使えない?

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いつも自分の趣味丸出しの、興味がない人にはまったくわからないマニアックなブログを読んでいただきありがとうございます。

自分の考え方とかカッコイイものはなかなか浮かばないのであまり書かないのですが、ふと頭に突然降ってきたテーマがあったので、たまには自分流の能書きを、なんて思い書いてみました。

「使えない人・遣えないヤツ」

社会人やアルバイト経験者のほとんどがこの言葉を誰かにたいして言ったり言われた事、または誰かが言ってるのを聞いた事があると思う。
実際、自分もいくつもの職場でこの言葉を聞いたし、言われた事もあるし、逆に言った事もある。

言われる側にはかなりキツイこの言葉だが、ある時、当たり前のようにこの言葉を吐いてる自分の傲慢さに気がつきハッとした。

この言葉を面と向かって吐けるのは自分の部下や後輩である場合がほとんどで、陰口ならまだしも、面と向かって上司や先輩に言おうものなら、当たり前だが生意気だと疎まれて、たちまち評価を下げられる。

陰口が嫌で、つい言ってしまうとオレのように嫌われるのがわかっているから、頭のいい世渡り上手な人はまず言わない(笑)

部下を預かったり、先輩と呼ばれる立場になれば、新人や部下を使えるようにする事、使えて当たり前なのだから、自分の部下や後輩を「使えない」と言えば、それはきちんと仕事を教えられないオレ自身が「使えないヤツ」「仕事ができないヤツ」なんだと気づき、それ以後自分が預かった人間を絶対に「使えない」と言わない、考えないようにした。
よく頭角を表わしてきた部下や後輩を連れて、自慢げに「コイツを育てたのはオレだ」と言ってる上司や先輩ヅラしてるのがいるが、特殊な技術を要する職業を除けば、実はもともと才能があったり、器用だったりする場合がほとんどで、そういうタイプは基礎さえ教えれば自分で考え、勝手に成長していく事が多い。

おまけに上手く立ち回れるので、自慢してる上司や先輩の前ではその人間を立てるが、心の中ではそうは思っていない。
なぜなら彼らはその人間に「育てられた」のではなく、自分で「覚えた」と思ってるのだから育てられたなどと思うわけがない。

もし「育てた」と言えるとしたら、その部下や新人の隠れた力に早くから気づき、少しでも多くの経験を積ませる事で力をつけさせ、上司・先輩として責任のもてる範囲内でその人間の能力を発揮できるチャンスを与える事ができた懐の深い人だけだと思う。

残念ながら、自分が見てきた部下や後輩の育て自慢をしたがるタイプは、自分のミスは部下や後輩のせいにし、後輩の成功は自分の手柄にしてしまう人ばかりだったが。(笑)

自分はこの「勝手に育つ」タイプより、飲み込みが悪く不器用なタイプのほうが、実力をつける迄時間はかかっても、将来大化けする可能性があり、おもしろい素材がいると思っている。

「勝手に育つ」タイプは飲み込みが早く、要領がいい。そして器用だ。
その分ずる賢さを併せ持ち、仕事に慣れてくるとめんどくさい事、手間のかかる事を上手くかわすようになる人間が多い。

手間がかかる事を嫌うから、上っ面だけで厚みがない為、なにもなければ勢いだけでとんとん拍子に進めるが、なにかしら問題が発生すると、とりあえずごまかして取り繕うが、それが通用しないと下地がないので対応できず、その結果、躓く事を知る。

このあと、自分の未熟さに気づき、失敗をバネにして再び上がって来れる者は少ない。

これにたいして、みんなとは言わないが、不器用な人間には要領が悪い分、まじめで一生懸命な人が多い。
このタイプを教えるには普通の教え方ではなかなか理解してくれない。
頭で理解はしていても、それを実践できなかったり実戦の場に立つとアタフタしてしまう人もいる。

しかし、要領が悪い分、愚直で、面倒な事にも真正面から取り組み、嫌でもいろんな経験を積むから自然に下地ができ、厚みができてくる。
これにより、問題が発生した時、迅速ではないが、確実な対応をするのがこのタイプである。

そう、人にタイプがあるように教える側もタイプ別に教え方を変える必要があるのだ。

これは非常に面倒な作業で、その為、自分が覚えたやり方をなんの工夫もせず、新人に教える上司や先輩がほとんどである。

そして、その教え方でなかなか覚えられない人にたいして自分の教え方の悪さを棚にあげ、いとも簡単に「使えないヤツ」という判断を下す。

自分が人にものを教える場合、直接仕事に関係しない事、たとえば仕事に取り組む姿勢や仕事を覚える心構えなどはみんな同じように教えてきた。
それに加えて、「責任の重さ」と「自分の仕事が終わるのを待っている相手がいる」事を最初に教え込んだ。

この二つを最初に叩き込まないと、どんなに仕事が早くてなってもいい加減だったり、自己中心のわがままが出たり、無責任だったり、薄っぺらい仕事しかできない人間に育つからだ。

おもしろいもので、何度か新人を教えると、この段階でその人間がうわべをどう取り繕おうと性根が見えてくるようになるから不思議だ。

仕事について教える段階になると、前の基礎を教えてる時に、自分なりにある程度タイプ別に分け、教え方を変える。

なかにはどうしようもないくらい物覚えが悪く、噛み砕いても噛み砕いてもなかなか理解してくれない人もいたが、これは逆に自分自身の現時点の仕事にたいする理解度をチェックできるいい機会だと考えた。
自分の理解度が充分であれば相手にもいくらでもわかりやすく教えられ、それができない時、その部分にたいする自分の理解度がまだ未熟であった事に気づけ、自分自身も再度勉強するきっかけを得られたからだ。
こういう事を繰り返し、不器用なタイプ、物覚えが悪いタイプが「自分で育つ」タイプ以上の仕事をこなせるようになった時、はじめて手ごたえを感じられた。

そして、ふだん周りに敬遠されがちな自分だが、そうした新人達の何人かはなにかあると聞きにきてくれたので、それが自分のした事にたいする結果だと思えた。

これは、あくまで仕事をしたい、覚えたいと思ってる人が対象であり、ただなんとなく会社に来てる人間や、最初からやる気がない人間にたいしては、がんばろうという人間に悪影響を及ぼさぬよう容赦なく排除した。

んー、なんかとりとめのない事書いちゃったなあ。

ン?似合わない?やっぱそう?
オレも自分でそう思う(笑)
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この作品を描いたのは、昭和の時代に手塚治虫の等身大のロボットを描いた「鉄腕アトム」にたいし、日本で初めて巨大ロボットを扱った「鉄人28号」を描いた横山光輝。

横山光輝は、後年こそ「三国志」や「徳川家康」などの歴史ものばかり描いたが、もともとは「魔法使いサリー」などの少女マンガから「伊賀の影丸」などの少年マンガまで多伎にわたって描いた漫画家である。

自分から見た横山光輝は、kagemaru-1.jpg
「伊賀の影丸」、
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「仮面の忍者赤影」
などの忍者ものと
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「鉄人28号」、
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「バビル2世」
などのSFものを中心に描く少年漫画家だった。

その横山光輝が「バビル2世」の後に描いたSFものが、今回読んだ「マーズ」である。

この「マーズ」は
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全5巻完結で、「六神合体ゴッドマーズ」としてアニメ化もされたが、
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自分はアニメは観てないが、マンガとはまったく違うストーリーだったようである。

「マーズ」は、活発な噴火活動をする、秋の島新島で発見されたひとりの少年が救助されるところから始まる。
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秋の島新島に取材に来ていた新聞記者の岩倉
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によって救助された少年は、記憶がなく、言葉も話せない状態だった。

少年は検査の為病院に入院したが、健康そのもので、だが少年の身体がレントゲンに写らない事を不思議に思う院長はその事を伏せ、療養を兼ねて自宅に住ませて娘の春美に
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看護を任せながら様子を見る事にする。

新聞記事からマーズの100年早い目覚めを知った監視者達は、
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本当にマーズなのかを確認する為、ラーが
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日本に向かう。

同じ頃、マーズの目覚めると動き出す、地球人の破壊兵器のデータを取る為の偵察ロボット・タイタンが行動を開始する。

ラーは日本に着くと、海外の新聞記者としてマーズが入院してた病院を訪れ、マーズの正体がわからぬようカルテを焼いてしまう。
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続いて院長の家に現れ、春美と岩倉の会話を覚え、話せるようになっていたマーズを外に連れ出す。

ラーは自分の人間離れした身体能力にマーズがついてこれる事から、足りないのは記憶だけと判断し、記憶を戻そうと秋の島新島に連れて行くが、火山活動の影響で地形が変わっており、マーズが出て来た場所が見つからない。

そのため、ラーは自分達が遥か昔、地球に来た宇宙人が地球人の知能指数の高さと好戦的な性質から、やがて宇宙に進出し侵略者となる事を危惧し、世界各地に監視者と一体で一国を滅ぼす力をもつ六神体と呼ぶロボットを置き、100年後、マーズが目覚めるまでは地球人のデータを収集し、万一危険な実験をする国があれば、神体でその国を滅亡させる役目を担っていた事、偵察ロボットのタイタンを倒すと地球を爆発させる力をもつロボット・ガイアー
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が動き出す事、マーズが目覚めた時、地球人が宇宙を侵略する危険を感じたらマーズによりガイアーを爆発させ、地球を消滅させる事になっていた事などを教える。

マーズとラーが日本に戻ると、自衛隊がタイタンの進行を阻止する為に攻撃しているが、まったく効かず歩みは止まらない。

戦車を次々と操縦者ごと踏み潰しながら進むタイタンを見ていて、マーズはたまらず飛び出しタイタンを制止し、海に帰すが、そのタイタンを自衛隊が攻撃するが効かず、支援に来ていたアメリカ海軍は遂に水爆を使用し、タイタンを爆破する。

ガイアーが動き出したのを確認したラーはマーズにガイアーを爆発させるよう促すが、記憶が戻っていないマーズは多くの人間達が暮らす地球を爆発させる事を迷い、決断を一ヶ月先に延ばす。

一ヶ月後、監視者達は集まり、地球の終末と自分達の役目の終わりを迎えようとするが、約束の時間になってもなにも起こらなかった。

監視者達は、マーズの心変わりにたいして、マーズを倒す事で目的を果たそうと、それぞれが六神体を操りマーズとガイアーに挑む。
六神体とマーズとの戦いは地球全体を巻き込んで行われ、多くの犠牲を払いながらもマーズが勝利を収める。

それによって地球は爆発しなかったのだが、生きのびた人々が暴徒と化してマーズを襲い、マーズを守ろうとする軍との間に争いが生じる。
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混乱の中、記憶が戻ったマーズはその醜い光景を目にし、
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ガイアーを爆発させる。
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地球は消滅したー。
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救いようのない物語。
読み終わってまず感じた印象である。

自分達が少年時代、このマーズ以外にも人間性悪説や神性悪説をテーマとしたSFマンガがいくつかあり、それを見る度に人間の愚かさや怖さを感じたが、地球が消滅するラストは「マーズ」以外では見た覚えがない。

「マーズ」が連載されたのは、自分がちょうど週刊少年チャンピオンを読んでいた小学生の頃で、横山光輝最初で最後のケンカもの、「あばれ天童」
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が好きだったので、その次に描かれたSFものを当時は好きになれず、その後もきちんと読む機会がなかった為、全巻通して読んだのは今回が初めてだった。

この歳になって読むと、最初の方で張られた伏線がストーリーの進行とともに明らかになっていくのがわかり、それも含めて楽しめた。

あらすじにも書いたが、レントゲンに写らないマーズは、はじめから人間っぽくないと思っていたが、いくら使命とはいえ、地球を爆発させれば自分達も死ぬというのに、それを気にもしない監視者達に違和感は感じたが、宇宙人だからかと勝手に思っていた。

マーズはガイアーを使って、六神体を倒していくが、激しい戦闘を繰り返すうちに傷つき、入院する。

しかし、地球人でないマーズに地球の治療は効き目がなく、とうとう身体が腐り始める。

そこで、マーズは自分が発見された島に戻るのだが、ここで地球を救う為に調査団と行動をともにし、噴火に巻き込まれ、偶然マーズがセットされていた場所を発見したが島に置き去りにされ、救助が来るまで衰弱しながらもマーズをセットした宇宙人について勉強していた岩倉と再会する。

岩倉によると、マーズは人工細胞から造られた人造人間で、しかもマーズだけでなく、監視者達もそうである事がここで明かされる。
はじめの方で、ラーがマーズに「兄弟のようなものだ」と言うくだりがあるが、その意味がここで繋がる。
それだけでなく、監視者に感じた違和感、恐怖心がなかったり、大量の殺戮を簡単に行える非情さなども感情をもたない人造人間ならば合点がいく。

マーズの唯一の武器である鋼の硬さをもつ髪の毛による攻撃(ゲゲゲの鬼太郎の髪の毛針にちょっと似ている)も人造人間ならではだろう。

ではなぜ本来感情をもたないマーズが感情をもったのか?
これは自分の想像だが、記憶を失ったマーズがはじめに覚えた言葉は、院長の娘春美と岩倉との会話からであった。
記憶がない白紙の状態だったからこそ、言葉とともに人間のもつ心も同時に吸収してしまったのではないかと思っている。

救助されたものの栄養失調で死んだ岩倉によってもたらされたのは、マーズ達の正体だけでなく、ガイアーの爆発はマーズの命令とマーズが死んだ時以外に六神体がすべて破壊された時にも起こるという情報だった。

日本政府は地球の存亡の為にマーズを騙し、核シェルターに閉じ込めたりするが、神体にたいして無力であり、結局はマーズに頼るしかない。
神体が残り一体となった時、攻撃できない軍は神体が暴れる様を見ているしかなく、人間にも多くの犠牲が出た。

岩倉の残したメモから、神体を内部から破壊すれば故障と認識される為、ガイアーは爆発しないとわかり、マーズとラーの戦いが始まるが、横山光輝の描くロボットはどれも機械的で動きもぎこちない。
それなのにロボットらしく感じさせるのがこの漫画家の凄いいところだ。

そしてクライマックス。ようやくラーを倒し、平和が訪れるかと思いきや、最後の神体を倒してもなにも起こらなかった事で、民衆のこれまで我慢していた怒りがマーズに向けられる。
これにたいしてマーズが死ぬとガイアーが爆発する事を知っている軍はマーズを守ろうとし、争いが勃発する。

これと似たケースが4巻でも描かれている。
神体の五体目を倒した後、マーズは帰途、暴徒と化した民衆を軍隊が射殺してる光景を目にし、この時に自分の行動が正しいのか迷いが生じる。

そして地球人同士が争う中、マーズは記憶が戻り、疑問を口にする。
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マーズの疑問の答えは、発見されて間もない頃の春美との短くも温かな日々や、島に戻った時の、自分も死にかけていながらも懸命に人工細胞液に浸け蘇生させようとしてくれた
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岩倉の強さと優しさにたいしてだったのだろうと自分では思っている。

前回も書いたが、現在の、人気があるからとダラダラと続けるのではなく、描きたいもの、訴えたいものを丁寧に描いたものは長さに関係なく内容が濃い。
だからこそ心に残るのだ。
そしてそういうものには必ずなにかしら学ぶものがある。

「マーズ」のように、昔の少年マンガには現在読むと、より深く理解できるものがあり、だからこそ現在でも別の漫画家によりリメイクされたり、オリジナルをベースにサイドストーリーが描かれ、青年誌でも通用するのではないだろうか?
今のおもしろい、楽しいだけの少年マンガにそういうものは感じない。

今の少年マンガで画の上手さ以外で影響を与え、将来漫画家になった少年が挑戦したくなるマンガはあるのだろうか?

これは余談だが、「マーズ」の春美のように、物語のはじめの方で主人公に絡んでいながら、いつのまにか消えてしまっている事が横山光輝の少年マンガではよくある。

この事から、横山光輝は実はラブコメっぽいものが苦手で、戦いの場に女性を関わるのが嫌だったのかな、と勝手に思っている。
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みなさん、あけましておめでとうございます。
相変わらず稚拙なブログではありますが、本年もよろしくお願いいたします。

今回読んだのは、「ワイルド7」の4年振りの新作。
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前に出たのが単発タイトルだったので、まさか続編が出るとは思ってもいなかった。

今の若い世代で「ワイルド7」を知ってる人はいないだろうけど、現在では人気による惰性のものも含めて長期連載されてる少年マンガが結構あるが、自分が中学生くらいの頃は、5年以上続くマンガはほとんどなく、そんななかで、この「ワイルド7」と荘司としおの描いた「サイクル野郎」はcycleyarou12.jpg
異例の大長編マンガだった。

「サイクル野郎」は、主人公が自転車で日本一周するマンガで、自分としては、まったく興味がわかず読まなかったが「ワイルド7」は、スパイものやアクションものを得意とする望月三起也が元悪党が警官となって、凶悪犯達を退治するというダークヒーローの要素も含んだ自分好みの、まさしく昭和のニオイをプンプン漂わせる骨太の白バイ警官アクション。

ワイルド7は、検事の草波が「悪をもって悪を制する」という考えから元犯罪者のなかから草波の目にかなった者に特殊な訓練を受けさせ、最後まで残った者で編成された警視庁に属さない、いわば草波の私設警察で、メンバーの肩書は警視。
そんな彼らが相手にするのはハイジャック犯やテロリストなどいずれも凶悪な犯罪者集団。

これを逮捕するという甘いものでなく、ワイルド7のメンバー達は、危険な罠をくぐり抜け、犯人達を荒っぽく処刑する。

それゆえ「退治」なのだが、当時連載されていたのは週刊少年キングというマイナーな雑誌なのだが、これが実写ドラマ化されるほどのヒット作となり、同誌の看板作品として十年以上連載された。

当時としては、これだけ長く連載されたマンガはまだなく、単行本が48巻というのも少年マンガでは最長だった。

それまでもメンバーの入れ替えはあったが、最終章「魔像の十字路」では
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メンバーのほとんどが死に、主人公の飛葉大陸(だいろく)
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も生死不明というカタチでいったん完結した。

その後、飛葉が生きており、記憶は失っていても、死線を幾度も乗り越えてきた身体は覚えていて、危機が迫ると反応するというムチャな設定で「新ワイルド7」として青年誌で復活した。
その後、タイトルは数回変わり、それと同じように、飛葉以外のメンバーは入れ替わりを繰り返し、掲載誌も変えながらシリーズは続き、今回の「ワイルド7R」は書き下ろし単行本というカタチで発売された。

自分も、たまたま本屋でタイミングよく見かけたから読めたが、それがズレていたら読んでいなかったかもしれない。
その続編が、今回読んだ2巻である。

本来なら作品が完結後、通し読みをしてから評価するというのが自分のスタイルなのだが、この作品については完結どころか次があるのかさえわからないので、この一冊の感想を書く事にした。

続編といっても「ワイルド7R」は1冊ごとにひとつのエピソードが完結してるので細かい設定とかを気にしなければ、わりとすんなり入っていけると思う。

「ワイルド7R」のメインキャラは、主人公でリーダーの飛葉大陸(年月の流れを感じる、中年のシブいオッサンになってる)
クールに見せながら、実は人並み以上に優しい。
その優しさから、何度窮地に陥ったことか。
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自分の若い頃に似てるという事から、本来、他人との関わりを嫌う飛葉がついつい面倒をみてしまう元不良少年の大悟。
粗削りだが、その行動力と雰囲気は、ワイルド7初期の飛葉とダブる
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草波の息子で高等検事長の草波ジュニア。
父の後を継ぎ、ワイルド7を指揮するが、父親のような信念はなく、切れ者でもなさそう。
飛葉達の事も出世する為の駒くらいにしか考えていない。
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今回の舞台は、京都と横浜。

女友達のシーちゃんのメールで京都にやって来た大悟は、いきなり暴走族に追い回される。
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ワケがわからない大悟だが、シーちゃんに助けられ、呼び出されたメールが偽メールで、京都中の不良グループからワイルド7のメンバーとして指名手配されている事を聞き、不良グループの裏で糸を引く大きな存在を感じる。

なんとか暴走族から逃げきった大悟だが、シーちゃんが巻き添えで重傷を負ってしまう。
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大悟は飛葉に頼み、病院を手配してもらうが、シーちゃんの背中に傷を残さず手術できる名医が横浜にいると聞き、責任を感じる大悟が付き添い、横浜の病院に移る。(ちなみに入院費や手術代は飛葉もち(笑))

転院した病院はミナトミライ地区のキングズスクエアの一画、最近市長のアイデアにより一部改装したばかりのクイーンズⅢの中にあった。
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このクイーンズⅢの爆破予告の脅迫状が横浜市宛てに届いた。
要求金額は20億円分の金塊。
これを支払わないと、3時間後にモールの一部を爆破するというものだが、市長も県警も相手にしてなかったが、はからずも犯行グループによる誤爆によって本物とわかる。

この犯行グループのボスが、
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京都で大悟を狙った、表向きは鉄に代わるポリマー技術を開発中の計軽企業の団古社長
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の長男であった。

この犯行グループはこれまで中南米やカリブ海方面で活動し、要求に応じない場合、予告を必ず実行してきた武装集団。

ふたつめの爆弾の予告時間まで10分と迫り、爆弾の捜索をしていた警察が退去すると、犯行グループは一気に館内を制圧。
逃げ遅れた民間人を拘束する。151228_131722.jpg
逃げ遅れた人質のなかに、手術は成功したものの24時間は動かす事のできないシーちゃんと、それに付き添う大悟、市長
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も含まれており、犯行グループは要求に従わない場合、30分ごとに人質を一人ずつ突き落とすという手段にで、まずひとりめを落とす。

これにたいして県警はトンネルからの侵入を計画するが、犯行グループは監視カメラにより察知し、トンネル内にセットした爆弾を使用。水道管の破裂により、警官隊はミナトミライ駅に流され、そこを狙い撃ちされる。
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その頃、京都にいた飛葉は草波ジュニアからワイルドの出動を要請され、一度は断るが、
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大悟を救出する為に出動する。

横浜では、水が流れ込んで来たフロアーで、実戦経験を積む為、犯行グループに参加した次男は、彼女が市長と気づかず乱暴しようとし、
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また、シーちゃんを抱える大悟がワイルドのメンバーである事に気づいた京都の暴走族のリーダーから惨い仕打ちを受けていた。
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草波ジュニアのツテで、京都から横浜への移動をアメリカの軍用機でする飛葉達ワイルドのメンバーだが、正規のルートでは時間が掛かる為、機長をオドシ、
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軍用機ごとクイーンズⅢに突入する。
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犯行グループのボスは、このムチャな突入がワイルド7によるものである事を知り、各フロアーの人質を始末した上で全隊を地上階に集結するが、市長を溺死させようとした次男は
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溢れ出てきた水に潜んでいた水族館のワニに喰われ、151222_130549.jpg
人質を拘束していた手錠は、実は三年間ほどアフリカで傭兵をやっていた市長のマシンガンで外され解放される。
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悪あがきをする犯行グループだったが、飛葉によってボスが射殺された事で降伏する。
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事件解決後、横浜での表彰式に飛葉は招かれたが欠席、京都府警から逃れようとする団古社長達の前に現れた。
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このマンガ、暴走族の隊長の顔が変わってたり、クライマックスまでいた次男のお守り役が戦ってもいないのに消えてたりツッコミどころもあるが、エンターテイメントとして十分な作品であった。

マンガはもともとフィクションであり、そこに現実味は求められていなかった。それがマンガを読む年齢層が広がるとともにいつからかリアリティを求められるようになり、それが世界観を狭める事になったと思っている。

自分達の少年時代、このワイルド7のようなとんでもないマンガが溢れ、そこから突拍子もない事を想像し、漫画家の込めたメッセージを無意識に汲みとろうとしていたように思う。

昔と較べ、いろいろ規制がうるさくなった現在、このワイルド7のようなマンガが少年マンガとして扱われる事はないだろう。

しかし、今、大人になった自分でもおもしろいと思えるマンガを少年マンガとして読めてたのは、それだけいい時代だったんだろうなあ。

なにはともあれ、こまかい理屈を抜きにした、これぞマンガというスカッとするアクションを読みたいという方にはおススメ。

ちなみに自分が望月三起也作品で1番好きなのは、連載当時不人気で未完に終わった「俺の新選組」。
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新選組といえば、美形で華のある沖田総司を主人公にするものが多い中、土方歳三を主人公にし、こ「ちらから触れなければなにもないが、触れてしまえば切れ味鋭い抜き身の刀」というキャラ設定で、好き好きがあるとは思うが、土方の画も自分好みで、最後まで描いてもらいたかった作品である。
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