ヤッホ~!帆足由美です。




ここにきてぐっと気温が下がり、過ごしやすくなってきましたね。
趣味に没頭するにもふさわしい季節の到来、ということで、
先日購入したノートについてガンガン調べまくっているワタクシ。




感動ノート物語第二弾に取り上げるのは、
昔懐かしいこのノートです。



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ツバメノート株式会社ツバメノート




誰もが一度は手にしたことのあるノートではないでしょうか。
表紙のデザイン、昔から変わりませんよね。
子供の頃こそ、なんかつまんないの、なんて思ってみてましたが、
大人になった今じっくり眺めると、
NOTEBOOKのロゴといい、縁取りのデザインといい、
淡いグレイにもやもやっと毛糸のような模様が入っているところといい、
背表紙の黒々としたところに金色の刻印がきっぱり入っているところといい、
・・・ごめん、列挙しすぎ?
とにかく、クールで大人っぽいじゃありませんか、このデザイン!




でも、ツバメノートの一番の特徴はそこではありません。
なんといっても、書き心地。
使用しているのは「ツバメ中性紙フールス」
ほら、表紙の下のほうにこんな文字。


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フールス紙とは、筆記用の最高級の紙。
通常の上質紙よりも一工程多く漉いており、
ツバメノートの場合はそれに加えてさらに“特漉き”を施し、
より書きやすさを追求したオリジナルの紙に仕上げているのですね。
それゆえ、ただのフールス紙ではなく
「ツバメ中性紙フールス」と印刷してあるというわけ。
HPには「透かして見て下さい。高級紙のフールスマークが入っています。」とありますが、
透かしてみると、本当に、
縦に太めの縞模様、横には細かい縞模様が入っているんです。
よろしければ、あなたも透かしてみて~('-^*)/



さて、こうしてゆっくりと吟味しながら漉いた紙は、
実際に書いてみるとペンの書き味がとっても滑らか!
特に書き味がいいのは万年筆だそうで、
ペン先はスムースに紙の上を走り、
インクは書くそばから気持ちよ~く吸い込まれていきながら、
裏に写り込むようなことはないのですって。
ここしばらく万年筆とは御無沙汰の私ですが、
ちょっと使いたくなってきてしまったわ(;^_^A






そして、中性紙というのも大きなチェックポイント!
酸性の紙が時が経つにつれ酸化するのに対して
中性紙は保存性がたいへん高く、
裏表紙にある説明によれば1万年以上保存が効くんだとか~(@ ̄Д ̄@;)
凄くないですか、それって!
自分でそれを確認する術はないのですが、
なんだかロマンがありますよね。






裏表紙には、その他にも、
ページの色が自然な白なので目に良いことや、
自然環境に配慮した紙を使用していることなど、
様々なこだわりについての説明書きが。



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ツバメのマークがキュート!
拡大すると・・・



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色を塗りたくなりますな。







これだけでも十二分にこだわりが感じられるツバメノートですが、
もうひとつ、大きなこだわり。
それは罫線
ツバメノートの罫線は「罫引き(けいびき)」といわれるものです。
製本される前の紙に、
何本ものペンが付いた機械で職人さんが線を引いているのだそうな。
あえて水性インクを使用しているため、
万年筆などの水性インクで文字を書いても
罫線にはじかれることがないのです。



日本に罫引きの技術を持った職人さんは今1~2人しかおらず、
ほとんどのノートはオフセット印刷で作られています。
罫引きは、もはや風前の灯の職人の技というわけです。



実際、ツバメノートの罫線を引く職人さんには後継者がいないようで、
この方が平成22年に病気になったとき、
ツバメノートは関係者に
今後はオフセット印刷になる旨の通知をしたそうです。
幸い職人さんは健康を取り戻し仕事に復帰。
今、私の手元にあるツバメノートも罫引きのものですが、
この昔ながらの技術、
なんとかして残していく手立てはないのでしょうか。


ちなみに罫引きとオフセットの見分け方ですが、
罫引きの場合はページの端まで罫線が引かれており、
オフセットは途中で切れています。
そして、罫引きの線はが少しよれたようになっていて、
手作りの味があります。



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ん~~、いいわ~(^O^)/





製本は糸綴じで。



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これも、職人さんが一冊、一冊、
ミシンで縫っているのだそうな。
手作りならではの丈夫さです。







ここまでのお話だと、
とっても硬派なムードのツバメノートですが、
最近は様々なコラボ商品も充実しています。



店頭では普通の大学ノートしか見かけませんが、
オンラインストアを覗いてみると、
各TV局とのコラボノートや、ドラマ「ガリレオ」の「帝都大学ノート」、
クリエイターとコラボしたキュートなイラストのノートなどなど、
あの生真面目なツバメノートにこんな一面が?!
と驚く展開の仕方なのです。
こんなノートを持っていたら、注目されること間違いなし!
興味のある方、ぜひチェックしてみてくださいね。







最後に、知る人ぞ知るツバメノートの名前の由来を。



昭和11年、浅草橋で文具卸としてスタートした渡邉初三郎商店。
後にツバメノート株式会社と社名が変わりますが、
そのきっかけは、燕さんという名前の営業担当の社員。
お客様から親しみを込めて
「燕さん」「燕さんのノート」と呼ばれているのを知った社長が、
そんなに親しまれているのならと、
社名そのものを「ツバメノート」にしようと決めたのだそうです。
なんという柔軟な発想でしょう!
人のつながり、信頼関係を大切にする姿勢は、
ノート作りのこだわりと根っこが一緒という印象も受けます。
なんだか、ドラマにでもしてほしいお話じゃありませんか?



社名からは消えてしまいましたが、
渡邉初三郎社長の名前はこんなところに。



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HはA5、30は中紙が30枚、Sは横罫を意味します。
でもHって???
そう、初三郎のイニシャルなんですな~(ノ゚ο゚)ノ
B5サイズはW、渡邉のイニシャルが記されます。
私が品質を保証します、ということなんでしょうね。
あ~、タイムスリップしてお会いしたいわ、渡邉初三郎社長。







亡くなった黒澤明監督もお気に入りで、
アニエス・ベーも絶賛したというツバメノート。
最近では、かのコンランショップのバイヤーの目に留まり、
パリ、ロンドン、ニューヨークなどで販売されているのだとか。
いいものは、時代も国籍も超えるのですね。





さ~、となると、
やはりこのツバメノートの真価を味わうべく、
万年筆、久々に導入か~~~?