映画な日々。読書な日々。

本の感想、映画の感想(レビュー)を中心に更新していましたが、2011年出産につき、映画のレビューはしばらくお休みさせていただきます。
しばらくは読書、子育て、コスメ、グルメ情報等を中心に更新していきますのでよろしくお願いします。


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GW何した? ブログネタ:GW何した? 参加中

映画な日々。読書な日々。-グラントリノ

朝鮮戦争の帰還兵ウォルト・コワルスキーはフォード社を退職し、妻も亡くなりマンネリ化した生活を送っている。彼の妻はウォルトに懺悔することを望んでいたが、頑固な彼は牧師の勧めも断る。そんな時、近所のアジア系移民のギャングがウォルトの隣に住むおとなしい少年タオにウォルトの所有する1972年製グラン・トリノを盗ませようとする。タオに銃を向けるウォルトだが、この出会いがこの二人のこれからの人生を変えていく…。[上映時間:117分]


評判が良かったのでGW最終日のレディースデーに観て来ました。ネットでチケット取っておいてよかった。上映20分前に行きましたが、私が観た回だけじゃなくて次の回まで満席でした。


グラン・トリノって車の名前だったんですね~。車は全然詳しくないから映画観るまで全然知らなかったですけど、カッコイイ車ですね。


男は迷っていた、人生の締めくくり方を-。

少年は知らなかった、人生の始め方を-。


ウォルト・コワルスキーは朝鮮戦争の帰還兵で、戦時中に朝鮮兵を殺した記憶が頭から離れない。戦争後、フォード車に勤めたウォルトだったが、今は退職、そして愛する妻を亡くしたばかり。


頑固で口が悪く、人との交流をも頑なに拒絶するどころか敵意さえ抱いているウォルトは、近隣に住むアジア系移民をイエローと差別して忌み嫌っていた。息子家族との間にも大きな溝があり、彼らがすることなすこと気に入らない。そんな息子達が気にするのは自分が死んだ後の財産分与のことばかり。頑固で偏狭で孤独な老人・ウォルトの楽しみは愛車、グラン・トリノを磨くことだけだった。


夜中にそのグラン・トリノが盗まれそうになる。盗みに入ったのは隣人のモン族のタオ。彼は不良グループの従兄・スパイダー達に命令されたのだった。ウォルトにライフルを向けられて逃げ出したタオ。しかしこの盗難未遂事件がきっかけでウォルトとタオに少しずつ交流が生まれる。


物語はとてもシンプルでわかりやすい。

舞台は狭いが、深く大きなテーマで描かれた作品。


ともかくイーストウッド演じるウォルトの頑固ジジイっぷりが見事。常に不満そうで何もかもが気に入らない感じだもん、そりゃぁ息子も孫もあんたに近づかないよ、と言いたくなるぐらい。おまけに唾は吐くわ、口が悪く差別用語も平気でバンバン口にするわ。亡き妻から頼まれたことを伝える新米神父には「頭でっかちの童貞」ですよ。隣のモン族の移民に対しても思いっきり差別用語を使ってるしね。そして何かあればすぐに銃を手にして威嚇する。本当傍から見たら偏屈で頑固で野蛮で嫌な爺さんですよ。


だけど、彼は本当に愛国者だったんですよね。

周りはアジア系の移民ばかりになってしまった住宅街。

自身はフォード車一筋で車を作り続けたが、息子はトヨタのセールスマン。町の不良グループが乗ってる車はホンダ。

病院の主治医はいつの間にか中国人の女性に。

古き良きアメリカの姿が失われ、取り巻く環境がすっかり変わってしまっていることに我慢ならない。

そんな彼が大切にしているのは、自分が組み立てた72年製のグラン・トリノ。この車だけは何年経っても変わらず皆から愛され続けている。


隣人を嫌っていたウォルトだったが自分の芝生に踏み入れられて激怒したことが、結果、タオを助けることになり、隣に住むモン族の娘・スーとタオとの交流が始まります。知的で義理堅いモン族の人々は、関わりあいになりたくないウォルトの気持ちを全く無視して、タオを助けてくれたウォルトに次々と草花や食料を持ってくる。最初ははた迷惑に思っていたウォルトも、スーと打ち解けモン族の人たちと関わりを持つうちに少しずつ考え方も変わってきます。


このスーが果たす役割はとっても大きい。最終的にウォルトとタオが大きな友情を結ぶことになるわけですが、そのすべてはスーのおかげであり、スーがウォルトの心を開き、架け橋のような存在になってくれたんですよね。スーは本当優しくて強くてしっかりした女の子。それだけに後の展開は本当可哀想で仕方なかったですが。


でもスーが間に入ったからといって、ウォルトとタオがすぐに仲良くなったわけではない。車を盗もうとした罪を償わせる為に、ウォルトの元で働かせることにしたタオの母とスー。ウォルトにとってはこの申し出すらはた迷惑。彼女達のあまりのしつこさに根負けしてタオが働くことを承諾したものの、ウォルトのタオに対する態度は正直ひどい。蔑称の連発だもん。タオは良く我慢してましたよね。だけどめげずに「どうせ逃げられないんだから何かやらせて」と言うタオの純粋さがすごくよかったです。ウォルトがタオに心を開き、タオを一人前に育ててあげようという気持ちにさせたのは、すべて心優しく純粋で一生懸命なタオの姿からですよね。


手本となる父親がいなく、女系家族の中で育ったタオ。

息子達とうまく親子関係が結べなかったウォルト。

そんな二人が次第に心を通わせ、師弟とも親子とも友達とも呼べる関係を築いていく姿がとてもいい。また本当頑固で偏屈なジジイにしか見えなかったウォルトが偏屈は偏屈だけどいいおじいさんに思えてくるんですよ。


不良グループのスパイダー達がタオやスーにする嫌がらせが許せず、見てみぬふりができなかったウォルトが、彼らを助ける為、スパイダー達を黙らせる為にしたこと。だけど力を力で押さえつけることは何の解決にもならないどころか、嫌がらせをエスカレートさせてしまうだけだった。ウォルトは後でそのやり方が間違っていたことに気づき、そして最善の方法を考える。タオとスーが安心して過ごせる為にはどうするべきか。


彼が抱えていたトラウマや、生き方を見ていれば自然に彼が取るべき行動はわかる。わかっていてもなお、その姿に涙を流さずにはいられませんでした。


正直最後までウォルトと息子達が分かり合えなかったのはとても悲しかったし、彼が考えて考えて取った行動が正しかったのかはわからない。けれども負の連鎖を断ち切るために彼ができることはきっとあの方法しかなかったのだと思います。彼の選択は、過去に自分がしたことの贖罪でもあり、負の連鎖の断ち切りでもあり、タオとスーの未来を明るくする為の唯一の方法だったのだと。


マイナスの意見を書かれている方のレビューもいくつか読ませていただきました。その方達がおっしゃることも正直納得するところがあったのですが、それでもやっぱり私はこの作品はすばらしかったと思います。2時間かけてゆっくりとウォルトの気持ちや考えが、イーストウッドの思いが心に響いてきたように思います。


新宿ピカデリーにて鑑賞


★★★★

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