このマンガ、高橋ヒロシの「QP外伝」の中の一編、「死神に出会った日」をベースにドラマ化する際、ストーリーをアレンジしたものをコミカライズした作品。
その為、原作の高橋ヒロシのほかに、ドラマの脚本を書いたやべきょうすけとNAKA雅MURAの名前が載っている。
150319_092552.jpg
全4巻完結。

この作品、もともとは、斎藤工を主演に、深夜ドラマ枠で放送されてた時に少年画報社から書き下ろしのコンビニコミックとして途中まで発売されたが、ドラマの終了とともに、コミカライズものではよくある事だが、中途半端なカタチで発売されなくなり、放り出されていた。
自分はこのコンビニコミックから読んでいて、よくある事だとわかってはいても、読者を一方的に突き放すような、昔ながらの出版社の無責任な販売体質はなんとかならないものかねえ。
そんな埋まっていく作品の多い中、この作品は運のいい事に放り出されてから数年後、秋田書店に拾われ、なんとか単行本でも最終巻まで発売された作品である。
とはいえ、この作品が連載されたプレイコミックは連載中に廃刊し、ラスト2話は同じ秋田書店から新創刊された別冊ヤングチャンピオンの創刊号に一気に掲載されるという特殊な終わり方だったけどね。

この作品のあらすじに入る前に、タイトルに「QP外伝」とあるように、「QP」は高橋ヒロシによる本編があり、今回の作品の主人公である我妻涼は、このQPのサブキャラクターであった。

主人公・石田小鳥(キューピー)が少年院を出所し、更正して地道に明るい道へと歩み出そうとするのと対照的に、かつての仲間でありながら、闇へと突き進む、孤独な破滅型のキャラクターとして人気があったようで、この作品の元となった「死神と出会った日」は本編完結後に「QP」我妻涼の後日談として描かれた外伝である。

できたら、今回の作品を読む前に、高橋ヒロシによる「QP」本編と外伝を読んでもらうと、より主人公の我妻涼というキャラクターの人物像と孤独感をわかってもらえると思うし、今回の作品と元作品との違いも楽しんでもらえると思います。

この物語は、「QP」本編で銃撃により、喉を撃たれ声を失い、瀕死の重傷を負いながらも生き延びた主人公・我妻涼
150315_224055.jpg
が、流れ者の殺し屋コンビ、坊主頭のトムとツンツン頭のジェリー
150315_224232.jpg
と共に地元から離れ、別の街のヤクザ組織、「天狼会」の頭(かしら)になっていたところから始まる。

この街には金になるならどんな悪どい事にでも手を出す横溝組と、昔ながらの地域密着型の老舗ヤクザ・古岩組、どちらの色にも馴染めないはみ出し者の集まりである天狼会があり、微妙なバランスで成り立っていた。

前の組長の事故死により、涼が頭になった事で、天狼会によるこの街の暴力社会の支配を目論み、ヤクザ勢力地図の均衡が崩れようとしている中、拳が壊れた事でプロボクサーを諦め、燻るように生きていた美咲元150319_092631.jpg
は、勤めていた店で我妻涼に出会い、涼の子分になる事を志願する。

天狼会に入った元は、涼達が天狼会に入る前からの古参の若衆・ヒコ
150319_092710.jpg
に預けられる。

一度、元の兄が迎えに来るが、それを振り切り、ヤクザの道を歩く元は、まだ、この街にきな臭い匂いが漂い始めてる事に気づいていなかった。

ある夜、些細な事からヒコと元は横溝組の者達と揉め、この時は元ひとりで叩きのめす。

元が倒した中に横溝組の幹部がいた事で、横溝組のもつ利権を奪う為、その口実が欲しい涼達は、これをきっかけに緊張を募らせていく。

数日後、仕返しに来たやって来た横溝組の者達が持つ刃物に、ビビッた元は足が竦み動けず、その元を押しのけ、ヒコがひとりで応戦し、なんとか倒すが、この時、ヒコは腹を刺されてしまう。
自分の不甲斐なさを詫びる元に深手を負ったヒコは、ヤクザのケンカの厳しい現実を教え、田舎の兄のところに帰るよう諭す。

車を取りに一旦、ヒコのその場を離れた元。
その間に、何者かに雇われた殺し屋の手により、ヒコは殺されてしまう。
いつかの夜、元とふたりでした花火のように…。
150319_104833.jpg

ヒコを殺した犯人が、さっきいざこざがあったばかりである事から横溝組ではないと感じた元は、火種を欲しがっていたもう一方の涼達を疑い、確かめにいく。
事務所でくつろぐ涼達にヒコの死を告げ、真偽を確かめようとする元だったが、「答えを聞いたら後戻りはできない。ドロッドロの世界で生きる覚悟があるのか?」と逆に問い質されると、それ以上聞けなくなってしまい、涼が元の頭を掠めるように弾丸を一発放つと、その場にへたり込んでしまう。
涼は元の腹に容赦のない蹴りを入れると、トムとジェリーを連れ、事務所を出て行く。

取り残された元は、自分の無力感に苛まれながら、ヒコが死んだ場所に戻るが、警察と野次馬による人だかりができており、ヒコの遺体も既に搬送されていた。
不穏な空気を感じとり、様子を見に来ていた古岩組若頭の蜂屋兼光は、
150315_225259.jpg
組は違っても弟のように感じていた元の姿を見つけ、元を連れてその場を離れる。

元から事の流れを聞いた兼光は、もうこの街で元にできる事はなく、ヒコの遺言を守り、故郷に帰るよう告げる。

涼達は、ヒコを殺された報復として、横溝組長の命を獲るべく計画を立て、行動を起こす。

しかし、その裏には横溝組若頭・喜多嶋と
150315_225201.jpg
その参謀・君塚
150315_225317.jpg
による横溝組乗っ取りの陰謀があり、もとは流れ者の殺し屋であったトムとジェリーも、横溝組長を殺った後、涼も始末したら一億円という約束で、ヒコが殺される前から既に買収されていた。

涼達が報復に動いてるその頃、そうとは知らぬ元は、今回の件を明らかにしようと、自分ができる事をする為に、警察に出頭していた。

横溝組長襲撃の夜、地下駐車場で予定通り、横溝組長と傍にいた組員の射殺に成功すると、後ろから涼の頭に、ジェリーの拳銃が突き付けられるが、すかさず涼はトムの頭に銃を向け、更にジェリーにも銃を向ける。
150319_105146.jpg
対峙した三人だったが、見張り役をやらせていた子分が様子を伺いに来た事で、一気に銃撃戦に突入するが、パトカーのサイレンが聞こえてきた事から、巻き添えで犠牲になった子分を残し、それぞれに逃走する。
それぞれの傷が癒える頃、君塚がヒコを殺った殺し屋を涼に差し向けるが、逆に涼に殺られてしまう。
その場所で、偶然トムとジェリーと会い、場所を変えて、決着をつける事となる。

決着を着ける廃ビルに集まった三人だったが、そこに天狼会の前の会長を事故に見せかけ殺害した事がバレ、組を追われた古参組員が乱入し、熾烈な銃撃戦を展開する。

銃撃戦の末、トムが古参組員を倒すが、その隙を縫って涼はトムを銃撃し、
150319_105325.jpg
撃たれた衝撃で、窓から飛び出す相棒の手をジェリーは掴もうとするが、その手は届かず、トムはビルから落下する。

トムの手を掴めなかった、ジェリーの後頭部に涼は銃口を突き付けるが、銃を捨て、素手の勝負を挑む。
ジェリーは、その銃を拾うが、その銃が弾切れになっていた事がわかり、あらためて、生死を賭けた素手での勝負が始まった。

古岩組の兼光がビルに入った時には、涼とジェリーの戦いは決着がついており、涼がジェリーの上に乗り、なにかに取り憑かれたように殴り続けていた。
150319_105408.jpg
既に死んでいるジェリーを殴り続ける涼を止める兼光に、かつての親友、石田小鳥の匂いを感じ、振り返った涼の目からは涙が流れていた。
150315_224407.jpg
兼光は涼に、この街に覚醒剤まで流してる横溝組を潰す迄手を組む事を持ち掛けるが、涼はその手を払い、ケガをした身体で呼んでおいた車に乗り込む。

そして、すべての決着を着けるべく横溝組に向かう途中、警察から出て、ヒコの遺骨を抱えながら兄のところに帰るTELをしながら歩く元とすれ違う。
150315_224444.jpg
涼達によって殺された横溝組長の葬儀は、横溝組組員のほか、警察による厳重な警戒体制が敷かれる中、夜が明ける頃、涼がその場所に現れる。

そして、大勢の組員が囲む中、涼はひとり、日本刀一本で斬り込んでいく…。
150315_224256.jpg

ここまで、長いあらすじを読んでくれた方(いるのかな?(汗))
ありがとうございます。

さて、前の方で書いたように、このマンガはドラマをベースにコミカライズしたものなので、高橋ヒロシのオリジナルとは違う部分がかなりある。

まず、古岩組とその若頭蜂屋兼光をはじめ、横溝組の組員達もドラマのオリジナルキャラクターで、高橋ヒロシのオリジナルにはないキャラクターである。
これは、高橋ヒロシの描いたのは、元の眼を通して、チンピラのはかなさと謀略と欲望でなにも信用できない涼のいる世界は憧れでは生きていけないし、涼は憧れの対象にはならないという事にたいして、ドラマの方は、アウトローという生き方しかできない我妻涼というひとりの人間を描いてるスタンスの違いから、敵役の明確化が必要だったのと、元の眼の代わりに兼光という抗争に直接関わらない人物が必要だったのだと思う。

自分としては、この我妻涼で描かれた世界は、高橋ヒロシの外伝の続きのひとつの可能性だと思っている。
我妻涼という人間は、もともと人を信用する人間じゃないし、本編での石田小鳥との別れから、ひとりで生きる道を進むだろう事は予想できる。
そうなると、トムとジェリーは、もとは自分を殺す為に雇われていたのを返り討ちにし、むこうの雇い主より高い金を払う事で仲間になった人間なので、このふたりもまた、自分達以外は信用しない人間なので、カタチは違っても、いつかはこの作品で描かれたように戦う可能性は十分ある。

また、この作品では涼がこの街を支配しようとした理由として、涼が祖父と過ごしたこの街を覚醒剤で汚した横溝組を許せないというのがあった。

同じように、この街を一緒に支配しようとしたトムとジェリーの裏切りが、涼にとってどれほどの怒りと哀しみだったかが、死んでるジェリーを殴り続けるシーンで描かれている。

高橋ヒロシは、カッコイイキャラクターを作る事には長けているが、そこに人間臭い深みを持たす事はできないマンガ屋だと、自分は思っている。
そこに手が加えられたのがこの作品で、より我妻涼というキャラクターを魅力的にしたと思っている。

この作品のテーマは、ラストに出て来る「QP」本編で出てきた、「オレは、ゴミみたいに流されてこの世界にいるんじゃねえ。これが、オレの生き方なんだ」
なのだろうと思う。

アウトローの世界で生きる男のマンガが好きな方にはおもしろいと思います。

そうそう、この戦いで生き残った我妻涼は、南米コロンビアに現れる。
高橋ヒロシの手からも、ドラマからも離れた、漫画家・今村KSKによる独自の我妻涼の世界が、「QP外伝我妻涼 デスペラード」として、現在、別冊ヤングチャンピオンで連載されているので、いずれ、この作品を取り上げる機会もあるかな、と思っています。
AD
趣味丸出しで更新するこのシリーズ。
今回紹介するのは、メディコムトイで、3月31日迄予約受付中の受注生産品、アントニオ猪木(原作版)(税抜き8800円)
imgrc0064538741.jpg
と高岡拳太郎(アニメ版)(税抜き7800円)。
imgrc0064538744.jpg
猪木には中嶋復刻版のマスクとマント、
imgrc0064538742.jpg
高岡にはアニメ版のマスクとマント、それにバッグ
imgrc0064538746.jpg
が付属している。
imgrc0064538746.jpg
昨年末には、アニメ版の猪木が出たが、今回のは原作版猪木。
旧中嶋製作所のタイガーマスクのソフビ素体に電人による新規造型パーツを合体させたタイガーマスクシリーズは、これまでアニメ版のキャラクターを中心に展開してきたので、まさか、原作版の猪木を出すとは思ってもいなかった。
しかも、タイガーマスクに変身したバージョン。
う~ん、マニアック。

この猪木・タイガーマスクバージョンは、コミックス12巻(文庫版6巻)に登場する。
タイガーにより、ミラクル3を倒された虎の穴は、タイガーのリング上での処刑を断念、最後の手段に出る。
そう、世界各国に支部を持つ国際的な犯罪組織の収入源の一つである虎の穴が犯罪組織としての側面を前面に出すのである。

ちびっこハウスの健太少年を誘拐し、
150317_081903.jpg
これを人質にタイガーをアルプス山中にある虎の穴本部に呼び出すのだ。
むろんタイガーは呼び出しに応じ、健太を救出する為、虎の穴本部に単身乗り込む。

タイガーの前にそびえ立つ虎の穴巨神像。
その口許には、ロープに縛られた健太が宙づりにされており、そして足元には無数の虎の穴のレスラー達。150317_082047_ed.jpg
これまでタイガーが戦ってきた虎の穴のレスラー達は、すべて覆面レスラーだったが、この本部で戦うレスラー達はデビュー前だからかみんな素顔である。
デビュー前のレスラーは金にならない。育成については大金を投じる虎の穴でも、経費を削減する部分とかがあったのかもしれない。(笑)

なにはともあれ、健太を救い出す為の、タイガーの孤独な戦いが始まった。

まずはタイガーを倒せばデビューさせるという条件をエサに、虎の穴の悪役二軍レスラー達がひとりずつタイガーと戦う無制限デスマッチ。
ゴツゴツした足元が悪い岩場だが、タイガーは、はじめは上手く捌いていきます。
それはそうでしょう、これまで自信タップリにタイガー処刑に送った虎の穴出身のレスラー達をことごとく倒してきたタイガーだもの、デビュー前のレスラー達じゃ敵うワケがありません。(笑)
150317_082315.jpg
が、数には勝てず、徐々に疲れが見え始めたタイガーにたいし、つねにベストコンディションのレスラーが向かって来るので、やがてタイガーは、傷つき捕えられます。
150317_082453.jpg
その姿を見ていた健太は責任を感じて、とんでもない行動をします。なんと、吊られているロープの反動を利用して巨神像に自分の頭をぶつけ、自殺しようとするのです。
150317_082600_ed.jpg
タイガーの止める声も聞かず、何度も巨神像への頭突きを繰り返し、頭から血を流し、意識が遠のきそうになる健太と満身創痍のタイガーの前で奇跡が起きます。

突然、岩場に6人のタイガーマスクが現れ、
150317_082859.jpg
そこにいた敵レスラー達を次々に倒していくのです。150315_225014.jpg
そして、見事タイガーを助け出します。

その後でタイガーを助けに来た、なんちゃってタイガー達はマスクを外し、それぞれに名乗るのです。
150315_224843.jpg
これにたいしミスターXはレスラー達の練習用に飼育していたゴリラを解き放ちます。
150317_083057.jpg
飛び出してきたゴリラの群れをかわす為、タイガー達は、いち早く高い場所へ上がり、足元の岩で攻撃し、ゴリラを倒していきます。
次に飛び出して来たのは豹150317_083146.jpg
の群れ。
しかも凶暴性を増すよう空腹状態にされた豹達です。パワーだけのゴリラには勝てたタイガー達でしたが、敏捷性に優れた豹に対抗できるはずもなく、危機一髪の状況で、ミスターXの目論見は外れます。
豹達が襲ったのは、タイガー達に倒されたゴリラ達。そう、空腹の豹達は手っ取り早く倒せるゴリラの方を選んだのです。
かくして、ゴリラと豹の戦いが始まりました。
150317_083240.jpg
その隙にタイガー達は、魔神像の口に丸太をかけ、健太を救う為に登り始めます。
150317_083429.jpg
ミスターXは、ピストルでタイガー達を撃とうとするも、丸太の裏側に隠れられ、当たりません。

そこを、豹に襲われ逃げて来たゴリラ達が登りはじめ、それを追ってきた豹達も駆け上がり、やがて口から内部へと入って行きます。150317_083517.jpg
猛獣達に続き、内部に入ったタイガー達は、無事、健太を救出します。

一方、敗れた虎の穴の幹部達とミスターXは自家用ヘリで脱出、上層部に今後の指示を受ける為向かおうとするも、そこに行けば死刑にされる事を知っているミスターXが反乱を起こし、150317_084429.jpg
虎の穴は壊滅します。

この時の猪木を、今回ソフビ化したのである。
たしかにひとつのヤマ場での、レスラー総出演だが、まさかこれを出すとは!
電人、おそるべし!(笑)
ほかにも、馬場や大木金
太郎、グレート小鹿など当時の全日本プロレスのスター達がタイガーになっていたのだが、まさかこのレスラー全部は出さないよねー?(笑)

ちなみにソフビについてるマント、マンガでは羽織っていなかったので、マスクだけじゃなあっていう感じでの付属品っぽい。
その為かはわからないが、マントを羽織っていない見本画像もちゃんとある。
imgrc0064538743.jpg
でもね、出したのはいいがこの猪木、原作版といってるけど、見る人によって違うだろうけど、自分的には「どこが?」という印象だった。
これが復刻版というならまだしも、だいいち、当時、実在のレスラーを出してたのはブルマァクなので、それは有り得ない。

これまでの電人による新規造型は、リアルに造りつつ、昔のタイガーマスクソフビと並べて違和感を感じさせない絶妙なデフォルメだった。
しかし、この猪木は違う。原作の画像と見比べてもらうとわかると思うが、ハッキリ言うが、全然似ていないのだ。

これまでに、タイガーマスク関係のフイギュアを出したメーカーは結構あるが、中途半端に出して途中で止めてしまうメーカーばかりの中、一定のペースで出し続けているメディコムトイと電人のコラボによるタイガーマスクシリーズを自分は応援している。
それがまさか、電人のソフビにたいして、このような言葉を書く日が来るとは思ってもいなかった。

この「似ていないソフビ」を出したのは、電人の造りにたいする甘さはもちろん、発売元のメディコムトイによる原型チェックも甘かったからこうなったのだと思う。

そもそも新規のソフビに復刻版のマスクを流用すること自体、手抜きに思えてならない。
どうせマニアックなものを出すなら、アニメ版のマスクを造れる技術を活かして、現在の技術で電人が原作版のマスクを造るとこうなるという挑戦をしてもらいたかった。
そういう意味でも残念でならない…。

続く高岡拳太郎は、大門と同じくアニメ版のオリジナルキャラクターだが、
images.jpg
自分の記憶が正しければ、アニメの中で、ケンがこのソフビのように、タイガーマスクとしてリングに上がったシーンはなかったと思う。
という事で、これは最終回で、タイガー・ザ・グレートを凄絶な死闘の末に破りはしたが、リングで素顔を晒され、仕返しとばかりに虎の穴で仕込まれた反則技を繰り出し、凄惨な試合を見せた伊達直人が
t02200165_0800060012898324791.jpg
タイガーマスクとして、日本のプロレス界に残れるはずもなく、タイガー・ザ・グレートに殺されこそしなかったものの、虎の穴の裏切り者として、処刑に近いカタチの攻撃を受け、入院中だった拳太郎を見舞い、血染めのマスクを渡すのだが、
images.jpg
直人が帰った後で、拳太郎が直人の意志を継ぐ事を決意している事から、退院後に直人の代わりにタイガーマスクとしてリングに上がったのを想像してのイメージなのだろうと思う。

メディコムトイから発売されるのは今回で二度目。
前回は、同じ造型ながらケン高岡として、第74話で正統派レスラーとしてデビューした勇姿をソフビ化していた。
img59034214.jpg
今回の高岡拳太郎は、いわゆるリペイントバージョンである事が、顔を見るとわかる。
img59034214.jpg
imgrc0064538744.jpg
なるべくなら、電人には安っぽいリペイントとかは出してほしくなかったなあ。
同じキャラクターを出すにしても、新しく造型するくらいのこだわりを見せてほしかったし、付属のバッグはたしか、直人に渡された血まみれのマスクが入ってたバッグだと思うけど、それならマスクも、アニメ版のマスクをそのまま流用するんじゃなく、血まみれのマスクにするくらいのマニアックさがほしかった。

今回のソフビは、自分的にはふたつとも残念なデキだった。
AD
これは、人気ソーシャルゲームをコミカライズした作品らしい。
150314_091511.jpg
らしいと書いたのは、自分は本は読むが、ガキの頃は流行ったゲームは一通りやったが、ある時期からやらなくなり、現在はゲームにまったく興味がなく、流行りのゲームすら知らないからだ。(笑)

このマンガも、所十三が描いてなければ、読まなかったと思う。

なにしろ所十三といえば、何か事情があったのかわからないけど、週刊少年チャンピオンで恐竜マンガを描く以前、講談社の雑誌で描いてた頃は、「名門!多胡西応援団」
DhlUAWYnDlXJcGJR.410x410.jpg
で、それまでの不良マンガの定番だった、今どきこんなナリした不良はいないだろうという破れた学帽、ボロボロの学ラン、中にはダボシャツ、下は胸迄のハイウエストをベルトで絞ったラッパズボンだったのを、img.jpg
news_thumb_kiwamemichi1.jpg
リアルに近い暴走族リーゼントやドカンを描いた先駆けだからね。

リアルなファッションを取り入れたマンガといえば、「BE-BOP HIGH SCHOOL」
HI-85_detail.jpg
や「湘南爆走族」
276a6218803cbb31b1e65ab7b53c432bbcf6.jpg
が有名だが(といっても、今の若い世代は知らないだろうが)、実はそれ以前に「多胡西」で描かれていたのだ。

「多胡西」は、リアルな不良ファッションや当時、ツッパリと呼ばれた(関西では、当時からヤンキーと呼ばれていたらしいが)不良少年達の行動を散りばめつつ、人情味あふれるストーリーだったが、次に描いた「特攻の拓」では、原作がついた事で人情味あるストーリーでなくなり、よりリアルな不良少年のファッションや行動が強調された。

「拓」完結後、しばらく不良マンガを描かなくなっていた所十三だが、「特攻の拓外伝」で、再び不良マンガを描き始めた。
それに続いて描いたのがこの作品である。

この作品の元になったゲームは、単行本に巻かれた帯によると、300万人が遊んでる携帯・スマホゲームらしい。
その為か、単行本の巻末についてる付録も、限定レア背景をゲットできる「シリアルコード入り袋とじ」。
150314_095634.jpg
なんかよくわからんが、自分にはいらないので、開封すらしていない。
まあいいか。(笑)

このゲームをやってる人には不要だろうが、やってない人向けに、まずはあらすじを。

この物語は、かつて横浜で持ち主4人の命を奪い、呪いの伝説を残したバイク「レジェンド4」は、川崎の鉄工所の熔鉱炉で熔かされ姿を消した。

が、実はレジェンド4は姿を変えて生きており、そうとは知らない八王子テンペストは、レジェンド4を手に入れようと、主人公・桜井隼(はやと)
150314_091640.jpg
の幼なじみ・貴生
150314_091723.jpg
を拉致する。

一日半という限られた時間の中で、その存在すら知らなかったレジェンド4を八王子迄持って行かないと貴生は殺されてしまう。

悩んだ隼は、ふだんから目をかけてくれている憧れの存在、元横浜四天王のひとり、本牧螺旋(スパイラル)の初代総長だった真宮寺輝150314_091809.jpg
を頼る。

事情を聞いた真宮寺は、かつて自分が着ていた特攻服を隼に貸し、この夜、最近八王子ナンバーによる族狩りに業を煮やしていた横浜のチームによる検問が張られるのを通れるようにする。

しかし、隼の乗る単車は、いつものXJではなく、代車の中国製バイク幸福(シンフー)250。
150314_091954.jpg
それに不釣り合いの真宮寺の特攻服という怪しいカッコの為、見事に検問にひっかかってしまう。

真宮寺からTELが入った事で通されたが、かなりの時間をロスしてしまう。

約束の時間が迫る中、隼が幸福のエンジンが高回転した時、奇跡が起こった…。150314_091906.jpg

内容的には自分好みの作品で、ケンカやバイクレースのシーンでは、所十三の迫力ある画を堪能できたし、150314_092114.jpg
ラスト近くでは貴生とのちょっとジワッとさせられるシーンもあってよかった。150314_092200.jpg
所十三というマンガ屋は、この迫力あるシーンとジワッとさせるシーンのキャラクターの表情の描き分けがうまく、これにより、それぞれの表情が際立つ。

が、全1巻という限られたページ数のわりに、ゲームの特性上しかたないのだろうが、登場人物が多すぎ、隼以外のキャラクターの人物像がほとんど描けてなかったのが残念。
テンペストとの抗争も敵のリーダーに逃げられ、
150314_095737.jpg
スッキリしない終わり方になってるしね。

なお余談だが、この本の発売元に驚いた。
「山下書店」。
出版自体は別の会社だったが、それはどうでもいい。
自分が10代の頃、山下書店の銀座店でバイトをしていた事がある。

その頃の店長は、社長の息子さんで、周りの店員さんも、どちらかというと金持ちの息子達だったなあ。

バイトの先輩達もみんな大学生で、大人に感じた。
毛並みが違って、当時は今よりはるかに扱いづらかったであろう自分を飲みに連れて行ってくれたり可愛がってくれたなあ。

そんな懐かしさを感じさせてくれる名前に出会った。
AD