快ストレスと不快ストレス | ファイブアカデミーの心理学入門

快ストレスと不快ストレス

皆さん、こんにちは。寒い日が続きますね。
先日は東京でも本格的に雪が降り、一面真っ白な銀世界となりました。
あたたかい春が待ち遠しいですが、冬の風物詩も楽しみたいですね。

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今回のテーマはストレスについてです。
ストレスというと、皆さんは何を思い浮かべますか。
職場での苦手な上司や同僚でしょうか、家庭内の気になる問題でしょうか。

現代社会では、ストレスの問題に煩わされていない人は、いないのかもしれません。
このやっかいなストレスという問題について、
「ストレス」という言葉の本来の意味から考えてみましょう。

ストレスという言葉は、もともと物理学や工学の分野で用いられていたものです。
まず、弾力のあるゴムボールを想像してみてください。
それを手でつかんでギュッと押してみると、ゴムボールはへこみますよね。

そのへこんだ状態と元の丸い形に戻ろうとする状態を「ストレス」といい、
ギュッと押している手は「ストレッサー」と呼びます。
これを生体反応にあてはめて考えたのが、生理学者のセリエという人でした。

ですから、苦手な部長や同僚、うまくいっていない夫や親などに対して、
「もう、その存在自体がストレス!」という表現は、本来の言葉の意味としては、
使い方がちがっているということになりますね。正しくは、
「(ウチの夫は)存在自体がストレッサー!!」というのが正解です。

ところで、ストレスなんてないほうがいいと思いがちですが、
実はそうではありません。まったくストレスのない状態は
むしろ倦怠感や意欲低下を招き、活動の生産性もあがらないといわれています。
幸せに過ごすためには、適度なストレスが必要なんですね。

また、ストレスには快ストレスと不快ストレスがあり、
不快ストレスは心身をつかれさせ、病気を引き起こす原因ともなるものですが、
快ストレスは積極性や前向きさを引き出し、プラスに働くものとなります。

ストレスの権威であるセリエは「ストレスは人生のスパイスだ」という言葉を
残しています。快ストレスをうまく生かして、
香り豊かで旨みのある人生を過ごしていきたいですね。