カフェ」に監禁されているのではないかとロックオン・カフェに向かうがそこに美空の姿はなかった。
読みが外れ焦るアオヤマだったが、美星によってなんとか落ち着き、冷静になると、美空との数日間の会話の中でもうひとつ録音に関係がある場所があったのを思い出す。
美空と初めて会った時、金閣寺の正式名称が「鹿苑寺」である事を話していたのだ。
再び深水からTELが鳴り、身代金の受け渡しについて指示されるが、美星は僅かな会話の中から深水の犯行が単独である事を確信し、美空がメールを送った状況から美空の居場所が鹿苑寺の名前が確実に見える金閣寺の入口付近である事を見抜く。
深水の裏をかく為、美星とアオヤマは分かれ、美星は深水の指示通りに行動し、アオヤマは深水が金を受け取る為に美空から離れる一瞬の隙をついて美空を無事に助け出し、深水は警察によって逮捕された。


このマンガは推理マンガというより、推理を味付けにした恋愛ものといった方がいいのかもしれない。。
それくらい謎解きについては安っぽい印象を受ける。
美星と美空が実は双子で、

そこから深水が父親でない事を美空に気づかれ、そのまま誘拐するなんてミステリーマンガならあり得ない展開だしね。

今回の話は、美空を登場させた事で美星の家族構成を紹介し、また美星の幼少時に背負った悲しい記憶を書きたかったのだろうが、ストーリーが安直すぎて、父親が自分を助けようとして死んだ事を美空に打ち明けられなかった美星の気持ちがあまり伝わってこなかった。

原作小説を読んでないのでわからないのが、もしその辺りがきちんと書かれていたなら、漫画家の力不足と言わざるをえない。
ただ、ラストシーンの美星のアオヤマにたいする想いの描写は美星らしい感じがよく出てたと思う。

このマンガ、まだしばらく続くようだが、自分としてはもう読まなくてもいいかな、というのが正直な感想である。

小説「ビブリア古書堂の事件手帖」がヒットしてから書店に行くと、このタレーラン以外にも似たようなタイトルの本が結構目につく。
こういう二匹めのドジョウ的な本の出し方たと本当はいいものがあっても飽きた読者には手にも取られず埋もれてしまいそうで残念でならない。
こういった状況、なんとかならないものかねえ。

今回のブログから今迄のガラケーからガラホに買い換え、それで書こうと思ったらほとんどのアプリに対応してない事が発覚、急遽タブレットで書く事に。
アプリなどというものはまったく使った事がなく、これまでのように画像を貼れなくなりそうと不安になり、ブロ友のがしゅんさんに相談したところ、丁寧に教えていただき、なんとかこうして形にできました。
ありがとうございました。

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