虚無

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淋しい?

飢えてる?

面倒?

なにが?

なにをやっても

なにをしても

空しいだけ

虚ろにさ迷うのは

冷たい水の中

ただ食って

ただ働いて

ただ排泄して

ただ寝るだけ

水面に浮かぶ自分以外

周りはすべて漆黒の闇

自分もいずれ闇に埋もれて
消えてゆく

いまも屍なのだから

それもいい
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またまたおっさんマンガである(笑)。

これはVシネマでもシリーズ化されてる、もはや大長編といえるヤクザマンガのようだが、このエピソードはいわくつきというのもあったからか、本編と切り離して上下巻で発売された。150601_104332_ed.jpg
おっさん向けヤクザマンガといえば、昔の東映ヤクザ映画のように、今だに街のど真ん中で組員が大勢で銃を撃ち合い、勝った方が勢力を拡大していくという、リアルとはかけ離れたものが多い。

自分は、不良ものやヤクザもの、結構好きなのだが、絵柄だったり、ストーリーだったりで、人気に関係なく読みたいと思うものとスルーしてしまうものと極端に分かれる。

白竜も、ふだんならスルーしてしまうマンガなのだが、なんかでレビューを見て気になったのが、このエピソード。

で、いきなり読んでわからない事だらけだと困るので、多少の予備知識は入れておこうと、ネカフェでサラッと何冊か流し読みした時、数あるおっさん向けヤクザマンガとちょっと違う感じがしたのは、勢力(ナワバリ)の拡大よりもシノギ(資金源)の入手を中心に描いていた点で、エピソードごとにヤクザだったり、大物議員だったりを相手に、他県や、時には海外にまで手を広げながら、シノギを巡って攻防を繰り広げる、リアルとフィクションを織り交ぜたシリーズになっている。

主人公の「白竜」こと白川竜也は黒須組の若頭で、これまで黒須組が活動していた渋谷から、広域組織のなかでも武闘派といわれる組が地盤を固めてる六本木に移って来たところから、「白竜LEGEND」は始まってる。

白竜は、並外れた知力と胆力をもつ経済派ヤクザだが、黒須組長には従う忠誠心も併せもつ。

その器量に組員からも信頼され、また、他組織からは敵視される一方、名前を知られている猛者である。

はじめにいわくつきと書いたのは、このエピソードは、六本木で飲んでいた黒須組の組員が、新潟の二の羽原子力発電所の現場監督から聞いてきた話から
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シノギのニオイを感じた白竜が、
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これを運営する総売上高5兆126億円を誇る巨大企業、東都電力の闇を探っていくというストーリーなのだが、巻頭に書かれている、「原子力マフィア編の軌跡」によると、この話がスタートしたのが2011年の2月4日発売号で、ストーリーが進行中の3月11日に例の東日本大震災が発生、これにより3月18日発売号をもって、一旦、このエピソードは連載を中断し、翌週からは新たなエピソードが開始された。

それから2年5ヶ月の間隔を空けた2013年8月23日発売号から連載再開を果たし、無事完結した。

そう、このエピソードはマンガでありながら、前半では東都電力という架空企業を使って、あの震災の被害を予測するかのような電力会社のずさんな安全管理と原発の安全神話を保持する為の隠蔽体質を、震災後にマスコミ各社が東電や国の安全審査にたいする無責任さを叩く前に描かれていたのだ。

安全性を確認する前に土地の買収は行われ、名前ばかりの調査と宦官接待、被爆する危険がある作業を防護服も着せずにさせる電力会社の管理職にさらに、警察権力や病院との癒着などなど、かなり事実に近い描き方をしていた。

そう、原子力マフィアとは電力会社を中心とした権力側を指している。

この作品の残念なところは、後半になるとエンターテイメント性を意識し過ぎて、前半の重厚さを意味なくさせてしまったのと、ラストが二の羽に地震が発生し、原発が津波に飲み込まれたところで終わらせてしまった点。

その後を描いてこそ、より意味のある作品だったろうにと思う。
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