その人は私に優しく微笑みかけ、そして言った
「体調どうですか」
「はい!前より良くなりました」
カルテから目を離し、嬉しそうに言う。
「よかったですね!!」
今までお医者さんにこんなに喜んでもらったことはない。
たかが、しがない兎一羽、どこでくたばっても誰も興味がないはずだ。
しかし、目の前に座る美人女医は、嬉しそうに、兎の回復を喜んでいる。
恥ずかしくなり、長い耳を掻き掻きする兎。
「また、一ヶ月後に、レントゲン撮りましょうね」
天使の笑顔で、私に笑いかける。恥ずかしさのあまり、下を向くと、天使が、おばちゃんのはくようなスニーカーを履いていた。
美人、頭がいい、なのに、パンプスでなく、運動靴!
素晴らしいよ!
先生!
そして、10分ほどの密会が終わった!
受付から
「ドバイでイケメンと合コンして、現地撤収となった赤兎馬さま~」
ふん、お会計だな!
いくらでも払おうぞ、庶民たちよ!
「1300円です」
へ?まて、こら、お局受付嬢
おいおい、美人女医との逢瀬は、確か、10分くらいだぞ。300円くらいでよいのではないか、高すぎる
まあ、いい。ここは、美人女医が、兎の回復を狂喜乱舞で喜んでくれたことに免じ、300円にプラスして1000円も払うとしよう!
そして、美人女医が、兎の健康を心配し、処方してくれた薬をもらいにいこう。
「次にお会いするまで、一ヶ月もかかりますから、切らさないように処方しておきますね」
何から何まで優しいのだ女医よ!次回診察受けるときは、兎も、もう少し毛並みを手入れしてくるとしよう。
「ドバイで合コンの妄想から覚めた赤兎馬さま~お薬ご用意できました」
「四種類のお薬がでてますよ」
女医よ!こんなくたびれ果てた兎のために、四種類もの薬をだしてくれたのか!
ありがたいね
「お会計7000円です」
って、薬代、7000円って!
どういうことなの~
いやあ~
高すぎる!
キャバクラでぼったくられた、お父さんの気持ちで、耳を垂れて家路に着く兎一羽でした。
あ、男の豚丼280円食べたけどさ!