映画な日々。読書な日々。

本の感想、映画の感想(レビュー)を中心に更新していましたが、2011年出産につき、映画のレビューはしばらくお休みさせていただきます。
しばらくは読書、子育て、コスメ、グルメ情報等を中心に更新していきますのでよろしくお願いします。


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トウキョウソナタ

健康機器メーカー、総務課長として働く佐々木竜平は、人事部に呼び出され、リストラを宣告される。突然の出来事に、呆然としたまま帰宅するが妻、恵にリストラされたことを言い出せなかった。夕食時、小学校6年生で次男の健二はピアノを習いたいと言い出すが、竜平は反対。翌日から、会社に行くフリをして、毎日ハローワークへ通っていた。ある日、大学生の長男・貴が、世界平和のためにアメリカの軍隊に入りたいと言い出す…。[上映時間:119分]


motoさん に試写状をいただいてティーチイン試写会に行ってきました。これは絶対観ようと思っていた映画だったので一足早く観れてうれしかったです。motoさんありがとうございます!!


ボクんち、不協和音・・・。


会社をリストラされてしまったことを家族に言えない父。

ドーナツを作っても誰にも食べてもらえず、ともかくつまらない母。

アメリカの軍隊に入りたいと言う兄。

親にナイショでピアノを習うボク。


夕飯は家族で一緒に食卓を囲む。ごく普通の家族だったはずなのに、いつの間にかバラバラになり、不協和音しか奏でられなくなってしまった家族の物語。


冒頭、佐々木家に吹き込んでくる強風。まるでこれからこの家に起きることの前兆のような風。


父・竜平は働いていた健康機器メーカー・タニタをリストラされてしまいます。リストラされた日、竜平は玄関から入れずに、窓から入り、妻・恵に「あなた何やってるの?玄関から入ればいいのに。」と言われてしまう。これね、隠そうとする心がそうさせるんですよね。普段と同じようにしてればいいのに、隠そうとするからそれができない。


竜平は多分会社でも家でも権威丸出しで生きてきていたんだと思います。常に俺が偉いという上から目線。家族が揃った食卓も、父が「いただきます」を言うまでは誰もご飯に箸をつけられない。あー、うちにはない感覚だ。


そんな風だから、リストラされたことなんて、権威が丸つぶれになることなんて、とてもじゃないけど言えない。会社に行かないのに、毎日スーツを着て公園で食事の配給に並ぶ。ハローワークの列に並ぶ。その列がね、浮浪者だけじゃないんです。竜平みたいにスーツを着た人たちが沢山いるの。同級生の黒須に至っては、1時間に6回もアラームを鳴らせて、まるで仕事の電話がかかってきた風を装う。なんかその演技が痛々しい。言ってしまえば楽なのに、言えないのが男、なんでしょうか。


変にプライドは高いから、ハローワークで紹介される仕事には納得がいかない。管理職を望む竜平。いやいやいや、現実を見ないと。「あなたに何ができますか?」という問いに「なんでもできます。」としか言えない。そして家に帰れば、行ってもない会社のことを話し、まるで今までと何も変わらないような生活を送り続ける竜平。


私ね、うちが違うからかもしれませんが、竜平のような親がどうにもダメで。だって全然妻や子供の話を聞いてあげないんですよ。子供のためって言いながら、自分の言いなりにさせたいだけ。自分が絶対。アメリカの軍隊に入りたいっていう長男の希望を反対する気持ちはまだわかりますが、次男がピアノを習いたいっていうのに理由も聞かずに「ピアノはダメだ」って一言ですよ。どうして子供がやりたいって言ってることをやらせてあげようとしないのか不思議でなりませんでした。


子供の話もきちんと聞かずに手をあげるのとかもね、ちょっと私は許せない。


「そんな権威、ぶっつぶれちゃえ。」


まったくもってその通り。変に権威なんて振りかざしてるからいけないんですよ。


妻・恵の気持ちはすごい伝わってきましたね。なんていうのかな、つまらないよね、私何やってんだろう?って思うよね。人生変えたいって思うよね、ってすごく共感しちゃいました。離婚しちゃえば?と言う長男に「お母さん役は誰がやるのよ。」って言うんです。「お母さん」じゃなくて、「お母さん役」なの。


夫が権威丸出しにしてるのも諦めてるんです。だから配給に並ぶ夫を見ても、何も言わない。思ってることがあってもぐっと我慢、我慢。


だから後半、突然降りかかってきた危機もね、普通だったらおどおどしちゃいそうなところが、堂々としてるんですよ。それは今の生活から逃げ出したいという気持ちがあったからなんでしょうね。まぁこの辺の描写はかなりリアリティには欠けましたが、何か吹っ切れたように車を飛ばす恵が爽快でした。またティーチインの時に監督も自分で成功だと言っていましたが、恵の服装がすごくよかったんですよ。ずっと臙脂っぽい暗い色の服ばかり着ているのですが、海で朝日を浴びた瞬間、一瞬だけ明るく光るんです。


途中から家族がそれぞれ堕ちていって崩壊していくあたりはアカルイミライを彷彿とさせました。

そしてこのままみんな堕ちてバラバラになって壊れていってしまうのかな、と思ったところで、少しだけ、本当に少しだけ光が差し込みます。


健二のピアノの才能はちょっと唐突すぎるような気がしてしまったので、ラストの演奏シーンもあまり心には響いてこなかったのがちょっと残念だったかな。


痛々しいけど、それぞれみんなから伝わってくるものもあり、だからといって全体的に暗いわけではなくて、上手く笑いも取り入れられていて、完成度の高い作品だな、と思いました。


ティーチインでは監督からいろいろお話を伺えました。そもそもタイトルが「トウキョウソナタ」となっていますが、黒澤監督は今まで映画を撮っていて場所にこだわったことないんだそうです。どこでもいいから一番撮りやすい東京にしていただけで、東京である理由も、東京じゃなきゃいけない理由もなかったとのこと。でもこの映画のタイトルが「トウキョウソナタ」になってしまったので、東京である意味を考えなきゃいけなくなって困ったそうです。


また映画の中では「TOKYO SONATA」と英語で書かれています。直前までこれで行くことに決定していたそうなのですが、ぎりぎりになってカタカナ標記に変わったとか。だから正式には「トウキョウソナタ」だけど、劇中では「TOKYO SONATA」になっています。


黒澤監督はね、タイトルは全然何でもいいんだって。自分でつけるんじゃなくて、映画を撮りながら周りが決めていくらしいです。タイトルって一番最初に耳にはいるものなのにこだわりがないところがなんか面白かったです。


気になったのは、竜平がリストラされた会社。健康機器メーカーとありますが、劇中ではっきり「タニタ」を出してます。別に実在する社名をわざわざ劇中に出す必要性なんてないのになんであえて出したんだ?しかも事実に沿っているのかどうかはわかりませんが、日本人1人の経費で中国人3人雇えるからってリストラするんですよ。あんまり印象も良くないじゃない?なのに思いっきり「タニタ」アピール。この意味を聞きたかったけど、こんなくだらないことで手を上げる勇気はなく聞けませんでした。


ティーチインつき試写会(@スペースFS汐留)にて鑑賞


★★★☆

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