ナマステ・インディア(前回記事参照)から、アイヌ熱再燃!
久々に民族衣装ネタを真面目に書くか(笑)

過去にもアイヌネタを書いている。
但し、好きなだけで詳しくはないので間違いの可能性もある事をお断りしておく。

前からアイヌの衣装には、幾つか名称があり何らかの区別がされているのだと理解して来た。
その違いが何なのか。
実の所、私は全く分かっていない。
だが、分かっていないながらも見えて来たものがある。

手持ちの本を改めて見返して気付いた事をまとめてみる。



これは日本民藝館で購入した写真集。
一般書店には流通していないと思われる。

どうやら、文様(と装飾技法)の違いにより名称が別れる様だ。





アットゥシ
アイヌの衣装で最も聞く名称だろう。
薄い色をベースに濃紺(黒?)の生地で切り伏せ(アップリケ)。
切り伏せは角張っている。
その上にS字文様の刺繍。



カパラミプ(正確にはラとプは小文字)
丸みを帯びた白のS字文様(切り伏せ)が濃紺(黒)部分を埋め尽くす様に入っている。
これも切り伏せの上に刺繍が施されている。



チンヂリ
黒(濃紺)に白や淡色でS字文を刺繍。



ルウンペ
濃紺(黒)地に切り伏せと刺繍。
切り伏せによるS字文は細く鋭い。
白以外に赤や黄色でも切り伏せ装飾がされている。

ざっくりと、以上の様に別ける事が出来るのではないだろうか。

それと、素材によっても違いがある様だ。
※「民藝」600号参照。




アットゥシ→オヒョウ(樹皮繊維)等から自製の樹皮衣。

テタラペ→イラクサ等の草皮衣(樺太アイヌの伝統衣)。

チカルカルペ(ルは小文字)→木綿(本州から入手した古着をアイヌ仕様にリメイク)。

先述のチンヂリは木綿とある。

簡単にまとめると
・文様(とその技法)
・素材
で別けられるのではないだろうか。



写真集にはなかったが民藝には赤い着物もあった。
更に違う名称や別け方があるのかもしれないがどうだろうか。
これらの着物にハレとケの違いはあるのか、着用に男女の別はあるのか等、今後調べていきたい所である。

アイヌに関する書籍等はライトな物であったり、逆に入手困難でレアな物であったりなかなか詳細を知る手立てがない。
仮にレアな専門書を読む機会があっても、私の能力では理解出来るか!?と思う。

しかし、一つずつでも疑問が解ければ着物生活が豊かになると確信している。
そして、着物製作にも活かせれば幸いである。

最期にお手軽に読めるお勧めの漫画を紹介。

「ゴールデンカムイ」
野田サトル

アイヌの暮らしが丁寧に描かれていて良い。
罠の仕掛け方、狩った動物は余す所なく食べる等興味深い。
※殺戮シーンが含まれるので苦手な方はご注意を。

何時かは北海道の資料館にも行って見たいものである。