みなさん、あけましておめでとうございます。
相変わらず稚拙なブログではありますが、本年もよろしくお願いいたします。

今回読んだのは、「ワイルド7」の4年振りの新作。
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前に出たのが単発タイトルだったので、まさか続編が出るとは思ってもいなかった。

今の若い世代で「ワイルド7」を知ってる人はいないだろうけど、現在では人気による惰性のものも含めて長期連載されてる少年マンガが結構あるが、自分が中学生くらいの頃は、5年以上続くマンガはほとんどなく、そんななかで、この「ワイルド7」と荘司としおの描いた「サイクル野郎」はcycleyarou12.jpg
異例の大長編マンガだった。

「サイクル野郎」は、主人公が自転車で日本一周するマンガで、自分としては、まったく興味がわかず読まなかったが「ワイルド7」は、スパイものやアクションものを得意とする望月三起也が元悪党が警官となって、凶悪犯達を退治するというダークヒーローの要素も含んだ自分好みの、まさしく昭和のニオイをプンプン漂わせる骨太の白バイ警官アクション。

ワイルド7は、検事の草波が「悪をもって悪を制する」という考えから元犯罪者のなかから草波の目にかなった者に特殊な訓練を受けさせ、最後まで残った者で編成された警視庁に属さない、いわば草波の私設警察で、メンバーの肩書は警視。
そんな彼らが相手にするのはハイジャック犯やテロリストなどいずれも凶悪な犯罪者集団。

これを逮捕するという甘いものでなく、ワイルド7のメンバー達は、危険な罠をくぐり抜け、犯人達を荒っぽく処刑する。

それゆえ「退治」なのだが、当時連載されていたのは週刊少年キングというマイナーな雑誌なのだが、これが実写ドラマ化されるほどのヒット作となり、同誌の看板作品として十年以上連載された。

当時としては、これだけ長く連載されたマンガはまだなく、単行本が48巻というのも少年マンガでは最長だった。

それまでもメンバーの入れ替えはあったが、最終章「魔像の十字路」では
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メンバーのほとんどが死に、主人公の飛葉大陸(だいろく)
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も生死不明というカタチでいったん完結した。

その後、飛葉が生きており、記憶は失っていても、死線を幾度も乗り越えてきた身体は覚えていて、危機が迫ると反応するというムチャな設定で「新ワイルド7」として青年誌で復活した。
その後、タイトルは数回変わり、それと同じように、飛葉以外のメンバーは入れ替わりを繰り返し、掲載誌も変えながらシリーズは続き、今回の「ワイルド7R」は書き下ろし単行本というカタチで発売された。

自分も、たまたま本屋でタイミングよく見かけたから読めたが、それがズレていたら読んでいなかったかもしれない。
その続編が、今回読んだ2巻である。

本来なら作品が完結後、通し読みをしてから評価するというのが自分のスタイルなのだが、この作品については完結どころか次があるのかさえわからないので、この一冊の感想を書く事にした。

続編といっても「ワイルド7R」は1冊ごとにひとつのエピソードが完結してるので細かい設定とかを気にしなければ、わりとすんなり入っていけると思う。

「ワイルド7R」のメインキャラは、主人公でリーダーの飛葉大陸(年月の流れを感じる、中年のシブいオッサンになってる)
クールに見せながら、実は人並み以上に優しい。
その優しさから、何度窮地に陥ったことか。
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自分の若い頃に似てるという事から、本来、他人との関わりを嫌う飛葉がついつい面倒をみてしまう元不良少年の大悟。
粗削りだが、その行動力と雰囲気は、ワイルド7初期の飛葉とダブる
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草波の息子で高等検事長の草波ジュニア。
父の後を継ぎ、ワイルド7を指揮するが、父親のような信念はなく、切れ者でもなさそう。
飛葉達の事も出世する為の駒くらいにしか考えていない。
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今回の舞台は、京都と横浜。

女友達のシーちゃんのメールで京都にやって来た大悟は、いきなり暴走族に追い回される。
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ワケがわからない大悟だが、シーちゃんに助けられ、呼び出されたメールが偽メールで、京都中の不良グループからワイルド7のメンバーとして指名手配されている事を聞き、不良グループの裏で糸を引く大きな存在を感じる。

なんとか暴走族から逃げきった大悟だが、シーちゃんが巻き添えで重傷を負ってしまう。
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大悟は飛葉に頼み、病院を手配してもらうが、シーちゃんの背中に傷を残さず手術できる名医が横浜にいると聞き、責任を感じる大悟が付き添い、横浜の病院に移る。(ちなみに入院費や手術代は飛葉もち(笑))

転院した病院はミナトミライ地区のキングズスクエアの一画、最近市長のアイデアにより一部改装したばかりのクイーンズⅢの中にあった。
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このクイーンズⅢの爆破予告の脅迫状が横浜市宛てに届いた。
要求金額は20億円分の金塊。
これを支払わないと、3時間後にモールの一部を爆破するというものだが、市長も県警も相手にしてなかったが、はからずも犯行グループによる誤爆によって本物とわかる。

この犯行グループのボスが、
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京都で大悟を狙った、表向きは鉄に代わるポリマー技術を開発中の計軽企業の団古社長
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の長男であった。

この犯行グループはこれまで中南米やカリブ海方面で活動し、要求に応じない場合、予告を必ず実行してきた武装集団。

ふたつめの爆弾の予告時間まで10分と迫り、爆弾の捜索をしていた警察が退去すると、犯行グループは一気に館内を制圧。
逃げ遅れた民間人を拘束する。151228_131722.jpg
逃げ遅れた人質のなかに、手術は成功したものの24時間は動かす事のできないシーちゃんと、それに付き添う大悟、市長
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も含まれており、犯行グループは要求に従わない場合、30分ごとに人質を一人ずつ突き落とすという手段にで、まずひとりめを落とす。

これにたいして県警はトンネルからの侵入を計画するが、犯行グループは監視カメラにより察知し、トンネル内にセットした爆弾を使用。水道管の破裂により、警官隊はミナトミライ駅に流され、そこを狙い撃ちされる。
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その頃、京都にいた飛葉は草波ジュニアからワイルドの出動を要請され、一度は断るが、
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大悟を救出する為に出動する。

横浜では、水が流れ込んで来たフロアーで、実戦経験を積む為、犯行グループに参加した次男は、彼女が市長と気づかず乱暴しようとし、
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また、シーちゃんを抱える大悟がワイルドのメンバーである事に気づいた京都の暴走族のリーダーから惨い仕打ちを受けていた。
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草波ジュニアのツテで、京都から横浜への移動をアメリカの軍用機でする飛葉達ワイルドのメンバーだが、正規のルートでは時間が掛かる為、機長をオドシ、
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軍用機ごとクイーンズⅢに突入する。
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犯行グループのボスは、このムチャな突入がワイルド7によるものである事を知り、各フロアーの人質を始末した上で全隊を地上階に集結するが、市長を溺死させようとした次男は
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溢れ出てきた水に潜んでいた水族館のワニに喰われ、151222_130549.jpg
人質を拘束していた手錠は、実は三年間ほどアフリカで傭兵をやっていた市長のマシンガンで外され解放される。
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悪あがきをする犯行グループだったが、飛葉によってボスが射殺された事で降伏する。
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事件解決後、横浜での表彰式に飛葉は招かれたが欠席、京都府警から逃れようとする団古社長達の前に現れた。
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このマンガ、暴走族の隊長の顔が変わってたり、クライマックスまでいた次男のお守り役が戦ってもいないのに消えてたりツッコミどころもあるが、エンターテイメントとして十分な作品であった。

マンガはもともとフィクションであり、そこに現実味は求められていなかった。それがマンガを読む年齢層が広がるとともにいつからかリアリティを求められるようになり、それが世界観を狭める事になったと思っている。

自分達の少年時代、このワイルド7のようなとんでもないマンガが溢れ、そこから突拍子もない事を想像し、漫画家の込めたメッセージを無意識に汲みとろうとしていたように思う。

昔と較べ、いろいろ規制がうるさくなった現在、このワイルド7のようなマンガが少年マンガとして扱われる事はないだろう。

しかし、今、大人になった自分でもおもしろいと思えるマンガを少年マンガとして読めてたのは、それだけいい時代だったんだろうなあ。

なにはともあれ、こまかい理屈を抜きにした、これぞマンガというスカッとするアクションを読みたいという方にはおススメ。

ちなみに自分が望月三起也作品で1番好きなのは、連載当時不人気で未完に終わった「俺の新選組」。
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新選組といえば、美形で華のある沖田総司を主人公にするものが多い中、土方歳三を主人公にし、こ「ちらから触れなければなにもないが、触れてしまえば切れ味鋭い抜き身の刀」というキャラ設定で、好き好きがあるとは思うが、土方の画も自分好みで、最後まで描いてもらいたかった作品である。
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