久しぶりの更新です。

いやあ、二ヶ月近く、書けてなかったんだね。

最近、仕事の事やプライベートでいろいろ考える事があって、このマンガのブログ、7月に下書きを始めたんだけど、一旦、削除して、最初から書き直しました。

といっても、これまた、ちまちま下書きしながら、手直ししてという作業を繰り返したんだけどね(笑)

ここからが、本題。

この「餓狼伝」、オレも知らなかったんだけど、二度目のマンガ化らしい。

以前は、谷口ジローという、小池一夫門下の劇画家が小説の一巻だけをマンガ化したらしいけど、そっちは、オレは読んでないんだよね。

という事で、オレにとっての「餓狼伝」は、この、板垣恵介版!

板垣恵介といえば、週刊少年チャンピオンで長期連載された「刄牙-バキ-」三部作が、わりとメジャーだけど、オレは、敢えて、「餓狼伝」。
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格闘技フアンなら、誰でも一度は考える、「最強の格闘技はなんだ!?
これをテーマに、今まで、故・梶原一騎の「地上最強のカラテ」とか、川原正敏の「修羅の門」とか描かれてきたけど、この「餓狼伝」の凄いところは、それを、小説で書いてるところ。
マンガなら、画で、作者の知識や資料不足をごまかせるけど、文章だと、その場面を読者が連想するから、不自然な感じには書けない。

この難しいテーマに、挑めたのは、当時の夢枕貘の若さと格闘技にたいする、フアンならではの造脂の深さだろうね。

で、さらにこれをマンガ化するとなれば、原作小説から読者が想像する風景を超えなければならない。
そういう意味でも、原作者と同じ、もしくはそれ以上の格闘技フアンである板垣恵介は、まさに適役。
彼の描くマンガもまた、どんなに美形キャラでも、筋肉隆々だからね(笑)
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そんな黄金コンビで描かれた「餓狼伝」は、やっぱり、秀逸。
ただし、後半に差し掛かる迄ね。

あらすじとしては、いくつかの武道家を路上で倒してきた空手家、丹波文七が、鈴蘭の、我が道を行く-130923_191256.jpgはじめて敗れた、プロレスラー、梶原年男鈴蘭の、我が道を行く-130929_122354.jpgに三年後、再戦を挑むところから始まる。
三年の月日は、当時、道場生だった梶原を、稼げるプロレスラーにしていたが、丹波は、リング上で、梶原を、一蹴する。しかも、空手家でありながら、関節技を使って。
この様子を、テレビで観ていた、梶原が所属するプロレス団体FAWの社長、グレート巽と、鈴蘭の、我が道を行く-130923_190424.jpg実戦空手の北辰館館長で、既に現役を引退してる松尾象山が、鈴蘭の、我が道を行く-130923_190224.jpg丹波に興味を抱く。

ほどなくして、北辰館の門下生が、何者かに、相次ぎ倒されるという事件が発生する。

松尾象山は、これを口実に、自分の前に、丹波を連れて来るよう、一番弟子である、姫川鈴蘭の、我が道を行く-130923_190946.jpgに伝える。

街中で、北辰館の門下生達に囲まれ、道場に連れて来られた丹波は、背後から迫る闘気に飲まれそうになる。
その気を発する者こそ、松尾象山であった。

松尾象山は、自身も参加する、北辰館主催の空手トーナメントへの参加を丹波に薦めるが、丹波は、トーナメントに参加しなくとも、今ここで、松尾象山と戦う事はできるとうそぶく。
これを聞いた象山は、丹波を攻撃し、構えをとらせる事で、自分の現役復帰を知らせる。
一方、構えをとりながら、象山に反撃できなかった丹波は、象山の強さを感じる。

帰り道、再び、門下生達に囲まれる丹波。
彼らは、何者かに倒された北辰館の者達の関係者であった。
彼らと闘っている最中、自分と似た体型の男が現れる。
彼こそが、実際に、北辰館の門下生達を倒した男で、丹波が、以前倒した、竹宮流の門下生、藤巻十三であった。
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藤巻は、丹波に倒された師範代・泉宗一郎の娘に恋しており、丹波文七、姫川勉、松尾象山を倒したら、その娘を嫁に欲しいと、泉に願い出ていた。
藤巻と丹波が闘う中、姫川と泉の娘鈴蘭の、我が道を行く-130929_123204_ed.jpgが現れる。
泉の娘は、既に、姫川の女になっていた。

姫川は、丹波と藤巻に、北辰館のトーナメントでの決着を提案するが、藤巻には、トーナメントのような、表舞台には立てない事情があった。
かつて、泉の家に強盗に入り、泉の娘を強姦した暴漢を殺し、現在、なお、逃亡中の身だからだ。

泉は、丹波に北辰館の堤城平を紹介する。
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このふたりは、グレート巽のFAWのトーナメントで闘うのだが、その合間に、松尾象山とグレート巽の格闘家としての過去が明かされ、そして、丹波と堤の試合の決着後には、優勝者には、松尾象山との対戦権を与えられるという北辰館空手道トーナメントが開催される。
丹波は、堤との試合のケガで参加できないこのトーナメント、空手道とは名ばかりの異種格闘技戦で、あらゆる武道の腕に覚えがある猛者達が参加する。
中でも、北辰館の一番弟子でありながら、虎視眈々と松尾象山を倒す事を狙ってる姫川、FAWのグレート巽の肝煎りの鞍馬、ひそかに藤巻十三から竹宮流を学ぶ長田鈴蘭の、我が道を行く-130923_191210.jpg
は、このトーナメントの中心になっていく…。
このトーナメントで注目を浴びたのが、北辰館の姫川で、本当に強いのかだったのだが、噂以上の実力を見せつける。

トーナメントが進み、準決勝、長田と鞍馬の同門対決を長田が制し、決勝は、姫川と長田で行われる。長田は、藤巻から伝授された竹宮流の虎王を放つが、姫川のひと蹴りで沈む。
その姫川の前に、逃亡中の藤巻が乱入する。

松尾象山の許可を得て、二人は、因縁の対決を行う。姫川は、藤巻との死闘の中、初めて、自分の全てを解放できる相手に出逢えた喜びを知る。

ケガを治した丹波は、空手道トーナメントの参加者達と、場所を選ばず対戦し、倒していく。

この流れの中、今迄の、ひとつの武道を極めるという事から、ひとつひとつの武道は、及第点でも、総合力で相手を倒す、村瀬豪三という新しいタイプの武道家が現れる。鈴蘭の、我が道を行く-130923_191107.jpg

丹波と村瀬の出会いが、新しい時代の幕開けを告げる…。

とまあ、ここで一旦、休載となるんだけど、早い話、遅々として進まない原作にマンガが追い付いてしまい、未だ終わりの見えない小説だし、マンガの方も進める事ができなくなってしまったという事だろうね。

この頃って、板垣恵介のライフワーク、バキシリーズ鈴蘭の、我が道を行く-51cHa8DJCVL._SL500_AA300_.jpg
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の「範馬刄牙」もクライマックスに差し掛かってて、この「餓狼伝」の休載以後、板垣恵介は、自身のオリジナル、「範馬刄牙」に集中する事になった。

結果、「範馬刄牙」は、シリーズの集大成に相応しい仕上がりとなり、だからこそ、本編が終了した後も、サブキャラを使った、ほかのマンガ家の手による外伝も人気作になっている。
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「餓狼伝」の魅力は、そこに出て来る、オリジナルの餓狼達はもちろんだが、それ以外に、あきらかに大山倍達がモデルであろう松尾象山と、同じく、アントニオ猪木がモデルであろうグレート巽にある。

アントニオ猪木と大山倍達といえば、オレ達のガキの頃、強さの象徴だったから、それを、モデルにしたふたりが闘ったら、どっちが強いのかは、とても気になる。
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ようやく、このふたりに、主人公の丹波が挑もうというところに差し掛かっての中断が惜しまれてならない。
きちんと完結させる事ができていたら、夢枕貘にとっても、板垣恵介にとっても、間違いなく、代表作のひとつになっていただろう。
このブログでも、繰り返し言ってるが、作品の価値は、完成させてこそ決まる。
作者は、自分の作品を発表した時から、その作品は、自分の物でありながら、自分だけの物ではなくなり、自分と読者の物になった事を自覚しなければならない。
それができないなら、発表せずに、ひとりで日記を書くように綴っていればいい。

物書き屋なら物書き屋のプロとして、始めた作品は終わらせなければならない。それなのに、この原作になっている小説の「新餓狼伝∥」のあとがきで、完結させなくてもいいかな、と思ってるなどと平気でほざいている。

原作小説が完結しない事で、マンガが中断し、関係者はもちろん、読者にどれだけ迷惑をかけたか、全くわかっていない発言である。
それどころか本編もまだまだ終わりが見えてないのに、別のマンガ屋と組んでオリジナル新作「真・餓狼伝」なるものを始める始末。
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どこまで、中途半端な作品を垂れ流すつもりなんだろうか?

この餓狼伝は、読後のなんともいえない中途半端感は否めないが、スピード感、アクションなど、ストーリー自体はおもしろい作品なので、格闘技マンガが好きな人にはオススメかな。
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