【生活保護も不正も増、自治体調査に限界】
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120526/biz12052601160001-n1.htm
人気お笑いコンビ「次長課長」の河本(こうもと)準一さん(37)の母親が今年4月まで受給していたことでクローズアップされた生活保護制度は、生活困窮者に対し、最低限度の生活を保障する“最後のセーフティーネット”といえる。高齢化や不況を背景に受給者数が過去最多を更新し続ける一方で、不正受給も増加の一途をたどっている。
厚生労働省によると、今年2月に全国で生活保護を受給した人は209万7401人。戦後の混乱の余波で過去最多だった昭和26年度の数字を昨年7月に上回って以降、8カ月連続で最多を更新している。平成24年度は生活保護費として約3兆7232億円が当初予算に計上された。
不正受給も22年度までの5年間、増加し続けている。22年度は過去最悪の2万5355件、計約128億7426万円が不正に支給された。
不正で最も多いのは収入がありながら「ない」と偽って申告するケース。今月18日には年収が1億円以上あるのに熊本市から生活保護を受けていた投資勧誘業の男が熊本地裁で懲役3年、執行猶予5年、罰金3000万円の判決を言い渡された。
不正が絶えない背景には扶養義務を親族がどこまで負えるかについての判断や確認が難しいこともある。
生活保護は原則として世帯単位で決定されるため、河本さんと別居する母親は、別世帯として判断される。民法では親族間の扶養義務が定められ、保護が申請されると、保護決定を行う自治体が親や子供など扶養義務者による仕送りの可否などの調査を実施する。
ただ調査への回答は自己申告で、離れて住んでいる親族には文書で調査を行うことも多い。申請者親族の資産調査は可能だが、調査で照会を受ける親族らには法律上の回答義務はなく、銀行などに個別に確認するにはとても手が足りない。
河本さんは会見で「収入が安定せず、いつ仕事がなくなってもおかしくない不安の中でやっていた」と説明し、自分の判断で母親への援助額を決め、その一方で生活保護を受けさせ続けていたと説明した。
東京都のある自治体の担当者は「立派な家に住んでいる親族に『住宅ローンがあるから』『子供の教育にお金がかかる』と断られたこともあった」と話す。
厚労省の担当者は「収入が不安定でも、その時点で扶養可能な収入があるのに扶養いただけない場合は、文書だけでなく職員が出向き状況を確認して相談する必要がある」としている。
■生活保護 最低限度の生活を保障し自立を助ける制度。国が定める最低生活費に比べ収入が少ない世帯に差額分を支給する。食費や光熱費に充てられる「生活扶助」、家賃に当たる「住宅扶助」などがある。費用は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担するが、自治体、家族構成、年齢により保護を受けられる基準額は違う。例えば、東京23区に住む夫33歳、妻29歳、子供4歳の家族が保護を受けた場合、生活扶助は17万2170円。民間住宅を借りる場合は、さらに上限6万9800円の住宅扶助が出る。
(2012.5.26 01:13)
はっきり言って、今回の河本のようなケースは氷山の一角であり、生活保護受給者の多くを占める高齢者世帯について、子供が高収入を得ているのに親には1銭も援助をしないと福祉事務所に回答している事は数多くあります。
福祉事務所職員は、警察や税務署のように強制調査権限を有している訳ではなく、子供が「親子関係がもともと悪く、小さい頃から虐待を受けていた。いくら私にたくさんの年収があると言っても、親に援助する事は出来ない」などと強弁したら、それでも無理矢理援助をさせることは出来ない仕組みとなっているのです。
こんな事はそもそもおかしい事です。
生活保護法の精神は、自らの就労や、扶養義務者の援助、財産の売却、年金など、他の制度や施策で生活費が賄える場合はそれを優先的に使い、最後の最後、どうやっても最低生活が維持できない状態に陥った人のみに適用される、というものです。
にもかかわらず、生活保護制度の運用を任されている福祉事務所の職員に、そうした適切な運用を行うための権限が与えられていません。
いや、むしろ、職員が法の精神に基づいて、厳格な対応をしようとすればするほど、「弱者に冷たい行政の対応」といったトーンでマスコミのバッシング報道を受けなければならない状態にあります。
生活保護を受けずにいた人が餓死でもしようものなら蜂の巣をつついたような騒ぎになるのが常でした。
そして、極めつけが政権交代直前の「年越し派遣村」騒ぎであり、生活保護を受けられずに公園で過ごすことになった派遣切りに会った人をクローズアップし、生活保護をもっと受けやすくするべきだ、といった論調が幅をきかせ、「派遣村の村長」湯浅誠が民主党政権で内閣府参与になるなどしたことでした。
これにより、生活保護をどんどん積極的に適用せよ、という流れが政府の中にも出来てしまい、「平成24年度は生活保護費として約3兆7232億円が当初予算に計上」というところまで来てしまいました。
ちなみに、不正受給128億7426万円、というのは収入があったにも関わらず、申告せず、それが後で何らかの形で発覚した場合に生活保護法第63条が適用され、その無申告の収入分を返納した金額の合計であり、実際には、これも氷山の一角であり、これが明らかになることはまずないでしょう。
例えば、福祉事務所に対しては「親に対し、1銭も仕送りできない」と言っていた子供が、事あるごとに数万円とか送金していたとしても、まずわかることはありません。
河本の件はまさしくそのようなものでしょう。
しかも、河本については、仕送りをしていたのに無申告にしていた、という事なら不正受給になりますが、扶養する能力があるのにしていなかった、ということでは不正受給とするのは難しく、もしかしたら岡山市の福祉事務所は不正受給としないかもしれません。
親への仕送りが口座振込で行われていたらともかく、現金で渡されていた場合、河本やその母が「渡していない・受け取っていない」と主張すればそれまでであり、吉本が弁護士まで付けている以上、何としても「不正受給」となるのを避け、「自主的な返納」とするように画策するのは間違いありません。
とにかく、今後の動きには要注目です。
いずれにしても、小宮山は生活保護の減額を宣言しました。
一度自分らがたがをゆるめてしまい、モラルハザードを引き起こしてしまったものを元に戻すことは非常に難しいと思われますし、そもそも民主党が本気でそんなことに取り組むのかが非常に疑わしいところです。
まあ、もはや政権の座から一刻も早く去ることが求められているのが民主党ですから、このことについても何の期待もしません。
あとはマスコミの報道姿勢もどうにかしないと問題解決は難しいでしょう。
結局はマスコミと民主党の問題に帰結します。


