遅ればせながら今回紹介するのは、タカラトミーから出ている「タイガーマスクマスクドレスラーコレクション」。
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これは久しぶりに出たガチャガチャの景品で、レギュラー7種、シークレット1種の全8種類で台座付き、1回300円。

画像はガチャガチャの機械(ベンダーマシンと呼ばれるらしい)に差し込まれてる台紙なのだが、見づらいと思うので、ラインナップをひとつずつ並べてみました。
左上から順に、
・タイガーマスク
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・赤き死の仮面
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・ミスター・ノー
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・ザ・ゴールデンマスク
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・ザ・ライオンマン
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・スカルスター
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・タイガー・ザ・グレイト160701_102309.jpg
・シークレット(虎の穴の3 人の支配者)
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それぞれのレスラーについては過去の「タイガーマスクのオモチャ」に書いてあるので、詳しく知りたい方はそちらを見て戴きたいと思う。

タイガーマスク関連のものの中では全部コンプリートしても2400円とかなりお手頃価格なのだが、ガチャガチャの景品という特性上、まともに回してコンプリートするにはダブる可能性が高いのでお金と根気がいるので、ガチャガチャは回してコンプリートしないとというこだわりがある方以外には、自分も今回は手が届く値段だったので(代引送料込みで3000円)これで買ったのだが、ガチャガチャ景品などをセット販売してるショップもあるのでそちらでの購入をお薦めしたい。

今回うれしかったのは、マンガ版でなくアニメ版だった事で、もしこれがシリーズ化されたら、タイガーマスクにはかなりの数の覆面レスラーが登場したので、メジャーなものだけでも結構いるし、マイナーなものまで含めたら膨大な数になり、長期シリーズも可能だろう。

しかし、バンダイから出ている同じ系統の「キン肉マン」に比べると、アニメを観ていた年代が高齢になっているので支持層というか購入層が少数派なのは否めない。

そもそもタイガーマスクは、仮面ライダーやウルトラマンなどに比べ知名度も低いが、そのわりにコアなフアンが多いという変わった作品でもある。

自分としてはシリーズ化してほしいのだが、メーカーが最初からシリーズ展開を意図してる場合、主人公はともかくサブキャラや敵役のメジャーなものはマイナーなものと混ぜながら小出しにしてくる。

しかし、このタイガーマスクについては今回のラインナップで代表的なものは出してしまっている。
そう考えると、シリーズ化どころか次があるのかすら怪しい。
メーカー的には今回の食いつきによっては、あと一回くらい出してもいいかな、というところだろうか?
メーカーも力を入れてないのは付属のブックレットからも窺える。
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というのもブックレットに各レスラーの解説がついているのだが、
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メーカーが力を入れてる場合、中身と解説を合わせるのだが、これは最初からブックレットはランダムに入ってますとご丁寧な?注意書きがされており、実際そうなのだろう。
自分が買ったセットについてきたブックレット8枚もタイガー・ザ・グレイトとシークレットの2種類だった。
しかもいまどきモノクロですよガーン
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ガチャガチャと考えたら、実物の写真を見てわかるように結構デキはいいのだが、ブックレットからはそれが伝わりにくいのがもったいないと思う。

タイガーマスク関連の商品はこれまでいくつも出されてきたが、これまで自分が納得いくような形でシリーズが完結したものがなく、正直どうせまた中途半端で終わって消化不良をおこすんだろうなと諦めてはいるのだがついつい期待しちゃうんだよなあ。
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今回のマンガは二部作で構成されており、本編が全13巻と獄中編全3巻で完結となる。
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本編では、主人公の濁組組長・久慈雷蔵(クジラ)
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が55歳にして学と食を求め熟年離婚した。

昼間はヤクザ、夜は子分達に隠れて定時制高校に通うようになり、学校では久慈の風貌と名前から「クジラ」というあだ名をつけたクラスメートでヒロインの咲子160617_115928.jpg
と親しくなる。
同じクラスの悪ガキ達はそれがおもしろくなく、はじめは難癖をつけるがやがて年長の仲間として受け入れるようになる。
時には学生として同級生達と、時には街でヤクザの親分として自分の組の組員や敵対組織や縄張り(シマ)内の人々と関わり、後半では娘の結婚式にヤクザであるがゆえに出席しない父親としての哀しみなどを様々な食とそれを絡めたエピソードで話は進む。

やがてクジラは若頭の吉田160617_121304.jpg
に組を譲りヤクザから隠退し、カタギとなって学生生活を過ごし、孫が生まれるのを楽しみにしていたが、別の組織にいる兄弟分が対立する組との抗争で殺された事で、仇討ちに単身対立する組に乗り込み全滅させる。幸い相手に死人が出なかったものの傷害罪で5年の刑務所送りとなる―。
ここで本編は終了。

この続編が「獄中編」である。
学校に休学届けを出したクジラが本編の事件で5年間の収監生活を過ごすために送られたのは岩窟刑務所。
普通ならクジラが送られるような刑務所ではないのにそこに送られた事に濁組の上部組織「風組」総長・風岡翔
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は裏にある悪意を感じ取り、若頭の望月に秘かに調査させる。
岩窟刑務所の特徴は、独居房を管理する閣下、
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拷問房は軍曹、
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刑務所長は殿下
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などと房を管理する刑務官が、それぞれあだ名で呼ばれている事で、殊に殿下などは許しを得ず顔でも見ようものなら、それだけで刑期を延ばされてしまう。

クジラは自分がこの刑務所に送られた事情も知らず、教育期間を経て、雑居房での集団生活に入る。
刑務所には様々な種類の犯罪者がおり、犯した罪と食を絡めたエピソードで話は進み、所内の服役囚を束ねるム所長が入浴時クジラと会い、収監されているのを知り、その座をクジラに禅譲する。

これまで幾度もクジラに仕掛けてきた殿下もこの事からクジラがただのヤクザではないと知り、警戒を強めるようになる。

クジラを岩窟に送ったのが風岡を敵視する、殿下と大学時代の同期で次の議会選挙に出馬する男であった事がわかり、風岡は対立候補に肩入れし落選させる。
それを知らずにクジラを罠に嵌め、ムチ打ちそうとしていた殿下は議員との癒着を暴かれ辞職した。

満期を迎え出所したクジラは始発で地元に帰り、懐かしい通学路を歩きながら家に着く。
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誰も出迎える者のいないはずの部屋に入ると、そこには別れた女房と5才になった孫の姿があった。
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そして食卓には白粥と焼き魚、漬け物が並ぶ。
孫を膝に抱きながらそれらを口に入れた時、はじめて更正したクジラであった。160617_120340.jpg

このマンガを描いた立原あゆみは、もともとはたベテラン少女マンガ家である。
が、週刊少年チャンピオンでロングヒットとなり、このマンガの影響でヤクザの世界に入った若者も多かったといわれる
「本気(マジ)!」
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を描いて以来、舞台を青年誌に移し多数のヤクザものや反体制を題材としたものを描いてきた。

「本気!」は、立原あゆみが培ってきた少女マンガのタッチを持ち込み、全体的に細い線で描かれたので、主人公・本気もふだんは少女マンガのキャラクターそのままの穏やかな表情を浮かべているが、
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怒った時の顔の変化はその分凄みを感じさせた。
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また、それまでのヤクザものといえば主人公が縄張りを拡大する為に繰り広げる日本刀やマシンガンを使ったド派手な抗争が売り物だったのにたいし、街に根付いたヤクザを描きリアリティを感じさせたのも斬新だった。

そんな立原あゆみが描く主人公は大概見た目がカッコイイのだが、このマンガの主人公のクジラは太ったオッサンで、親分といっても本編では風組の系列である事すら後半まで触れなかった。
ちなみに風組というのは本気に登場する関東にある広域組織で、本気はこの組織の幹部にあたる「草書」になっていた事もある。

クジラは続きものではあるが、一話完結式の構成となっているので、本編の方は全体的なストーリーにこだわらない方なら一冊でも十分楽しめると思う。

自分は食い物にたいして食べられたらいい、美味いかまずいか安いか高いかくらいしかわからないのだが、この作者は食というものにたいしてかなりこだわりがあるのか毎回登場する料理は自分ならろくに味わいもせず、宝の持ち腐れになるであろう高級食材からそこらのスーパーに売ってるような食材迄使って、毎回バラエティーに富んだ料理が登場する。

出て来る料理が連載されていたのが月刊誌だったこともあり、季節に合った料理が登場し、ほとんどのものがちょっと料理が作れる方なら作れそうな料理であるのもよくあるグルメマンガや料理マンガと違ってイメージを浮かべやすかった。
本編では毎話手づくり料理が登場したが、獄中編になると、囚われの身という事でそうもいかず、替わりにエアー飯なるものが登場する。
クジラが口に出した料理を同室の服役囚達が連想し、頭で腹を満たすというものだが、これには限界があるからか時折刑務官から差し入れられる食べ物の話を交じえて使われた。

また獄中編では、刑務官がクジラのようにそれなりのお金を持ってそうな服役囚にたいして実際にやってそうな賄賂の要求を描いてみたり、人を騙す犯罪を行った者の哀れな末路が描かれていたりして、食だけでなく、この作者が得意とする人間の欲や毒を描いたいいマンガだったと思う。

自分としては長編にありがちな主人公の周りから離れたキャラクターはそのまま消えるというパターンを使わず、高校に通う咲子らをたまに出し、クジラは同級生という絆と年月の経過をさりげなく表現してるところも好きだった。

ただ、立原あゆみの描いたマンガで主人公とヒロインが結ばれて幸せになったものはほとんどなく、自分もこの人のマンガは結構読んだが、「あばよ白書」という伊豆を舞台にしたヤクザマンガだけしか最後に結ばれたのはなかった。

このマンガでも親子以上に年が離れた咲子と結ばれるなんて事は考えもしなかったが、出所したクジラと卒業した同級生達がどんな再会を果たすかと思っていたが、立原あゆみらしいあっさりとした描き方だった。
出所を間近に控えたクジラは閣下に連れられ、世間に慣れておく為の社会見学に街に出かける途中の車内から咲子に似た女性が見知らぬ男と歩く姿を見かける。クジラの住む街から遠く離れた場所なので、他人の空似とは思うものの、5年という年月は少女が大人になるのに十分な長さである。
このエピソードのラストがコレ↓
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そう、クジラが見かけた女性は咲子本人だったというオチである。
大人になった咲子には、クジラを同級生と言っていた面影はないのだ。
ちなみに咲子と一緒に卒業したであろう同級生達は登場しない。
月日の流れと一抹の寂しさを感じさせる、自分がこのマンガで1番好きなエピソードである。

最近減少傾向の人情味のあるマンガだが、日々慌ただしい中で過ごす人にこそお薦めしたい。
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これ、どうです?

テーマ:
このところいろいろ忙しく、しばらく間があいてしまいましたが、ついニヤッとさせられた事があったので書きます。
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昇り竜の刺青(イレズミ)も鮮やかな切れ者風のオッサンのカバーに巻かれてる帯のコピーに注目!
アップにするとこうなります。
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「さあ暴力ハート
ヤクザマンガといえ、単純ながら強烈なインパクトを与える言葉と、その後ろにわざわざハートマークをつけるところに、おそらく単行本の編集担当かこのマンガの担当者であろうが、これを考えた人のセンスを感じ、ついニヤッとさせられてしまった。

このマンガ、「ドンケツ」は単行本が出る度、お決まりで黒い帯にこのようなシンプルなコピーが書かれているのだが、短いコピーでその単行本の内容を実に的確に表現しているのだ。
今回のコピーはその中でも秀逸のデキだと思った。

自分は毎巻楽しんで読んでいるが、なにせヤクザマンガなので受け付けない方も多いとは思うが、書店に行く機会があったら是非手に取って表紙と帯だけでも見てもらえたらと思う。

マンガにせよ小説にせよ、書店で見かける本に巻かれた帯の多くは、「〇〇賞授賞」や「〇万部突破」、「〇〇の話題作」や最近の流行りなのかほかの作家による社交辞令がミエミエのホメ言葉が書かれたありきたりなもので、たしかに無難に目は引くが、そういったものはそこら中にありふれており、自分はそういった帯を見て本を手に取る事はまずない。

そんな自分がこのマンガを読み始めたきっかけも、はじめはもちろん帯に書かれたコピーからではなく、タイトルとカバーに描かれた主人公のどちらかといえばブサイクながらヤクザらしい顔からだったのではじめは気にしていなかったのだが、ふと巻かれている帯に書かれたコピーを見ていて、短い言葉にその巻の内容がきちんと表現されてる事に気づき、それにセンスと工夫を感じ、以後帯に書かれたコピーも楽しみのひとつになった。

こういう上手いコピーを見ると、本に巻かれた帯をありふれたものに甘んじる事なく、本を売る為に工夫する事の大切さと効果をあらためて感じる。

ここから先は余談になるが、このマンガを知らずに最初の画を見て、「あれ?このオッサンどっかで…」と感じた方がいたら、それはかなり記憶力が高い方か、または自分の駄文を丁寧に読んでくださってる有り難い方のどちらかだと思います。(笑)

そうこのオッサン、一年近く前に感想を書いた「アーサーGARAGE」という中古車屋を舞台にしたマンガで主人公が頭が上がらない昔なじみのヤクザとして出て来たキャラクター・ムラさんと同一人物だと思われる。
アーサーの時は三日月組の組長だったが、「ドンケツ」では北九州の武闘派ヤクザ組織・月輪会(がちりんかい)の幹部で華月組の組長として登場。
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おそらく三日月組の上部団体が華月組で、アーサーの時より出世していてその跡目を継いで組長となり、さらにその組が所属している月輪会で活躍し、幹部になったのであろう。

後に従えているのがアーサーの時と同じ横田とヨシオである事から、
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もしかしたらなにかの事情で三日月組を華月組に改名したのかも知れませんが。
ヤクザマンガだけあって「ドンケツ」ではアーサーの時と違い、ヤクザの顔が前面に出ちゃっています。

現在組織の分裂劇のエピソードが進行中なんですが、この巻では敵側についた組を威圧して回ります。
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↑敵とはいえかつての仲間、しかもひとつの組の親分たる者にたいしてこの仕打ち。完全にイジメになってます(笑)

アーサーの時は、これまで怖い者知らずで鳴らし、若くして自分の組をもてるまでに出世してきたが、子供が生まれようとする時期に狙われる立場となり、初めて怖さを知り、また自分を助けようと動いてくれていた仲間の大切さをあらためて感じた事で成長した「玄海の暴れ猪(あばれジシ)」ヨシオもここではヤクザとしての凶暴さを披露しています。
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そんなヨシオですら霞ませてしまうのが村松組長のこの顔
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アーサーを読んだ方ならおわかりいただけると思いますが、後輩や子分思いの優しい親分、自分の縄張り(シマ)を荒らした者にさえ、その上に立つ者がきちんと落とし前をつければ敬意を表しひと破片の温情をかけた人情味あるヤクザのムラさんではなく、切れ者の武闘派ヤクザ村松組長の凄みを感じさせます。

ちなみにこれは自分の偏見に満ちた独断ですが、村松組長は実在したヤクザをモデルにしているのではないかと勝手に思っています。
モデルにしてるのではと思ってるのはこの人。
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なんか似てると思いませんか?

ヤクザがヤクザらしかった時代、三代目山口組で若頭補佐という幹部の座まで登りながら、その奔放さゆえ組から追放された「ボンノ」のあだ名で呼ばれた菅谷政雄。
ヤクザとして悪名を響かせながら、洗練されたファッションセンスで当時の映画スター達に影響を与えたと言われている。
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ボンノは彼が幼少時、煩悩の固まりのような悪ガキぶりから寺の和尚にそう呼ばれ、本人もこのあだ名を気に入ってたらしい。

遥か昔になるが、この凶暴さと繊細さを併せ持ち、組織にいながら自由に生きようとしたボンノの話を聞き、憧れる生き方のひとつだったのを思い出した。
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