「そもそも泰子が望む「普通」は、生育環境や生活条件のことではないのだと思います。人間を当たり前に信頼できるかどうか、喪失感に怯えずにいられるかどうか、つまり彼女の心の内側にそうした「普通」の安心が欲しいということだったのではないでしょうか。」
月と雷という映画の内容について触れた記事でした。
わたしが求めるふつうも、まったく同じものだ、と読んでいて気づいた。
生活の安定でも老後の安心でもない。
ただ、このヒトはわたしの側から居なくならない、という絶対的な安心。
わたしが望むものはただそれだけだった。
多分「ふつう」に、手にはいるものだと、誰もが思ってるもの。
でもわたしはその「ふつう」を手に入れることは多分ないと思う。
わたしが信じられる人間は最早この世のなかで、るうちゃん1人きりで、他人を信じて裏切られることを、これ以上繰り返すまい、と
心に刻んでしまったのだ。
居なくなる前に言うけれど
わたしは貴方を信じてた。
その時間は幸福だった。
でも、もう
誰かを信じることも自分の人生を捧げることもないと思う。
さよならを言う代わりに、手紙を置いてゆく。
最後の手紙。
初めての誕生日にきみが贈ってくれたものを。